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第十八話 宴の準備。

 二度目の年の瀬を迎えようとする中、

世間では世紀末だとか21世紀だとか、去年と同じく騒がしいです。


 そんな中、我々も忙しいのでした。

 「◯姫と久◯田のお酒を20本ずつ用意して」

「久◯田の万寿20本確保して御座います。」

「流人様、呑切原酒は7月の限定品に御座います、如何しましょう?」

 「代わりの山廃仕込みは無いの?」

「無濾過生原酒と申す物が今月限定で発売されておりまする。」

 「じゃぁそれを10本、にごり酒を5本、白5本で!」

「流人様!白2本しかご用意出来ません。」

 「何か無い?代わりの?」

「ひやおろしが残っているそうに御座います。」

 「じゃ〜それでお願いします。」

「承知致しました、早速購入して参ります。」


 日本酒を呑み、好みのお酒が見つかった、

新◯県のお酒と石◯県のお酒、双方共比較的有名な蔵元の様だ。


 その中でも、久◯田の万寿は、後味と残り香が気に入っている。

味の濃い料理には相性が悪いが、淡白な料理には最善と思う。


 一方の◯姫は、確りと力強い味わいなので、

煮物や脂の刺身などによく合うと私は思っている。


 「三賢者!」

「なんじゃ?」「如何した?」「流人どうしたのじゃ?」

 「この前の酒屋さんへ行きたいのですが、転移出来ますかね?」

「案ずるな」「マークは記してある」「近所のトイレじゃがな」

 「ちょっと行ってきたいと思います。」


 言葉を残して転移して酒屋へ向かう流人、

転移先は近所の量販店の地下のトイレだった。

「此処は穴場じゃ」「人がおらんからなぁ」「便利じゃろ!」

 所持金を確認して酒屋へ向かう。


 「こんにちは!」

「いらっしゃい、あ!毎度どうも。」

 一度しか訪れてないのに顔を覚えていた奥さん。

 「お酒を買いに来ました。」

「今日は旦那が居ないけど、欲しい物があったら言ってね。」

 「はい、」

 棚を見ながら特設場の◯姫の売り場へ向かう途中、

オレンジ色の紅葉が綺麗なラベルの日本酒が目に入る!

 「すみません、これは?」

「あっ!それはね、新◯県のお酒で麒◯山って銘柄で人気あるんだよ」

 「じゃぁ取り敢えず1本と・・・。」

 ◯姫の白も黒も無かった。

「当たり前じゃ!」「特に黒は貴重じゃからな」「出会ったら即購入じゃぞ」

 「すみません、その麒◯山を2本ください。」

「はい、2本ね、」

 「あ!包装無しで良いです。」

「そうですか、すみません。」と声が帰り、

「紅葉2本で、12,600円です。」

 13,000を渡して精算して、箱のまま抱えて持ち帰る。

 「少し早いですが、来年もよろしくお願いします。」

「こちらこそ、毎度ありがとう御座います。」


「挨拶回りかぁ」「二人に任せて流人はしてなかったなぁ」「大事な事だな」

 「この前、サービスして頂いたのですから、忘れずに贔屓にしましょう。」

「そうじゃな」「少量だが買いに来よう」「それが良いな」

 人の目を気にしながら、お酒を亜空間へ収納して、次は魚屋さんへ向かう。


「流人、魚屋も寄るのか?」「こっちはサービス無かったはず」「だよな?」

 「サービス云々より単純に美味しかったでしょう?」

「確かに、」「安かったしな」「美味かった。」

 「だから買いますよね?」

「「「当然じゃ!」」」


 鮪と鯛と平目のお刺身。

 中トロと赤身の良さそうなところを選んで購入・・・!

「塩数の子!今が買い時だよ! お正月まで保つよ!」

 「正月?数の子?」

 流人の言葉が聞こえたのか、若い店員が対応してくれた。

「塩漬けになっているから日持ちするんだよ、

年末に成ってから塩抜きして味付けすれば美味しいよ!」

 「三賢者、お正月に数の子を食すの?」

「縁起物じゃ」「子沢山の意味じゃな」「数多くと言ってたかな?」

 「なるほどね、あの食感はお酒にも合うよね?」

「「「合う!購入じゃ!」」」

 カゴに5〜6個パックを入れると

「最初は海水で塩抜きを始めるのが上手に塩を抜くコツだよ!」

 「ありがとうございます、やってみます。」

「3〜4回に分けて徐々に塩分を抜いて行くんだよいいね」

 「はい。」


 宴用とお正月用にとかなりの量を購入して自宅へ戻る。


「お帰りなさいませ流人様」

 「ただいま、黒天数の子買って来た!」

「数の子でございますか?」

 「そう、海水の濃度から塩抜きを始めれば、上手事塩抜きが出来るって!」

「流人様? 魔法の除去では、いけませぬか?」

 「・・・。」


「魔法・除去」 :中級魔法、

 体内や物から特定の物質や効果を抜き取る魔法

 毒物や付与なども除去出来るが、術者の能力によって成功率が異なる。

 

 私達なら、手間暇掛けずに塩抜きも出来るし、保存も長期間可能だった事を

流人達は忘れていました。



 前菜:蒲鉾と笹かまなど練り物の付け合わせ

 碗物:鯛のかぶと焼き潮仕立て

お造り:鮪(中トロ・赤身)鯛(松皮造り・昆布締め)平目(昆布締め)

    鰤(薄造り)牡蠣と帆立の殻盛り ヤリイカの肝和え

焼き物:焼きタラバガニ 伊勢海と雲丹の具足焼き。甘鯛の塩焼き

 煮物:煮貝 豚の角煮 筑前煮

揚げ物:鶏の唐揚げ 笠子の丸揚げ 

酢の物:海鼠酢 氷頭なます 蕪と人参のなます

その他:茶碗蒸し 千枚漬け 野沢菜漬け 

 甘味:八ツ橋 炙り餅 練り切り


 以上が宴に用意した肴の一覧、

 「お酒を主とするので飯はいらないと思うのですが一応用意はして下さい。」

「「御意」」

 

 酒と肴の準備が整い、後は宴の日時を待つだけでした。



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