第二百六十七話 コミュニケーションの道具
夢中になった流人と明菜は、交代交代で歌い続けていた。
◯◯明菜の持ち歌と言う縛りが流人に不利な状況を与えている。
曲数を圧倒的に知らない流人に対して、明菜は全ての曲を覚えている、
自分の曲への想いが伝わってくるだけに、彼女の一途さが感じ取れていた。
流人が、マリオネット、水に挿した花、AL-MAUJと歌いたい曲をただ歌う。
それに対して明菜は、流れを崩さない様に十戒、Fin、難破船と返して来た。
「・・・ギブ・・・。 歌えるの無いよぉ〜!」
「それじゃぁ流人、最後に一緒に歌いましょう?」
「まだ何かあったっけ?」
明菜がそっと口付けする・・・と、
タイミングよく飾りじゃないのよ涙はの曲が・・・
「私は泣いたことがない 灯の消えた街角で・・・」
「赤いスカーフがゆれるのを不思議な気持ちで・・・」
交互にフレーズを歌い合いそして言霊が飛び交い幻影を放つ!
お互いが共通した想いを放つ事で、
言葉の印象が脳内に映像として認識させていた。
歌い終わり満足している流人と明菜、
圧巻を受けて見せつけられていたメンバー達は言葉を忘れ、
しばらく呆然としていたが、徐々に認識が回復して、言葉が戻る・・・。
「凄げぇ〜な・・・2人に十分全国回れるだろう・・・」
「明菜ちゃんのライブを見た事ないけど、超えていると思うよ♪」
「本当の歌姫って感じだったよね(大笑)」
「私・・・歌辞めようかな、自信なくしたわぁ〜。」
「まだ・・・早いですね、もう少し時が必要でしょうかね(笑)」
「はい♪♪」
「流人にとっては、まだ駄目なんだぁ・・・」
「どんだけ贅沢なのよ(笑)」
「そりゃぁ流人だもん、私達とは贅沢のレベルが違うわよ(大笑)」
「そりゃそうだ(笑)」
「「「(笑)」」」
「それより明菜ちゃん! 流人にチューしてたでしょ!」
「あ! してた!してた!」
「やっぱり、そう言う仲なのか(笑)」
「私達に隠さなくたって誰にも言わないわよ(大笑)」
「(笑)」
「あれ、言霊って流人がよく使う方法なの(笑)」
「昔の人は使えたんだけどね(笑)」
言霊と言って、思いを伝える通信手段の一つを説明するが、
理解できない様で、流人が仕方なく友里に口付けする・・・
「酷ぉ〜い! あるもん(怒)」
「(笑)」
「「「?」」」
「どうしたんだぁ? えびちゃんよぉ?」
「だって、流人が胸の整形費用出そうかって(怒) 小さいけどあるもん(怒)」
「流人がそんな事言ったのか?」
「聞こえなかったけど・・・」
「え! 確り・・・伝わった?」
「これが言霊ですよ(笑) そうかぁ、
整形費用はちゃんと持っているんですね(笑)」
「流人、そっちのあるもんじゃないと思いますよ♪」
「! そうだよ(汗) って明菜ちゃんも揶揄ってるでしょう!」
「分からないだろうから、実践しただけだよ(笑) ちゃんと伝わったでしょ?」
「うん♪ すごい便利だと思う♪♪」
「使うのは難しいからね、真似しても出来ませんよ(笑)」
「え〜・・・明菜ちゃんは出来たのに?」
「私のは・・・相手が流人だから出来ただけ(笑)」
「私も流人だったら・・・」
友里が流人の唇を奪おうとするが、咄嗟に回避した流人、
躱された事で不快な表情をする友里だった!
