第二十一話 宴 置き土産
お酒も料理も全て無くなった!神様達の食欲!
次回はもっとお酒や料理を用意して置きましょう。
明け方まで賑わった宴も、終わり山爺達は霊木へ帰って行った。
「「流人様、お休み下さい、あとは我等が致しますので」」
「もう少しだし、終わったらみんなで朝風呂にでも入りましょう」
「「それは宜しいですね」」
空き瓶やゴミなどを回収して、敷物をしまう。
「来年もここで宴をしたいですね。」
「それは宜しいかと是非に致しましょう。」
「神々も喜んでいたご様子にございました、宜しいと思います。」
「雑草や雑木にも木霊がいるのかな?」
「そう考えますと、草刈りも出来なくなりますね。」
「気にするなと山神様は仰ってましたが如何でしょうか?」
「気にする必要ないよ」 !!
「木霊の声が聞こえた様な?」
「何処に御座いますか?」
「残念ながら我には、木霊の声は聞こえませんでした。」
「そうなんだ、気のせいかな?」
「流人様、木霊達はなんと?」
「気にするなって」
「草木を刈っても良いと言う事でしょうか?」
「そんな気がした。」
「山神様と同じ意見にございますな」
「そうだね。」
清掃も終わってもう一度周囲を確認すると、
供物用に使った切り株の上に木の実が沢山積み上げてあった!
「こんなのあったかな?」
「我は知りませんぬ」
「我も同じく、記憶にございません。」
「料理の御礼だよ、来年も楽しみにしているね。」!!
また木霊の声が流人だけに聞こえた。
「木霊達からのお礼だそうですよ。」
「なんと木霊達から、義理堅いですね。」
「来年も楽しみにしているって」
「それでは供物も大量に準備を致しませんとなりませんな(笑)」
「そうじゃな、酒も料理も用意しましょう。(笑)」
周囲に黒天と紅丸の笑い声が響いていた。
「この木の実、保養所の近くに植えたら芽が出るでしょうか?」
「そうですね、もう少し壁代わりの樹木が欲しかったので早速。」
「木霊達も木々が増えれば喜ぶ事でしょう」
「だといいね。」
温泉に浸かってのんびりと一時を過ごす。
「鑑定」 透明な温泉水 :単純温泉
効能 冷え性 疲労回復
付与効果 効能持続超過(+2時間)
単純温泉で源泉元は無色透明だが酸化で白濁色になる。
魔石の力で効果時間が延長されている。
「お正月の準備もしないとね?」
「御安心下さい、お節は予約済みにございます。」
「酒類はもう少し調達致しましょう。」
「そうだね、足らないと困るよね。」
早朝の冷たい風が顔に当たるが気持ち良いい、
「蒲鉾と数の子、美味しかったから調達お願いね?」
「塩抜きは魔法で宜しいでしょうか?」
「うん、美味しい事が正義です。(笑)」
「「御意(笑)」」
「蒲鉾は、どちらかに致しますか?それとも引き続き双方共求めますか?」
「好みの食感と香りで言うと鈴◯だけど、笹かまも美味しいんだよね。」
「では、双方共に求めて置きましょう。」
「ありがとう。」
「黒天や紅丸は、好物って何かあるの?」
「我は、ホタルイカの黒造りが好物に御座います。」
「我は、鮪の赤身が好物です、漬けにしても宜しいかと思います。」
「これじゃぁ、多めに調達しましょうね。」
「「はい!既に確保してあります。」」
「流石だね。(笑)♪」
年末年始を保養所で過ごし新年を祝った。
「新年明けました、おめでとう。」
「「おめでとうございます流人様」」
去年と同様、料理屋にお節をお願いして作って頂いた物と、
今年は自分達で、お刺身や数の子を用意したり、
去年より豪華な正月に成っている。
「今年は、詣で参りが来ませんね?」
「安心致せ」「そうじゃぞ」「この場所は未だ秘密になっておるでな。」
「じゃぁ〜、自宅は?」
「大賑わいじゃろうな」「僕が、対応しておるだろう」「多分な」
「黒天と紅丸は?」
「「我等も休養と言う事にしております」」
「去年で懲りたんだ」
「「・・・申し訳ございません。」」
大好きな蒲鉾に山葵を少し乗せて食し、日本酒を口にする。
「いいねぇ〜♪」
「鮪も美味しゅうございますよ。」
「生魚がこれ程美味とは、この世界に来てようございました。」
「そうだね、調味料の多さにビックリしたけど、
調理方法の広さにも驚いたね。」
大皿に刺身の盛り合わせが、その他にもローストビーフや豚の角煮も
皿に山盛りに積み上げて盛り付けられている。
そんな中でも一際目立つ料理が、目の前に置かれている御節料理!
都内の日本料理店が作ってくれた特別な物だけど、
彩り鮮やかで野菜一つ一つが綺麗にカットされている。
カットだけでない、個々で下味が微妙に違う、だから楽しい
野菜一つ一つの味わいが食欲を唆る。
皺や傷が全く無い艶やかな黒豆。
小魚だが、姿が美しく炊かれた田作り。
塩梅の良い紅白なます。
そして多彩の煮しめ。
鯛の塩焼きや鰤の照り焼き、数の子に栗金団、伊達巻に紅白蒲鉾と、
5重の重箱に綺麗に盛り付けられている。
繊細で慎ましい味だが、本当に美味い!
酒に合う、酒が進む。
「それより流人」「今年はどうするのじゃ?」「2001年じゃぞ」
「抱負ですか?、もう少し人間と接してみようと思ってます。」
「人間とっで、ございますか?」
「誰ぞ逢いたい人でも、出来ましたか?」
「そう言う事ではないけど、この世界で生きる上で、交友も必要かな?」
「おぉ〜、素晴らしいお考えにございます。」
「流石は流人様。」
「心配掛けると思うけど、宜しくね。」
「「御意。」」
テレビから映る映像は、晴れ着を着た若者男女が、楽しげに見えていた。
「」と『』、そして「「」」や「「「」」」っと使い分けています。
「」は個人、「「」」は2人同時発言、「「「」」」は3人同時発言としています。
邪道でしょうか? 寛容な心で理解して頂けると幸いです。




