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丘の上の碧と蒼  作者: 蓮見流香
1/1

第一部 17歳

二人の女の子の奇跡を書いていく予定ですが、続きはいつできるか未定です。とりあえず、こんな二人を書いてみたいと思ってはじめました。

「また告られちゃった」

 (みどり)は一面のクローバーの中にダイビングしながらいった。まっすぐな黒髪が緑の上にふわっと広がる。

 (あお)もそっと隣に腰を下ろした。お尻にあたる草が少しくすぐったい。丘の下から風が吹きあがってきて頬をなでる。草の香りがした。

「またなの? ドリはほんと、相変わらずもてるね。これで何人目? 今度は誰なの?」

「森野君、野球部のエースの」

「はん、素敵じゃん。女の子はけっこうきゃあきゃあいってるよ。頭もいいし、威張らないし、イケメンだし、絵に描いたような素敵な男の子じゃない」

「あーお、それ,本気で言ってるの?」碧はクローバーの上でくるんと仰向けになると、蒼の膝の上に頭を載せてきた。猫が乗ってきたような感じで蒼はその髪の毛をなでる。綺麗な黒髪だ。そして,なんてきれいな横顔だろう。長いまつげも、宝石のような唇も、きめの細かい肌もまるで作り物のように美しい。

「断ったの?」

「もちろん。だって、あの人と私ってほとんど接点ないんだよ。どんなひとかも知らないし……」

「でも、かっこいいじゃん」

「かっこいい……か……そうかもね。でも、結局、この人は私の何を見てるのかなって思っちゃうんだ。どんなにかっこよくても、それは表面。結局、ただのオスでしょ? メスの体を使って自分の子孫を残そうとしてるだけでしょ? そう思うと、結局、彼にとっても私はただの表面、私は彼にとってはただの道具でしかないのかなって思っちゃう」

「そんなこといったら、女だって、メスとしてよりよい子孫を残すために、オスを物色しているわけだから、結局、道具としてしか見ていないことになっちゃうよ」

「だよねえ。森野君は道具としては一級品かもね。でも、私は、道具としてだけ見られるのはいやなの。私、もう、男の子はこりごり」

「ドリみたいにもてまくってると、そう思うのかもね。私からすると、ぜいたくすぎるんだけど。私なんて一度も告られたことないよ」

「違うよ。私はただ軽くみられてるだけ。私って、つい、みんなにいい顔したくなっちゃうんで、扱いやすく見えるんだよね、きっと」

 そんなことはないな、と蒼は内心思った。碧は美人という以上に魅力的な人なのだ。蒼にしてみればうらやましくて仕方がないのだが、それはそれで苦労する部分があるのだろう。中学校のころは何人かの男の子とつきあったこともあったのだが、いろいろ修羅場があって、高校に入ってからは、告白はすべて断っている。

「最近、隣のクラスの嵯峨篠くん、時々、しつこく話に来て、いやになっちゃう。中学の時、私にあれだけ悪口言ってたくせに、『やり直せるぜ、きっと』なんて言うんだよ。一度も、彼女になったつもりなんかないのに」

「あの人、思い込みが激しいからね。一度デートしただけで彼氏気取りだったんだよね」

「一度だけでいいからデートしようってしつこいから、一度だけだよって言って、デートしたのに……そのあともしつこくて、嫌だって言ったら悪口並べるんだもの」

「あの人は、ちょっとストーカー気味だよね」

「あの人以外にも、中学の頃は、断るのが苦手だったから、言われるままに、つい、つきあってしまったりしたけど、ほんと、男の子はもういや」

「男の子って」と、蒼はクラスメートたちを思い出しながら言った。「そういう人も確かにいるけど、そういう人ばかりじゃないよ」

「いるのかなあ。そういう人。もし、恋人作るなら、私の全部をそのまま受け止めてくれる人がいい」

 蒼は碧の黒髪をやさしくなでた。「そうだよね。それは、わかる。ドリはきっといつか出会えるよ。美人だし、もてるから……」

「男の子って、女の子の表面どころか、顔しか見ていないって誰か言ってた。顔がよくて、体が女の子なら、後は何も興味がないって」

「まさか……いくらなんでも言い過ぎでしょ」そういう人って確かにいるだろうなと思いながら、だとしたら私がもてないわけだと、蒼は思った。「ドリは自分がかわいいからそんなこといえるのよ。贅沢だよ。私なんか、もう少しかわいかったらなって思うよ」

