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第百九十五話 新しい雰囲気

 今年の新年会は趣向が少し違った。


 お酒や料理は例年同様揃えているが、

ゲームや遊びを多く取り入れていた。


「ゲームって何するの?」

 「テレビゲームですけど、みなさん子供の時に遊んでいませんかな?」


「あ! ゴーカート♪」

「子供の頃、よく遊んだよぉ♪」

「私お兄ちゃんとよく勝負してました。」


 僕達が機材をセッティングしている中、

見学用の大画面には、大手ゲーム会社のゲームソフトゴーカートの絵が映っていた。


「凄い、テレビの撮影みたい!」

「本当よね♪」

 「これも一応、社員達の訓練なので、もう少しお待ちください。」

「「「訓練」」」


 今年から、流人がYouTVで動画を配信する、

その為の録画や配信に向けての訓練も兼ねたお遊びだった。


「流人、ゴーカートをYouTVに配信するの?」

 「私は違うゲームにしました、許可が出なかったので(笑)」

「やっぱり許可がいるんだぁ!」


 ゲーム動画の配信に向けて、ゲームソフトの制作元へ、

配信の意図と許可を伝え求めたのだが、大手では許可が降りず、

 問い合わせの対応から、メールでの返信の速さなどで、

新興のゲームソフト会社のゲームを最初の配信に決めていた。


「じゃぁ〜そっちをしようよ?」

 「・・・RPGなんですよ・・・」

「・・・みんなで・・・遊べないじゃん!」

 「だから、遊べるソフトにしたのでしょう(笑)」

「そっか♪」


「流人よぉ! 俺、ゲームなんかした事ねぇ〜ぞ?」

 「師匠は、見物でも構いませんよ♪ 酒の肴になると思いますし、

 気が向いたら遊んでみてください♪♪」

「おぉ・・・気が向いたらな・・。」

「けんちゃん、車の運転出来ないもんね(笑)」

「そうなんだよ・・・気が向ねぇ〜と思うんだけどなぁ(笑)」

「でも、見ているだけでも面白いと思うよ♪」

「そうなのか?」

「(笑)」


 岡部さんの説得で、テレビゲームに疎い師匠も、なんとか仲間に入って

ゲームをスタートさせる。


 「それじゃぁ〜未成年達、頑張りなさい、

 お年玉代わりの景品も用意してますからね♪」


「えぇ〜ぇ〜大人にはないのぉ?」

 「・・・大人にも用意しましょう(笑)」


 髭が特徴の有名なキャラクターやキノコや恐竜など多彩なキャラクターが

カートに乗ってレースを行う・・・


 「VSモードですから、4人ずつ抽選をしていきま〜す♪」

「「「「はぁ〜い♪」」」」


「このゲームってPCでも出来るの?」

 「対応機種はなかったので、作っていただきました。♪」

「作ったの? どっちを?」

 「家庭用ゲーム機に対応したPCをです(笑)」

「・・・」


 何人かは同じソフトを持っていたが、画像や音などの表現音が違い、

全く別物の様に変わったゲームを、

 希空達がたった数時間で組み上げたっとはとても言えなかったのだが、

抑々、無い物を作っちゃう流人の行動に、参加者達は呆れ、

全くの無自覚で喜んでいる流人を見て再度呆れていた。


 久しぶりに遊ぶゲームは楽しい様で、殆どの参加者が順番にプレーし、

笑いの歓声と応援の声が響いていた!


 「う・・・ん、 防音が必要ですね・・・。」

「結界で対応しておるから心配いらんぞ!」

「だが、今後は必要になるのぉ・・・」

「それほど難しくもなかろう? 工事はなぁ」


 三賢者と念話で対策を練っていると!


「勝ったぁ〜♪」

「(笑)」

 まさかの優勝は京子さんだった!


 「ってか、京子さんも観ちゃんもゲームするんですね?」

「そりゃぁ〜ねぇ・・・」


 芸能人として、一般人から偏見をもたれ、同級生達からは壁を作られていた為、

仕事以外では、人との接触がなく、部屋でゲームなどをしていたそうだ・・・。


「みんなそうでしょう?」

「・・・そうだよね・・・。」

「まぁ〜虐めまでは私は合わなかったけどね」


 この業界の闇が少し見えていた・・・。


「でもさぁ、そう言うのが有ったから強くなれるんだよね(大笑)」

「そうだよね(笑)」

「マスコミの嫌がらせなんて生易しいよね♪」

 「え!」

「確かにね(笑)」


 どう言う学生生活を送っていたのか、聞きたい気もしたが、

闇が深そうなのでそれ以上は聞かなかった流人だった。


「流人! 今回だけなの?」

 「? あぁ〜ゲームですか? 師匠次第です(笑)」

 

 お酒を飲みながら遠巻きで見物していた東村さんが、

急に呼ばれたので慌ててお酒が溢れた!


「もぉ〜けんちゃん、だらしないの!」


「ごめんって優香、 おい! なんで俺なのよぉ?」

 

 岡部さんが即座に駆け寄ってテーブルを拭き、

申し訳なさそうな顔をしながら師匠が流人に問う!


