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第二百六十一話 クリスマスイブの出来事

 プロジェクトRの社員(にんげん)は、23日から正月休みに入り、

新年16日から仕事始めとなる為、建物内は静かになっている。

 

 僕や眷属などは、

相変わらず無償の奉仕を行なっている者も少なく無かった。


 流人は、宴と明菜の収録を終え、残すは忘年会のみ、

明菜を加入させるつもりだが、

当の明菜はトレーニングの水泳と病院の往復の毎日だった。


 少々心配ではあったのだが、

頭の中で三賢者が何かしていて頭痛をもたらしており、行動力が低下していた。


 「三賢者! 少しは落ち着いてください、頭が痛いですよ!」

「うるさい!」

「少しは我慢いたせ!」

「負けられない戦いがあるのじゃ!」


 「・・・。」

 希空達も全員PCの前で何か必死に・・・楽しそうにしていた・・・。


 量販店から電話が来て、取り寄せていたゲームソフトが入荷、

ゲーム機本体と一緒に保管しているので取りに来て欲しいとのことで、

邉さんに車を出していただき量販店に向かう。


 いつも大量に購入する流人、その為店員の対応も親切でありがたい。


 「邉さんは、この後なにか予定が入っているのですか?」

「俺かぁ? 何もないけど、今日はテレビの前から離れない!」

 「なにか見たい番組でも?」

「番組じゃない! CMだ♪」

 「CM?」

明菜(あきな)ちゃんが、メッセージで言ってたからな♪♪

見逃せないだろう♪♪」


 「・・・放送時間知らないんですか?」

「!! 流人知っているのか?」

 「21時58分から90秒ですよ?」

「・・・なんで知っているんだ?」

 「ウチのCMですから・・・邉さん?」

「そうだった・・・」


 急いで、サイトに時間帯の告知をする様に紅丸に伝え、

ファン達に無駄な待機時間を与えない様に対応する様にお願いした。


「流人は、どんな内容か知っているのか?」

 「知ってますよ♪」


 急に自分(わたなべ)が、情報発信地に近い事を自覚してしまい、

誘惑に負けない様に葛藤している姿を流人は楽しんでいた♪


「そうかぁ・・・いや! 楽しみが減る・・・でも・・・はぁ〜・・・。」

 「(笑) 駄目ですよ♪」

「分かってる・・・。」


 錦糸町の量販店に到着する、駐車場に車を止めて店内へ・・・

ゲームコーナーで店員に2通の手紙と担当の名前を告げると直ぐに、

担当が小走りで流人に寄って来た!

「すみません、◯◯です。」

 「これ、メーカーからの手紙ですので呼んでください♪」

「メーカーから?」

 ◯◯が2通の手紙を開封して内容を読む・・・

内容は、当社製の商品を大量に注文していただき感謝しますと言う内容と、

転売や違法取引などではない事を確認済みであるとの内容だった。


「(笑) 承知いたしました、

 ウチでも噂になっておりましたので、申し訳ございませんでした。」


 毎回、大量に購入する流人、個人で使うには多過ぎ、

転売を行なったり、海外などに違法な輸出をしているのではと噂になっていた。


 「大丈夫ですかね(笑)」

「はい、直ぐに商品をお持ちいたします。」


 同じゲームソフトを46本ゲーム機本体を9機購入するのだから、

怪しまれても仕方がない。


 ポイントは貯めて現金で支払い駐車場に戻る、

渡邉と店員が荷物を持って付き添いトランクに商品を積み込むと

「ありがとうございました♪」

 「こちらこそ♪ またお願いします(笑)」

「お待ちしております。」っと店員が一礼していた。


 「私って変に見られるのでしょうかね?」

「どうしてだ?」

 「見た目は仕方ないですが、 買い物で・・・」

「(笑) 冷静に考えろよ流人♪ 子供や友達にプレゼントするにしても、

その数は中々無いぞ? 普通は直接、製造元に求めるだろう?」


 「そうですかね・・・量販店の方が便利なんですがね?」

「値段だよ・・・一般はな(笑)」

 「値段ですか・・・」


 直接製造元に大量受注すれば割引もあるかも?

でも、頻繁に注文する訳でもなく、客としては・・・

その点、量販店は知識が豊富で、品数も多い、

修理の請負や配送サービスなども充実しているので、

流人にとっては、出来るだけ量販店で買い物がしたかった。


「流人! 俺はゲームをしないんだけどよ、そのゲームは楽しいのか?」

 「(笑) まだ遊んでないですからわかりませんよ♪」

「そうだよなぁ・・・(笑)」

 「ただ、去年の年末から、希空達が注目していて、

 あの子達は発売当日に入手してましたから、期待はしてますよ♪♪」


「そうなのか? だったら間違いないだろう(笑)」


 ゲームをすると頭が悪くなるとか?

 ゲームばかりしていと目に悪いとか?


