表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
273/2661

第二百七十三話 新年会から、なぜか質問会?

 見学に来ていた料理人達が帰り、

数人の調理、配膳の眷属だけになった広間は広過ぎて殺風景、

そんな中で宴を行っていた流人達だったが、盛り上がりも広がらなかった・・・


「流人、このビル改装って具体的には何するの?」

 「本社としての機能は全て移し終わったので、

 この後は流人(わたし)専用の施設に変わる予定です。」


「これ全部が?」

「もえちゃん・・・」

「友里、分かってる♪(笑)」


 流人専用のビルと言っても、私物化する訳ではなく、

流人のブランドである、societyRや、salonの本店として運用して行くつもりで

美容と美食、衣服に小物、生活雑貨や日用品などを開発販売し

販路の拠点と考えていた。


 「今まで個々の直営店はありましたが、総合店は無かったのでね♪♪」


「ここに来れば全部が揃うって事だよね?♪♪」

 「全部かどうかは分かりませんが、顧客の希望には添えると思いますよ(笑)」


「流人、スーパーは?」

 「スーパー?」

「埋め立て地にあるでしょう? コンシェルジュマーケットってお店!」

「あのお店便利だよね♪ なんでも取り寄せてくれるから♪♪」

「今のところ3店舗だけだよね? ここには置かないの?」

 「必要でしょうかね?」


「そう言われるとね・・・」

「便利だからあったらいいなぁ〜」

 「コンシェルジュサービスは設置しますけどね♪♪」


 自社ブランドで補えない必需品を、代理で調達するサービスを行うと言う。

「凄い!」

「よくわかんなぁ〜い」

「必需品ってのがね(大笑)」

 