 「見ていてどうでしたかね? 楽しめましたか?」

 ゲームに参加していないのは、師匠と流人だけで、

見物だけでも楽しめているのか師匠に問い返した。


「・・・面白いぞ♪ 見ていてもなぁ・・・ってかよぉ流人、

お前!こっちの世界に来いよ!」

 

 「なんで、そう言う話になります?」


「これ、十分テレビで使えるだろ?」

「「「確かに」」」

 師匠の言葉に納得するメンバー達。


「俺が知り合いに企画を通させるから、流人お前が仕切れよ♪」

 「今は無理ですよ! 師匠この企画通りませんから・・・。」


「なんで?」

「面白いよ♪」

「遊んでいる方も面白いし、見ている方も楽しいよ♪」

 

 みんなの意見が分かっているが、根本的な事を忘れていた。


 「みなさん、さっき行った事、忘れてますね?」

「「「「「?」」」」」


 「メーカーの使用許可が下りないんです。」

「「「「「あ!」」」」」

「でも局が動けば・・・」

「そうだよ・・・」


 「テレビだと、著作権の問題が発生して色々問題なんです、

 勿論メーカー側のご好意で多少は番組として出来るでしょうが、

 今はまだ・・・その時ではないですね。」


「いまは・・・」

「その時ではないって言ったよね?」

「「うん、確かに聞いた!」」


 「閉鎖的芸能世界も、閉鎖的企業も、私達が変えさせます♪♪(笑)」


 大手事務の影響力や、大御所達の発言権は尊重するが、

傲慢な制作や対応などには異を唱えられる環境と勢力を築く、

 長年培って来た技術に固執する事は仕方ないが、

新しい風を拒み、圧力を掛けてくる様な企業に関わらずに済む環境を整備したい。


「流石にそれは、流人だけでは無理だろう?」

「私達もスポンサーあっての活動だしね・・・。」


 流人の考えは理解出来る、そんな世界が出来れば楽しいと思う、

でも現実はそんなに甘くはないと実体験者達が否定的な危険を述べていた。


「(大笑)」


「「「和っ子さん?」」」

「どうした急に! びっくりするだろう和っ子!」


「だってサァ(大笑) みんなが話している相手が誰だか忘れているみたいだから

笑いが堪えられなかったのよ(大笑)」

「相手って・・・流人だよなぁ」

「・・・そうだぁ〜・・・流人だったよぉ〜和っ子ちゃん♪」


「友里も分かったでしょう(大笑) 」

「うん♪」


「私達が、する事は、流人が暴走! 

やり過ぎない様に援護する事でしょう(大笑)」


「「そうだね・・・」」


 いままで何度も流人の行動に驚かされて来たメンバー達、

変えると言うなら変わるのだろう、しかし・・・


「流人、変えるのはいいけど、私達まで働けない様にはしないでよね!」

「そうだよね、楽しく仕事が出来る分にはうれしいけど・・・」

「仕事量が減っちゃたらね・・・」


 「その辺は今頃大人達が話し合っているんじゃないですか?」

「「え!」」


 毎年使う予定だったホテルで今、

プロジェクトR主催で多くの企業や芸能事務所の代表が招かれ、

設立5周年記念の前祝を行っていた。


 「協力していただける企業と違う企業を選別して、今後の対応を伝え、

 創立5年の若輩企業に協力を求めているはずですよ(笑)」


「すでに動いていたんだね・・・。」

「流石だね・・・。」

「そうだよね、流人の会社ってまだ5年なんだよね・・・出来て・・。」

 「そうですよ♪ その企業に協力するか?否か? 楽しみですね♪」


「どうしよう・・・うちの事務所が拒否ったら!」

「そうだよね・・・参加出来なくなるの?」

「(大笑) ウチは大丈夫だわぁ(大笑)」

「私も大丈夫、社長が差し出すくらいだからね(笑)」

「それだったら、私も大丈夫ですね♪」


 木村さんと夏歩ちゃんはにっこりしているが、他のメンバー達は不安だった。


 「(笑) 私がその辺を確認していないと思います?」

「そ そうだよね♪」

 「みなさんの事務所は提携協力を既に結んでいます。」


「流人よぉ、俺のところもか?」

 「師匠のところもですよ(笑)  ドンさんに許可いただいてます。」

「なんだよぉ・・・はぇ〜なぁ〜♪」

「流人さん! 私は・・・?」

 「岡部さん・・・綾ちゃんや恭ちゃんと一緒ですよね?」

「そうだったぁ♪」

 「女優班とお笑い班では違うのでしょうかね(笑)」

「私も女優の仕事してます〜!(怒)」

「お笑い班は基本放置だろう優香?(笑)」


「だから・・・けんちゃんまで!(怒) お笑いは好きだけどお笑いじゃなのぉ!」

「「(笑)」」

 

「ところで流人!」

 「なんでしょうか京子さん?」

「優勝の商品は?」

 「あぁ〜! 忘れてた!」

 

 流人が大きい箱と、ビデオテープ大の小さな箱を持って来た!


 「被っても仕方なので・・・京子さんがゲームをするとは意外でした。」


 邪道だが中身を説明すると、大きい箱のゲーム機は既に持っているそうなので、

小さい方の携帯型ゲーム機を商品とした。


「携帯ゲーム機?」

 「はい♪ 年末に発売された機種ですので、ソフトはまだ少ないですが、

 今年の年末には・・・言えなかったねこれは(汗)」


「年末には出るのね?」

 「ソフトは確保しますので、みなさんで遊びましょう♪」


 なにやら流人が楽しみにしているゲームソフトが年末に発売されるのだと

京子さんも理解した様子で、他のメンバーも、入手を考えていた。


「流人!・・・売っているよね?」

 「多分・・・売っているでしょう?」


 大手有名メーカーのゲーム機だから、どこでも入手可能だと思っているが、

若者達が既に買い求めていて、

入手困難な状態だった事を流人やメンバー達は知らなかった。



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