 世間の評判は決して良くないが、指先を動かし反射神経を磨く、

脳の伝達を素早く動作に変える運動は決して悪いだけでは無いと、

流人は思っていて、待ち時間などに気軽に遊べるので推奨していた。


「俺は、子供は外で元気よく遊ぶ方が健全だと思うけどなぁ・・・」

 「でも、遊べる場所が無いじゃ無いですか?」


 空き地や駐車場で遊ぶ事が出来なくなっている現代、

道路では危険だし、学校の校庭は放課後の解放に否定的だった。


 「このゲームなら、4人まで同時に遊べますし、

 独りでレベル上げも出来ますから、

 コミュニケーションも取れると思いますよ。」


「4人で! 遊べるのか?」

 「ゲーム機を持っていればね(笑)」

「そりゃ〜当然だろうけど・・・そうかぁ楽しそうだな?」

 「大人は野球やサッカーを推奨しますが、練習の場所も無く、

 集まる人数だってゲームが出来る人数が集まりますかね?」


「確かになぁ〜 どこかのチームにでも所属しないとなぁ、

個人では難しいだろうな? そうかぁ〜 時代が変わったなぁ・・・」


 渡邉達の時代なら、学校で2チーム位の人数は直ぐに集まった、

放課後に校庭も自由に使えていたが今はそれが不可能に近かった。


 「結婚して、子供が産まれ、子供を育てる。

 その時に、ヤンチャな経験や、遊ぶ事、

 特に携帯やゲーム機などへの嫌悪感を払拭しておかないと

 理解出来ない時代が来るでしょう。」


「確かになぁ、 俺らの時代はテレビだったな、あと漫画な(笑)」


 テレビを長時間見ると目が悪くなる!

漫画ばかり読んでいると馬鹿になるから小説を読め!

そんな事を親から言われ、反感や失意の気持ちになったと、

渡邉が思い出を述べていた。


 「反対するなら代案を提供しないとね?

 外での遊び場を奪って、代わりの遊びを推奨しないのは大人の傲慢です。」


 流人がいつも述べる、反対するなら代案を出せ!

代案も出せない程無知なら批判するな! っであった。


「っで、流人は今夜どうするんだ?」

 「私ですか・・・暇なんですよ!」

「若い男が、クリスマスイブに暇とか・・・寂しいなぁ(笑)」

 「邉さんだって暇でしょう!」

「馬鹿! 俺は忙しいんだよ! CM見るんだから、

その前に身体を清めてだな・・・」

 「(笑)」


 楽しみにしている渡邉が羨ましく思えるほどに喜んでいたので、

邪魔をしない様に、外には出ないで、自宅で大人しくしている事に・・・


 流人の助言で仕事が早く終わり、

自宅に帰ってゆっくりとCMを見たいと嬉しそうに帰っていった渡邉を見送り、

流人は独りで部屋に閉じ籠ってゲームを開けて遊んでいた。


 「なるほど・・・キャラをある程度自分で選択出来るのですね♪」

 顔の輪郭や髪型などがいくつか設定されてその中から自由に好みを選択出来る。


 「色も!」

 髪色なども選択出来るので流人は自分と同じ白髪にしたのだが、

艶がなく、なんとなく仙人の様な雰囲気になってしまった。


 「これでいいのかな?」


 オープニング画面が現れ巨大なドラゴンが迫力あった!

 「え! ゲームなの情報も鑑定出来ちゃうのですね?」


 流人のスキル鑑定で、ゲーム内の情報まで鑑定出来てしまい、

モンスターのHPや特性などが見えてしまっていた!


 「これ・・・三賢者!」

「なんじゃ!」

「忙しい・・・なんだ?」

「なん・・・ほぉ〜♪ ゲーム内の情報まで鑑定出来るとは(笑)」


 何かに夢中になっていた三賢者が、流人から来る情報に興味を示していた。


 「仕様でしょうか?」

「そんな訳あるか!」

「そうじゃ! この世界の人間に鑑定などのスキルは存在せん!」

「これは、 

ゲーム内の設定がある程度完成された異空間として見做されておるのだろう?」

 

「なるほど、 キットと同様このゲームキャラ達も定義が確りしておるから、

鑑定機能が反応したのだな♪」


「これは面白い♪ 

精巧なゲームを作ればゲーム内でもスキルが使えると言う事じゃ!」


「これだから異世界は面白いのじゃ(笑)」


 「私・・・この能力使っていいのでしょうか?」

「構わんだろう?」

「そうじゃ! 個人の能力だからな」

「反射神経や記憶力と同じスキルじゃ! ただ公表は避けた方が良いな」

 「そうですよね・・・。」


 ゲームを初めて見ると、モンスターの動きや仕掛けてくる技などが、

鑑定のスキルや予知、探知など様々なスキルによって手にとる様に分かる!

 

 画質の粗さはあるが、前の世界でもモンスター狩りを思わせる、

ゲーム内容に流人は驚き興奮していた♪


 そして・・・流人はCMを見過ごしていた。(汗)


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