 碧は顔を返して蒼を見つめた。

「うそ、私よりあーおのほうが絶対かわいいよ」

 蒼のうしろにちょうど太陽があって、ショートカットの髪の輪郭が金色に光っていた。ニキビを治して、前髪を整えて、めがねを変えたらみんなびっくりするほどかわいくなるだろうなと碧は思う。

 碧は女の子らしく、きれいなものが好きで、肌や髪の毛の手入れをするのが好きだった。一方、蒼は「自分なんて磨いてもどうせ光らないから」といって最低限の身だしなみにしか気を使わなかった。自分磨きが好きな碧は、蒼が磨けば光ることは直感的にわかっていたし、磨いてみたくてしかたなくて、そのことを中学の頃から何度も言っていたが、蒼はいやがっていた。

「私、めんどくさがりだから、無理だよ」といつも言うのだった。

「人気が出ると思うよ」と言ったことがある。すると蒼は、「無理、無理。万が一、人気が出るとしたって、それ、私のキャラじゃないもの」と言うのだった。

 碧はみんなにかわいいと思われたいという気持ちが強かった。結局、みんなの視線に踊らされているだけかもしれないと思うこともある。嫌われたくないという意識も強くて、みんなに合わせてしまっていやな思いをすることも多かった。だから、最近は蒼の生き方もありなのかなあと思うようになっていた。蒼は頭がとびきりよかった。この上、容姿も抜群にしてしまったら、誰かにとられてしまいそうだから、蒼の本当のかわいさを知っているのは私だけでいい、とこのごろは考えていた。蒼だけが世界でただひとり、碧にとって、相手にどう思われるかを気にせずにいられる相手だった。

 碧は両手を蒼の背中にまわすと、蒼の胸のふくらみの谷間に自分の耳を押し付けた。

「心臓の音聞かせて」

 蒼も両手で碧の肩を抱きしめて碧の髪に頬をうずめた。碧は蒼の心臓の音を聞くのが好きだった。どっと、どっと、どっと、どっと、聞いていると、それだけで心が安らいだ。

「あーお、人間だね。生きているんだね」

「そりゃ、そうよ」

「こうしているとほっとする」

 蒼も、同じだった。こうして碧を抱きしめていると、まるで小さな子どものころに帰ったような安らぎを感じた。

「さびしいんだ、私。人間の中で生きるのが」

 碧が独り言のように言った。「……みんな自分勝手で、自分を棚に上げて人に要求ばかりして、いうことを聞かないと人の悪口ばかり……私も人のこと言えないけど。私ときたら、みんなに嫌われたくなくて、悪口言われたくなくて、みんなに合わせている。みんながいや、自分がいや……あーおといつまでもこうしていたい。大人になりたくない」

「そうだよね。ほんとうにそうだよね」

 蒼は碧の両肩に回した手に力を込めて、いっそう、ぎゅっと抱きしめた。高校生になって、2年生になったというのに、蒼は、いつも心がひりひり傷ついていた。昔より少し人と接するのはうまくなった。でも、それは、うんとうんとエネルギーを使って、普通の人間のふりが出来るようになっただけ。みんなから浮かないように気をつかって、悪口を聞かないようなふりをして、先生に何を言われても従って、親にまで愛想笑いでごまかして、気が休まるひまがなかった。碧といるときだけが自分が自分でいていい時間だった。碧の体温を感じていると、心の中があったかくなって小さな子どもに戻ったようにほっとするのだった。

「ウサギ先生とこの前面談したよ」と蒼がいった。兎野先生は蒼の担任だ。

「ドリとはどういう関係なのって聞かれた。友達ですって言ったら、『人前であんまりべたべたしない方がいいわよ』って言われた。みんなの誤解を招かないように、だって。たぶん、あの先生こそ完全に誤解しているわね。私たちのこと」

「なんて答えたの」

「誤解されないように気をつけますって、とりあえず、言っといた」

「大人たちって、レッテル貼るのが好きよね。うちの学校の先生なんて平気で生徒にバカって言うもんね。あーおは優等生だから言われたことないと思うけど」

「そんなことないよ。よく言われるよ。でも、わたし、バカだから別に気にしない」

「あーおは頭いいから、そんなこと言われても余裕だろうけど、私みたいにほんとにバカだと、正直、へこむよ。でも、あーおの方がうちのクラスの数学の先生より、絶対、頭いいと思うよ。だって、あーおに教わるとわかるもの」

