勇者パーティーの魔導師は追放宣言前に離脱する〜王?勇者?魔王?そんなものより魔法である!〜
息抜きに書いたもんです。
あんま期待せんでください
コツコツ と音を立て、純白に金の装飾を豪華にあしらった壁、大理石のプレートを辺り一面に張られた廊下を一人歩いている
その人物は片手に宝玉に黒い木の様な物が巻き付いた杖を持ち細かな装飾が施された紅を基調としたローブを羽織りそのローブの隙間から覗く服は研究者が白衣の下に着る様なラフな、だがどこと無くマッチしている印象を受ける服である
そして顔立ちは整っており美青年と呼ばれる人種であり何もしていなくてもかなりモテそうな印象を受ける
そんな彼は数刻前に来るよう指定された部屋まで歩いて行く
そして目的の部屋の前までつくと扉をノックした。
「来たか、入って良いぞ」
そんな若い男の声が聞こえたのを確認すると ギィィィ… と鈍い音を出しながらゆっくりと大きな両開きの扉を開ける
「ずいぶん遅かったじゃないか」
そう言って部屋の中にいる男は両手を軽く上げ椅子に座っていた。見た目は13〜15歳ほどであり緑髪の大人しそうな印象を受ける青年だ。
だがそんな彼の背後には美少女・美女があり彼女らはローブ姿の青年を見下す様に見ている
その姿はハーレム勇者を連想させる…そして実際に椅子に座る青年は勇者だ そして背後にいる彼女たちは騎士・盗賊・僧侶…残り1人いるがローブ姿の青年はその人物には面識がなく分からなかった。
そして青年はその疑問を口にする
「ふむ、そちらのお嬢さんはどちら様かな?少なくとも私の記憶には当てはまらないのだが?」
よく言えば威厳のある 悪く言えば上から目線な言葉を発する青年に対し勇者は口を開く
「ハッ、男気しかねぇお前のかわr」
「はて?私は性転換の魔法式は開発したし女には成れるぞ?女という生き物は胸に対し脂肪が集まり邪魔くさく面倒な性別であると知ったな」
「え?マジで?…ッん ゴホンゴホン」
胸の話題が出た瞬間、勇者の背後にいる女性の内、胸の貧相な…盗賊と名も知らない少女が青年を睨む、そんな彼女らに青年は『何故あのような肉の塊にこだわるのだ?只々邪魔な物でしか無いじゃないか』と内心思いながら勇者の話を聞く
「まぁ、気を取り直してこの子はお前の代わりに魔法を使ってくれr」
「ほう!ほう!それは素晴らしい!」
「「「「「は?」」」」」
勇者が言葉を言い終える前に青年が興奮した様に賞賛の言葉を言う
「それでは私はこの役職をやめて良いのだな!?」
「…あ、あぁ?」
困惑して疑問の言葉を口にしようとしてもいきなりの事で理解するのに手間取り 上手く口が回らずそんな声が出てくる
そんな勇者を見て青年は肯定したと見たのか満足気に頭を縦に振る
「うむうむ、国に仕えていた時は王に言われ仕方なくパーティーに入ったと言うのにつまらなく、収穫が殆ど無く、魔法研究も満足に出来ぬ暮らしにうんざりしていたところだ!旅が終わった時に引き篭ろうとして買った塔にこんな早く篭れるとは!」
そんなことを天を仰ぎ目をキラキラさせ早口で言う青年は唖然とその状況を見ている者達に最後になるであろう言葉を告げる
「感謝しよう!勇者パーティー諸君、私は暫く研究棟に籠らせてもらうよ では最後に、勇者パーティー 魔導師アレウス・フォーロット・アルマギス これよりこの職を辞めさせて頂く!感謝しよう」
そう言い魔導師アレウスは礼をし また言葉を発する
「『座標指定登録地点98番設定高位魔法指定座標転移』」
そういうとアレウスの足元に半径3m程の円状の魔法陣とその魔法陣に歯車の様にくっついた小さな魔法陣が複数個出現し複雑に魔法陣内部の魔法式が変わったり移動し段々と強く光り始める…一向に唖然とする勇者一行を差し置いてアレウスはこれからの事に想いを馳せその事に対し強い笑みを浮かべながら強い光に呑み込まれ消えていった――…
〜森の塔〜
その森には塔があるだがそれは見るからに重厚でどう見ても砦という感想を抱かせる力強さをもつ
