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第三話 金策は金に限るのかな。

 食料は魔法道具(しゅうのうぶくろ)に入っているので餓死の心配は無い。

戸籍も出来たし捕まってもまぁ〜大丈夫であろう。


「金が必要じゃ」「そうだ金!」「住む家を買う金」

 「何処かの宿でも良いのではないか?」

「宿に泊まるにも金!」「そうだ金!」「この世界!金がいるのだ!」


 多少の金なら持っている、異世界の通貨ならなぁ

然しこの世界では使えない、交換も出来ないらしい、

儂が腑に落ちないのは、この国の通貨が金貨や銀貨でなく紙なのだ!


 「紙だぞ! 燃えたら如何するのだ?」

「それでも金だ!」「そうじゃ必要だ」「取り敢えず10億必要だ!」

 「何だ?10億って?」

「いいから用意するのだ!」「金が必要だ!」「そうだ買うのに必要だ!」


 数日、やたら金!金!と三賢者にせがまれていた流人、

調べて見れば、金を換金してくれる場所があるのだが、

如何しても紙と言うのが気に入らなかった。


 「この金貨1枚で大体100万円の価値が有るんだ!前の世界ならなぁ、

 然し、この世界だと75,000円!!  冗談ではないのか?」


 この世界では金が豊富に有るのか? 1グラム=1,000円なのだ!

つまり、100グラムある金貨だが含有量は75%、金の量は75グラム

従って75,000円になる。


 「因みに10億円分の金貨は14,000枚近くいるのだぞ!

 白金貨140枚ってどんな豪邸なのだ?貴族の邸宅を買うのか?」


「広さは関係ない」「そうだ関係ない」「流人が魔法で広くすれば済む事だ!」

 「そうだが、それを知っても10億なのだな?」

「そうじゃ」「金じゃ!」「用意いたせ!甲斐性なし!」

 「まぁ〜出来ない事も無いのだがなぁ・・・」

「お〜用意出来るのか?」「流石!」「見直したぞ、流人!」

 「問題があるのだ、色々と・・・。」


 買い取りは金貨で無くても金なら何でもいいので、

加工品用の地金を使えば用意出来るのだが、問題は量だ!

 

 純金に精錬しても重さが1トンある。

魔道具で持ち運ぶ事が出来る我々は良いが、相手が不審に思わないか?


 そんな心配をしていた流人であったが、

「馬鹿だな〜」「本当、魔法以外は能無し」「甲斐性なしの人でなし!」

 「そこまで申すのか!(怒)」

「本物の金で取引するのじゃ問題なかろう」「そうじゃ魅了を使え」「無能め!」

 「なるほどその程度なら、問題や騒動にはならないか。」


 早速、近所の貴金属店に向かう。


 店前には大きく、

貴金属買い取り販売、大口の依頼もお受けしますっと書いてあった。


 「此処なら問題無いかな?」

「待て!よく見ろ!」「店の展示品を見ろ!」「そうだ見ろ!」

 ガラス窓の向こうには綺麗に加工した貴金属が並んでいた。


「あの様な感じに加工しておけば疑われんだろう」「そうだ」「紐状だ」

 「なるほど、了解した、中へ入るぞ!」


 扉を開けると男の人が近寄り、

「いらっしゃいませ、本日はどの様な御用件で御座いましょうか?」

 「金の買い取りをお願いしたい。」

「買い取りで御座いますね、こちらへどうぞ」

 「少々量が多いのでな頼む。」

「はい、当店は大量持ち込みにも対応致しております、ご安心ください。」

 男について行き個室へ入ると、対面式のテーブルと椅子が設置してあった。


「お掛け下さい」

 言われるままに椅子に座ると

「それで、どの程度の貴金属で御座いましょうか?」

 「そうじゃな1トンほどじゃ」

「い!1トン!!」担当の男が驚いている隙に、魔法を掛ける!

 「周囲魔法、魅了。 周囲魔法、従順。」


[魔法・魅了(みりょう)] :中級魔法、

相手の魔力に同調して感情を支配する魔法

熟練者になると複数に対して魔法が掛けられる。

効果期間は術者の能力次第。


[魔法・従順(じゅうじゅん)] :中級魔法、

相手の魔力に同調して感情を従わせる魔法

熟練者になると広範囲、複数に対して魔法効果がある。

効果期間は術者の能力次第。


 驚いていた担当の男が、

「まぁ〜1トン位の持ち込みは普通に御座いますので少々お待ち下さい。」

 「お願いする。」

暫くすると男と数人の男達が台車を持って帰って来た!


「では金属を鑑定させていただきます。」

 「うむ、分かった。」

 流人がテーブルに先程見たネックレスの様な紐状の純金を乗せて行く。


「まぁ〜1トンですから、一度に鑑定は出来ませんので、

取り敢えずこれだけ鑑定室に運んで鑑別して下さい。」 はい。

 担当者の言葉に、付き添って来た男達が台車に乗せて金を運ぶ。


 それが何度か繰り返される、そして全の鑑定が終わった。

「全て純度100%の正しく純金でございました、

100%とは大変珍しい事でございますが、まぁ〜問題無いでしょう。」


 普通の純金は99.99%通称フォーナインと呼ばれ100%では無い

大変珍しいのだが魅了と従順の魔法で平静にいられた。


 台車に現金が積まれて運ばれて来た。

「本日の金相場が1,100円税金が5%で・・・

全部で11億5,500万円にございます。」


 「ありがとう」と答えて早々に現金を収納して行く。

「10億以上のお金を懐にいれる・・・よく・・・ある事でございますね。」


 リストで確認すると、1,155,000,000のお金が確かに入ってた。


[スキル・リスト] :中級スキル

 異空間や亜空間に収納、貯蔵してある物の種類と量を確認出来る。

 整理や使い易い様に編集も可能だが練度が必要。


 個室を出て店を出ると、担当者達が一礼しながら

「「有り難うございました、またの来店をお待ちしております。」」


 少々照れ臭いのと少し罪悪感が芽生える!

「流人!落ち着いて!」「そうじゃ汚れるぞ!」「大丈夫じゃ、問題は無い!」

 「そうだけどのぉ・・・」

「あの者達も商人じゃ、商売なのじゃ」「値切らないのだから儲けもあろう」

「純金で珍しいと言うとったぞ、喜んでおったぞ!」

 「ふ〜う、そうだね、ちゃんと純金を買い取って貰ったんだからね」

「そうじゃ、汚れる必要はない」「そうじゃ」「商売じゃ」


 「それで、10億で家買うんでしょう?」

「おぉ〜」「そうじゃ」「あの家が買えるのじゃ」


 そのまま不動産屋へ向かう流人達でした。

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