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第二話 この世界の身分証明書。

情報収集の大きなミスがあり、

この世界では、個人番号カードの交付開始時期が大きく異なります。

読者様の世界では2016年度より開始した個人番号カード、

設定上、

大変便利なので作品の世界では1999年以前より交付している事となっております。


あくまで、日本に似た異世界のお話と言う事で、

暖かい心で読み楽しんで頂ければ幸いです。


 朝方、三賢者の声で目覚めた男、

 「ん〜んぅ!う〜ぅむ、頭が痛いのぉ〜」

「久しぶりに、多様な知識を獲れたぞ!」「有意義であった。」「書物はいいぞ」

 三賢者が喜んでいる中、

頭が重く、頭痛の様な痛みに襲われている男、

 「これは数百年ぶりの知恵熱かのぉ〜?懐かしい痛みじゃわい」

「この世界の事、理解出来たぞ」「この世界は面白いぞ」「そうじゃ面白いぞ」


 ゆっくりと男の脳に三賢者が得た知識が流れて行く!


 この世界には、複数の国と言語があり、

その中で、男は、呼ばれたこの国の情報を整えて行く。


 民主主義、選挙、総理大臣、国民総個人番号制度(マイナンバー)、スキル、

言葉、文字、食、流行・・・etc


「警告!図書館の入館時間になったようです。」

 「人が入って来るのぉ、紛れて外へ出るかのぉ」

 多少頭痛で魔力が乱れていたが見つからずに外へ出る事が出来た。


 「この世界の陽も暖かいのじゃなぁ」

 日差しを浴びながら、のびをする男、

 「さてこれからじゃが、この国の国民は全て番号を与えられているようだ、

 その番号が無いと職にも付けんらしい。」

 

 「それだけでは無い、働くにはスキルが必要なのだが、

 儂は何も持っておらんとは・・・情けないのぉ〜」


 「特に便利な自動車運転免許と言うスキル、

 そのスキルが有ればあの馬車も運転出来るらしい。」


 「然し、自動車運転免許を取得するにも、身分証が必要なのだ!」


 「つまり詰んでおる、このままでは儂は不法移民として捕まるのかぁ?」

「心配ないぞ」「そうだぞ」「手続きは済ませたからのぉ」

 「手続き? 何の事じゃ?」

「マイナンバーの手続きに決まっておろう」「そうじゃ」「そうじゃ」

 

 本来なら、この国の住民は生まれて直ぐに出生届を区役所に提出する、

そして暫くすると、生まれた子供にマイナンバーが割り振られ、

生涯その番号は変わらずに、子供の身分証になって行くのだが、

 この国に召喚された儂には、出生届など有るわけない、

そこで三賢者達が先程の図書館で手続きを行ったそうだ・・・如何やって??


 知識を得た事によって、この世界の流通も理解した三賢者が、

PCを使い電子登録なる技を使ったらしい、勿論違法じゃ!

 「大丈夫なのか?」

「心配いらん」「魔法を合わせれば簡単じゃ」「この世界、魔法が無いからなぁ」


 そうだ、この世界には魔法が無いのだ!

漫画や小説なる書物には魔法が登場したりするが、

あくまで空想で、幻想と想像の世界の話として登場するだけであった。


 「これから如何するのだ?」

「マイナンバーカードを受け取りに行くのだ」「そうだ急がねば」「早急だ」


 住まいの無い儂には、封書なる書類が届かないので、

 区役所なる役場に留め置きしてあるそうだ。


 「そこまで出来るとは安心したぞ!」

「安心するのはまだ早いぞ」「そうだぞ」「忘れるな違法なのだぞ」

 「そうであったなぁ」

 急いで区役所なる行政の所管に向かう。



 「此処がそうなのか?」

「中に入って番号札を頂くのじゃ」「カメラに注意致せ!」「慎重にな」

建物の中へ入って直ぐに、ギルドのカウンターの様な受付場が見えた、

「4番の側の番号札じゃ」「4番だぞ」「間違えるなよ」

 カウンターの上に大きく番号が書かれてあり、男は4の表示の元へ向かう

「そこの番号札じゃ」「魔道具があるであろう」「一枚じゃぞ」

 言われるままに紙の様な物を引くと「223」と数字が書かれていた

 「4では無いぞ?」

「大丈夫だ」「4に座っている者が「223」と呼ぶから」「呼ぶまで待て」


 すると直ぐにアナウンスが流れる

「223番のお客様、受付4番までお越し下さい。」

 「今のか?」

「そうじゃ、ゆっくりと向かえ!」「慌てるな」「転けるなよ」

 男が4番の受付に向かうと、担当者が

「お座り下さい、本日の御用件は?」と笑顔で返して来た。


 「御用件?」

「不在物の受け取りと答えよ」「そうじゃ」「慌てるなよ」

 「不在物の受け取りに来ました。」

「不在物?でございますか?」困惑した顔の担当者


「懐から偽装書類を見せるのじゃ」「そうであった見せろ」「慎重にな」

 男は、懐から書類を出して担当に見せる、受け取った担当が

「少々お待ち下さい」と席を立つ。


 「いつの間に書類を偽装したんだ?」

「図書館で寝ている内にな」「三人で手分けしたぞ」「そうだぞ」

 

 暫くすると受付の担当者と、管理者らしい男が少し厚い封筒を持って来た

「申し訳ございません、お待たせいたしました。」

 「いえいえ。」

「この様な手続きは初めてでしたので、こちらがお預かりしていた封筒です。」

 「ありがとうございます。」


 封筒を受け取って席を立つ、急いで区役所を出て一安心した。


 封筒の中を確認すると、私のマイナンバーが書かれた紙が入っていた!

 「これが儂のマイナンバーか?」

「そうだ、」「これで一安心じゃ」「暫くはな」

 1980年7月13日生まれの東◯都・・・ 

 名前 異界流人(いかいるーと)っと、書かれてあった!

 「何じゃ! この名前は? 年齢も19だと!!」

「何じゃとは何じゃ」「そうだ其方が決めた事ではないか?」「そうだぞ」

 「儂が?」

「寝ている間に決めたでは無いか?」「忘れたのか?」「覚えておらんのか?」

 「うむ、言われてみれば・・・決めたような」


 この世界では色々な施し、手当がある。

65歳以上なら、年金と言う国からの施しが受けられるのだが、

善良な国民が、毎月少額を納め続けてやっといただける物を、

儂が受け取ってはのぉ〜。

悩んだ末に実年齢はやめたのだ、抑々歳を重ね過ぎて、

500歳を越えている人がいないのだ。


 次に若いと未成年として扱われ保護者がいないと施設に入れられるそうだ

そして義務教育なる学習も年齢で強制されていた。

 

 「それで19か?」

「暦が、丁度1999年だったからなぁ」「良かろう?」「忘れんだろ?」

 「なるほどね、で住所は?」

「あれは架空の場所だ」「我々が召喚された場所だ」「だから建物が無い」

 「最後の名前は?」

「異世界から来たから・・・」「苗字かぁ」「難しいのぉ」

「「「って考えてたら、異世界、異界に決まったのだ」」」

 「流人は?」

「それは神の神託じゃ」「そうじゃ」「逆えん」

 「神が決めたのなら仕方がないのぉ」


 異界流人(いかいるーと)、19歳と決まった。



因みに、

住民基本台帳カードは、2003年8月〜2015年12月まで

個人番号カードは、2016年1月から交付開始となっておりました。



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― 新着の感想 ―
[一言] 新年おめでとうございます。 三賢者の三人目の台詞、毎回微妙ですね。
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