「ドリはどうなの? 誤解されるのは嫌?」

「誤解って?」

「だから、私たちが、その何というか女の子の恋人同士だと思われること」

「恋人って? 私たちの関係に何か名前をつけなくちゃいけないの? 恋人か、親友か、ただの友達か、そのうちどれかでなくちゃいけないの?」

「そんな必要はないよ。もちろん」

 蒼は碧の体を両手で抱いたままうしろに倒れて、クローバーや雑草の上に横になった。碧は蒼の胸に顔をうずめたまま、いっそう蒼にしがみついた。

「だけど、人はそうしたいみたいね。私たちが、ただの友達か、それとも恋人同士か気になるみたい」

「そういうのがいやなの。どっちだって、どっちでもなくたっていいじゃない」

 碧が押しつけてくるおっぱいがやわらかいなと蒼は思った。小学校からの幼なじみでずっと一緒だった。小さいころからこんな風にじゃれ合って、いつも一緒にいた。友だちとかそういうことを意識する以前から当たり前のように一緒にいた。昔からしょっちゅうこんな風に抱き合うのが好きだった。

 昔は碧のおっぱいはこんなじゃなかった。膨らみ始めたのは中学の頃、それに気がついた時、蒼はなんだか悲しかった。碧はもともとかわいかったが中学になると磨きがかかった。子どもから女の子に変身していく姿を見ることは、その美しさに磨きがかかることは、何だか碧が自分のものでなくなっていくような気がしてさびしかった。

 蒼は不意に小学校時代の夕焼けを思い出した。友だちに悪口を言われて蒼は泣きたいというより、打ちのめされて道を歩いていた。碧が心配して橋の上で待っていた。碧は何にも言わずに蒼を抱きしめてくれた。橋のわきの草むらで長いこと夕闇の中で蒼は碧と抱き合っていた。あいかわらず、胸は苦しかったが、碧の体に頬を押し付けていると、心が安らいだ。あったことを一つ一つ碧に話した。碧だけはどんなときも蒼の味方であると全く疑いもなく信じられた。

 小学生のころ、蒼は人が怖くてうまくふるまえなかった。自分の心と闘いながら自分なりにがんばっているつもりだったが、友だちも、先生も、親でさえ、蒼に強くなることを要求し、努力が足りないことを責め、蒼の言葉を疑った。傷つくのが嫌で、人と交わることが怖くて仕方がなかった。性格の悪い同級生に悪口を言われても、誰かに話せば余計に傷付きそうで碧にしか話さなかった。

 今は、もう少し進歩したとは思うけれど、と蒼は碧の黒髪を胸に抱きながら思った。あんまり、進歩していないなあとも思う。今でも、誰かと話そうと思うと頭の中が真っ白になって言葉が出なくなる。必要な話はできるようになったが、世間話というものができない。碧といるときだけが、心を縛るものもなく何でも話せる時間だった。小鳥が自分の巣に戻ってくるように、碧の腕の中に戻ってこれると思うから毎日何とか頑張っているといっても言い過ぎではなかった。

 ずっと、そんなふうにやってきて、もう高校2年生だった。自分の唯一の心の支えであるこの美しい少女と、私はいつまでこうしていられるのだろうかと思うと、蒼はもう人生が終わりそうな悲しみに襲われた。この美しい少女はいつか恋をして、蒼のもとを去っていくのだろう。誰か知らない人の胸に彼女がこんな風に抱かれる日が来る、それはあたりまえだし、その時は自分も変わっているかもしれないけど、でもとても耐えられない気がした。蒼は体を横にすると碧の首の下に手を入れて正面から抱きしめた。

「ドリ、大好きだよ」

「大好きだよ。あーお」碧も両手で蒼を抱きしめた。強くて痛いくらいに。

 蒼と碧は親友でも恋人でもなかった。二人はいわば二つで一つのものだった。それぞれが欠けたかけらで、それを補うことでようやく一つの円として、人間社会に入ることができた。

「あーお、東京の大学に行っちゃうの」

「もう大学の話? まだ2年生だから、あわてなくてもいいんじゃない」

「この前、進路の話、あったじゃない。あーおのいく大学には、私は入れそうもないって思って、悲しくなっちゃった」

「どうして?」

「だって、わかってるでしょ。この高校だって、私、あーおに教えてもらってやっと入ったんだよ。あーおは一高だってはいれたのに私に合わせてくれたんでしょう。高校に入ったら差はますます開くばかりで」