そんな要s…塔の前に突然魔法陣が現れその魔法陣が強く光ったと思ったらいつのまにかそこにいた青年、アレウスは一人呟く
「…うむ、ここを選んだのは正解だな 過去の私よ 感謝するぞ」
そう言いつつ塔の入り口の鉄扉に手を当て魔力を流す
「ーー登録魔力確認、魔力示定者確認…管理者・製作者・主人ノ魔力デアルコトヲ確認シマシタ、オカエリナサイマセーー」
そう、無機質な声が出てくるそうして扉が開かれその先を見たアレウスは感激の声を出す
「おぉ!上位魔法倉庫指定転送の指定先にして良さそうなものを片っ端から買って送ったが、改めてみても面白そうな物が色々あるな!暫く暇な時間なんぞ無くなりそうだ。
お、これは帝国で買った魔道書、こっちは神話の魔法…教会の奴らは神の真技だの何だのいっているがそれについて知りたくて買った聖書全巻だな…あの時は神父が魔導師が信心深い信徒だと⁉︎だとか言いながら驚いておったな 私はそんなものではないと言うのに…おぉ、これはーー」
そう言い陽気な声を出しながら本や物を整理し始める
「よし、さっさと整理終わらせて魔法研究を始めるとするか!フフフ…笑いが止まらないなぁ!」
機嫌よくやっていたのが良かったのか整頓はすぐ終わりアレウスは食料を買うのを忘れた事を思い出すまで魔法の研究に没頭するのであった。
気が向いたら連載…する…かも?
魔法を言う時はそのまんま英語使ったりします なんのひねりもなかったりしまする
補足設定
魔導士、特に宮廷に仕えるというのは身分を保証され研究も許可されれば国が持ってきてくれるというエリート中のエリートであり、その筆頭は侯爵にも引けを取らない権威を持ち、更に勇者パーティーに所属しているというのは下手すれば公爵家の当主とほぼ同じともいえる権威を持つことができそれを投げ出すというのは頭の可笑しな人しかないだろうという感じ
そんなのを直ぐにやめようとか言うこの魔導士頭可笑しいんじゃない以前に何言ってんのこいつと言う部分で思考停止してる勇者パーティー一同
――アレウスが塔に送った物品一部紹介――
・グ・アレべスの魔法理論…説明:魔法の根源について考察されたものが書かれている
・聖書 (1~12巻までの全巻)…説明:現在では神と呼ばれる存在達が使った魔法などが簡易的に書かれている
・魔物、魔獣の体内から発見される魔石についての書物等
・ギラーベルの冒険記…説明:魔法のルーツの探索結果が書かれている
・属性魔法についての書物等
・新たな属性の模索を行った書物等
・迷宮核解体書…説明:比較的新しくできた迷宮の核と迷宮自体を解体しその関連性などを調べたもの
・異端者の書物…説明:教会により異端者として裁かれ焚書とされたはずの物
・古代文明の技術書等
・今無き魔法国ラッチェの資料、研究書類、書物等
・グ・ファーラーの魔力解体理論…説明:魔力を構成している物質を魔力によって暴くというよくわからん理論
・カラデナ教授による存在属性の可能性理論…説明:「存在」というもの自体が魔法によって構成されたものだと考えた教授が書いた理論
・強化外骨格とその有用性について…説明:魔法使いが戦争や労働に強化外骨格を作り使用すれば様々な問題が解決するという理論
・旧マルク帝国機密資料…説明:今はマルク公国となっている国の過去の人体実験資料、悪魔や天使といった精神生命体について事細かに書かれている 世間では焚書とされている
・フェリル・カーレウドによる魂魄有無資料…説明:魂の有無を確認した実験記録、結果ある可能性が高い 世間では焚書とされている
・内部に悪魔や悪霊、精霊、呪いなどが封印もしくは閉じ込められている魔導書等
・魔石、大中小と様々なものがある
・古代文明の遺物
・龍の一族との契約書
・魔物、魔獣の魔法媒体器官各種
・金属類
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