「なんで避けるのよぉ(怒)」
「(笑) 流人は誰とでも気安く許す男ではございません(笑)」
「さっき、私にはいきなりしたじゃん!」
「友里って・・・軽いんだね♪♪(笑)」
「もぉ〜(怒)!」
「おい、おい、だいじょうぶか? えびちゃんかなり怒っているぞ!」
「大丈夫ですよ(笑) まだacceptの効果が残っている様ですから♪」
久しぶりに満足の行くまで歌えた明菜が席に戻って、
仲居さんから超アツの日本酒を受け取り、生牡蠣と一緒に楽しんでい♪
「友里、疲れた! 停戦しましょう?」
「流人が悪い!」
「だって・・・意味ないでしょう?」
「意味?」
「なにを伝えようって言うのでしょうか?」
「それは・・・」
「ただ・・・チューしたいだけでしょう?」
「・・・」
「それは・・・彼氏に対しての浮気ですよ!」
「うぅ〜・・・」
納得して席に戻る友里、ホッとして席に戻る流人・・・
「流人って軽いんだか? 確りしているんだか?」
「本〜当! 分からないよね(大笑)」
流人が席に戻ると、優ちゃんにお酌をしていただき、美味しそうに飲み干す。
「ふ〜♪ 喉がね・・・潤いました(笑) っでどうしたんですか?」
「・・・私も超アツ試してみたい♪♪」
「なるほど(笑)♪♪ アルコール臭が、鼻に来ますから注意してね♪♪」
「はい♪♪」
鑑定ではほろ酔い状態のままの優ちゃん、
流石の流人も少しだけ引いていた・・・(汗)
流人だけではない、面倒見のいい、和っ子さんや観ちゃんが遠くから
優ちゃんの様子を観察していたのだが、こちらも呆れていた。
「流人が言うから監視していたけどさぁ、その子私達より強いかもよ(笑)」
「強力な後輩が出現したわぁ(大笑)」
「(笑)」
歌とお酒で盛り上がっていた時に、京子さんが思い出した様に流人に問う
「そう言えば流人! ゲームってどうなったの?」
「私も本体は買ったけど、どんなソフトを買えばいいのか、
普段遊ばないから分からないよね?」
「あ! 忘れてた!」
ゲームソフトを購入してある事を忘れていた流人、
慌てて僕に届けてもらいメンバーに渡す。
「あれ? 明菜ちゃんの分は?」
「私はクリスマスの日にいただいてます♪」
「いいわねぇ♪」
「私なんか流人だけよ(大笑)」
「MHP?」
「モンスターを倒すの?」
「私、こう言うの苦手なんだよね・・・」
「とりあえず、遊んでみてください♪」
説明書を見ながらゲームを始める事が出来る子、
周りに聞きながらなんとか辿り着けた子、最初っから人に任せてお願いする子、
そして、最初っから諦めて放置する師匠・・・、
「こう言うゲームが今後子供達の中で流行って行くと思います、
その時ね、親としてみんながゲームを否定する愚かな親になって欲しくない。」
毎日1時間だとか、ゲームばかりしていると馬鹿になるとか、
無知の大人の意見であり、理解していれば、子供の嫌う親にはならないと説く。
「発売日を楽しみにしていた子供に、1時間だけって酷でしょう?
せめて購入日から数日は数時間遊ばせてあげましょうよ♪」
「確かにね・・・」
「ゲーム始める前に1時間経っちゃったわよ(笑)」
「私達も子供の頃、買ってもらったおもちゃで夢中になって怒られたよね♪」
「ある、ある、 直ぐ飽きるんだから数日だけ見逃して欲しかったわぁ〜(笑)」
「なるほどね、それを理解する為に遊んでみるって事ね(大笑)」
「それもあるんですけどね♪」
脳で反応して指先でコントロールするゲームは、老化防止にも効果があり、
複数で遊べる機能があるので、コミュニケーションにも適していると説明した。
「けんちゃん! 老化防止だって♪」
「俺は、ゴルフでいいよ(笑)」
「師匠、ゴルフだと岡部さんと遊べませんよ(笑)」
「そうだよ♪」
「え・・・そぉなのか♪」
「収録の休憩時間などに、メンバーを集めて一狩行く事が出来ますから、
メンバーや、共演者達とのコミュニケーションアイテムとして
活用していただけたら、仕事現場も楽しくなるのではないでしょうか?」
「撮影の待ち時間にはいいよね♪」
「そうだね、何人かで遊べるんでしょう?」
「説明書には4人までって書いてあります。」
「ちょうどいいじゃんね♪」
モデル組には好評だったが、女優組にはイマイチな状態だった。
「先輩達の前で、若手がゲームは出来ないよね?」
「そうだよね・・・」
「例えばですけど、主役の俳優さんが遊んでいたらどうでしょうか?」
「主役・・・主役だから許されるけど、」
「私達は・・・」
「誘われても?」
「・・・それだったら、」
「でも・・・誘ってくれるかな?」
「(笑) 私の後見人の中には役者さんもいるからね♪♪」
「・・・」
「流人さん、 お願いだから事前に言ってください(汗)」
「そうだよね(汗)」
何人かの大物女優と大俳優の名前を流人が告げると、
優ちゃんやのんが映画で共演したり、
なっちゃんや綾ちゃん、恭ちゃんはテレビドラマで共演するそうだ。
「お話しして、交友を重ねてから戯れてくださいね(笑)」
「戯れ・・・無理よね(汗)」
怖気付いているメンバーに岡部さんが手本を見せる!
「大丈夫よ! ほら♪ 大人しいもんね♪けんちゃん♪♪」
「うぅ〜わぉ〜ん♪♪」
「吠えないの、けんちゃん!」
「きゃぉ〜ん(笑)」
「「「(笑)」」」
「そこまで求めてませんし、そこまですると大怪我しますからね(笑)」
「「「分かってます(笑)」」」
早くもメンバー同士で遊ぶ子と、
ゲームを新しいコミュニケーションツールと考える子、
そして、そう言う時代なんだなぁっと受け入様と思う大御所でした・・・。