 「そうですね・・・」

 例えば、

パーティーに出席する為に、エステや衣装、化粧品など自社の商品で補えるが、

移動用の高級車や、宝石、宝飾品などは取り扱っていない為揃える事が出来ない。


 そんな時に、必要な物を取り扱っている店の手配や紹介を行い、

手続きや受け取りの代行などをするサービスと説明した。


「高級車なんか買わないよね(大笑)」

「流石に必要ないかな(笑)」

 「でも例えばですよ、 彼氏にプレゼントの時計とか、

 彼女へのプレゼントなどでお店を何度も通う必要はないでしょう?」


「あぁ〜・・・」

「便利だなぁ♪」

「けんちゃん?」

「いやさぁ〜、 飲み屋のおねぇちゃんに同じ物を買うと取り寄せになるんだよ、

最初だけで後は代行がやってくれるって事だろ?」


 「はい♪ 他にも、女性だと苦手な家電の選択から配線、設置まで、

 信用の置けるスタッフなので身バレや住所バレの流出はございません。」


「「それ! 便利♪」」


「でも高そうだよぉ?」

「そうだよね、完全にセレブな生活だもんね?」

 「無料(サービス)とはいきませんがね(笑)」


「流人ってさぁ、どんどん凄い事を始めるけど、

利用者の出費は考えていないでしょう(笑)」


「流石にね、セレブ生活に憧れている人は多くても、

実行する子は少ないよね(大笑)」


 「そうでしょうかね? 年間数万円って考えているんですけど?」

「・・・それで採算合うの?」

 「赤字ですけど、必要な経費だと思っていますので(笑)」


 顧客の求める物、今本当に人気がある物、リアルタイムで必要な情報を得る為には

ある程度の出費は必要で、このサービスを行う事で、

自社に無い物、次の販路の情報が得られる事は重要だと流人が説く。


 「宝飾品の需要があるなら進出しますし、家電などでも同様です♪」

「そっかぁ、需要のリサーチって事だね♪」

「顧客の為でもあるけど流人の為でもあるんだ(笑)」

 「宝飾品は高価ですからね、よほどのことがない限り手は出しません(笑)」

「え〜ちょっと欲しいけどね(笑)」

「友里!」

「あ!」

 「流石にこれはね(笑) お遊びでは火傷する世界ですからね(笑)」

 流石の友里が煽っても、進出には慎重な業界だと否定されていた・・・。


 「その代わりと言ってはなんですけど、衣服系をもう少し充実させます♪」

「♪♪」

「やったね♪」

 「っと言っても、気にいるかは微妙ですけどね(笑)」


 春夏物から、超薄デニム生地でTシャツやショートパンツなど、

多機能の綿花でワンピースや部屋着などに使えるオーバーサイズの商品、

質素な色が多かった流人のブランドに、カラフルな色彩を用いた品を新たに提供する。


 「安価な衣服の分野へは参入しませんので、予めご了承ください。」

「societyRって世界中でも高級ブランドになりつつあるよね♪」

「そりゃぁ、皇室や英国王室が評価しているんだもん、なるわよ(大笑)」

 「英国? 王室?」

「「「・・・ひょっとして知らないの?」」」

 「すみません・・・。」


 去年の歌劇場の柿落としに、英国王子が来賓したのだが、

抑々の目的は、女王陛下の要望で自国内へのsocietyRの出店要請が本命で、

態々ウイリアム王子がこんな島国まで出向いて来ていた。


 「困りましたね(笑)」

「出店するつもりないんだぁ?」

「チャンスだと思うけどね?」

 「抑々、societyRは国内用のブランドですよ(笑)」


「そういえば・・・」

「アメリカではsalon of sister'sだっけ?」

 「はい、 ですから英国に進出するなら・・・名前も考えないとね、

 めんどいでしょう(笑)」


「めんどいって・・・」

「それだけで・・・拒否るかね(汗)」

「流石だわぁ(大笑)」


 C国やK国からも出店依頼は多数来ている、

既にC国では類似店も出ている為、流人はガン無視しているが、

東南アジアやオーストラリアなどからも申し入れが来ていた。


「流人よぉ、メンズはどうなのよ? メンズは?」

 「勿論充実させますよ、それこそスーツとかも作るし(笑)」

「スーツはいらねぇなぁ〜(笑)」

 「師匠に似合うブルゾン系は秋までお待ち下さい(笑)」

「秋かぁ〜 久しぶりに散財してみるかなぁ(笑)」

 「買い占めないでくださいよ(笑)」

「だいじょうぶだぁ(笑)」

「「「(笑)」」」


「流人よぉ、流人はゴルフをやらんのかい?」

 「ゴルフウェアですか?」

「それもだが、プレーの方よぉ♪♪」

 「つまらないんですよね・・・あれ、」

「 (笑) まだまだ、お子ちゃまよのぉ(笑)」


 「楽しいですか?」

「今度一緒に行くかい?」

 「・・・」

 渋い顔をしている流人に、東村が大御所として強制して、

今度、浜ちゃんと3人でコースを回る事になった。


「流人ってあんまりスポーツのイメージないよね?」

 「そうですね、一通り遊んで、

 楽しいって思ったのはラグビーとバスケだけでしたね(笑)」


「バスケは分かるけど・・・ラグビーって(笑)」

「あまり聞かないよね、芸能人でラグビーしている人って」

「ドラマとかで何度かあったんじゃない?」

「あぁ〜・・・」

「それだけだよね(大笑)」

 

 「力と技、知力と体力のぶつかり合いですから、楽しいですね♪♪」

「へぇ〜、結構本気なんだね(笑)」

「でも知らなかったなぁ、流人のその辺の興味って♪」

「あんまり流人って自分の事は言わないからね(笑)」

 「そうですかね? 昔に質問受け付けましたけどね(笑)」


「「あ! あった♪ あった♪♪」」

「久しぶりに、流人に質問しようよぉ♪」

「いいね(笑)」

 「ちょっと! 私は承知してませんよ?」

「多数決で決定です。(笑)」


 本気で嫌がる時はメンバーなら承知している、

雰囲気が変わるから分かりやすい、

今の流人は強く押しても大丈夫な気配だったので、

友里や観ちゃんが猛攻を掛けていた。


「何聞こうかね♪」

「そうね・・・改まるとね・・・」

 「ないなら振らないでくださいよ(笑)」


「はい!」

 「なんでしょうか夏歩ちゃん?」

「今、興味があるものは?」

 「興味? 興味って言うか、ピアノは楽しいですね、それとバイク♪

 後は興味ではないですけど、曲を何曲か作らないといけないので、

 その辺が結構しんどいですね(笑)」


「バイク?」

 「はい、自動車の免許は持っていませんがバイクは所持してますからね♪

 たまに乗って遊んでますよ(笑)」


「私もいいですか?」

 「なんなりとどうぞぉ♪ 奈緒の質問だと食べ物かな(笑)」

「違います! 曲を作るって言ってたけどどんな感じで作るのかなって?」

 「そうですね、 プロではないので、実体験しか無理ですね私の場合は」

「実体験?」

 「デートして、楽しい気分をそのままラブソングにするとか?

 受けた感情をそのまま曲にするタイプなんで私(笑)」

「明菜さんの曲も?」

 「はい♪ 表に出れない感情と、それでも知って欲しい思いですかね♪♪」

「それで・・・出来ちゃうんだぁ・・・。」


 「もう終わりでしょうか?」

「じゃぁ私!」

 「なんでしょうか木村さん?」

「希ちゃんの魅力とは?」

 「希ちゃんの魅力ですか・・・

 心が強く、真っ直ぐで悲しみと弱さを知っているところかな? 

 あと可愛い♪♪」

「じゃぁ私の魅力とは?」

 「木村さんの魅力、 明るい、天然で気さくでさっぱりしている、

 忘れっぽく、純粋でなんでも受け入れ様とする感じかな?」


 首を傾げて、どうなの?って感じの木村さん、

周囲からは合っていると言われて自分がそう思われていると自覚していた。


「じゃぁ次、私!」

 「あいよ!なんでしょうか、優ちゃん?」

「なんで私がお酒強いって分かってたんですか?」

 「あぁ〜、匂いかな?」

「飲んでませんよ」

 「酒臭いって言う意味じゃないよ(笑)

 なんとなく飲むタイプだろうなってね、感かな(笑)」

「感ですか?」

 「私の感は外れませんから(笑)」


「私もいいでしょうか?」

 「どんどんおいで♪ はるちゃん♪」

「なんで私は呼ばれたんでしょうか?」

 「それね・・・(笑)」


 夏から事務所に言われて参加しているはるちゃん、

参加しているメンバーを見て気が引けているのか、忘年会の時も大人しかった。


 「はるちゃんの場合は、才能より人柄かな♪ 

 勿論女優としての才能も認めているけど、明るい男っぽい性格と根性かな?」


「女優って私、モデルですけど・・・」

 「残念だけど、モデルとしては個性が弱いから、女優さんを頑張って♪」

「女優ですか・・・演技なんかした事ないです。」

 「大丈夫でしょ(笑) 頭いいし、物覚えもね? 

 それに役柄って色が付いた方が、はるちゃんの場合は個性が伸びるよ♪♪」


「出来ますかね?」

 「その質問は駄目だね!(怒) 出来るか出来ないかではないよ!

 やるか?やらないか?どちらか本人の意思だからね(笑)」

「本人の意思・・・女優・・・」


 ここに居る全員は、理由はどうであれ流人が求めたメンバーである、

実際、参加希望の若いモデル達も多くいるが、

その殆どが流人によって拒絶されている。


 メンバーである事を自信に変えて、楽しくお仕事をして貢献して欲しいっと

流人の言葉に、参加者達は笑っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