「何言ってるの、この前のテスト悪くなかったじゃない」

「あーおに教えてもらってるから、この学校でもなんとかやっていけるけど、大学となるとね、とてもあーおにふさわしい大学なんていけないよ」

「だって、私はドリに合わせるから大丈夫だよ。二人で同じとこ受けて、二人とも合格した大学に入ろうよ」

「だって、東大にだって入れるような人が、地元の三流大学に行けないよ」

「いいの。私、大学なんてどこでもいい。東大なんてさすがに無理だと思うけど、そんな私がうっかり東大なんて入って、東大生のレッテルなんか貼られくない。私、ほんとに頭だけは少しだけよく生まれたみたいだけど、たまたまそうなだけで何の努力もしてないし、それだけの人間に過ぎないよ。三流大学で十分。ドリのそばにいたい」

 碧は蒼の言葉を聞きながら、うれしさで泣きそうになった。蒼だけが碧を碧ののぞむような形で愛してくれた。小さい頃は気が付かなかったが、成長するにつれて、蒼以外のだれも碧の表面だけを愛していることに気がついた。碧自身でなく碧が自分に何をしてくれるかだけを愛する人ばっかりだった。

「あーお、私、部活やめようと思う」

「どうしたの、ドリは放送部のエースじゃない」

 碧は姿だけでなく声も美しく、放送部では全国大会の常連だった。蒼はたまに碧がステージで発表するのを楽しみにしていて、いつもその美しさが自分のことのようにうれしかった。「私、ドリの朗読聞くの大好きなのに」

「それなりに楽しいけど、もともとゆんに頼み込まれて入っただけだし、全国でもそれなりの成績はとったし、もういいかなって……それより、私、勉強したいの。今から勉強すれば成績は伸びるって、この前、講演会でいわれたでしょ。考えてみたら、今は部活で疲れちゃって、勉強は零に近いの。もしかすると、勉強すれば、こんな私でも、少しは伸びるかなって、あーおはどう思う。こんな私でも何とかなると思う?」

「もちろん、勉強すれば伸びると思うよ」

「ほんと? あーお、また中学の頃みたいに教えてくれる?」

「もちろん、ドリがそうしたいなら……」蒼にとってドリの側にいる時間が増えるのはどんな場合も大歓迎だった。

「じゃあ、部活やめてもいい?」

「ドリが一番いいと思うようにするのが、一番でしょ。ただ、やめさせてもらえるかという問題もありそうだけど」

 碧は蒼の背中に回した手を抜くと、また蒼の胸に耳を押し当てて心臓の音を聞いた。「ありがと。あーお。許してくれるまで粘って必ずやめる。勉強教えてね」

「みんな残念がるとは思うよ。ドリは将来アナウンサーにでもなるのかと私も思っていたし」

「私もそんなこと考えていたこともあったけど、わかんない。でも、どっちにしても、アナウンサー目指すなら全国一を目指すより、いい大学でた方がいいよね」

「私にはわからないけど」

 美しい容姿といい、声の美しさといい、そして誰にも笑顔で接する気さくさといい、碧は人気アナウンサーになれるだろうなあと蒼はずっと思っていた。とにかく、それは、今、考えても仕方のないことだ。それが何であれ、碧のために何か出来ることは蒼にとってうれしいことだった。

 碧は、蒼の胸の上で大好きな心臓の音を聞きながら、これからする勉強にわくわくしていた。きっと勉強して蒼が行くに相応しい大学に入れる実力をつけよう。あーおが教えてくれれば自分にもきっとできる、とそう思えた。

「ねえ、あーお。私、あーおがいてよかった」

 その言葉を聞いて蒼は一瞬目頭が熱くなった。胸の上の碧の頭を抱きしめる手に力を込めた。「それは私のせりふだよ。ドリがいてくれてよかった。ドリがいなかったら、私、今日まで生きてこられなかったかもしれない」

「大好きだよ。あーお」

「大好きだよ。ドーリ」

 しばらくふたりは何も言わずに互いの体温を感じていた。

 やがて起き上がると、太陽は西に傾きかけて、この小高い丘の上からは、広がる街並みや田んぼや小さな森が、夕日に美しく染まっているのが見えた。

 空の雲が赤く染まりかけていた。見ている間にもどんどん形を変えていく。時間がどんどん過ぎて、高校生でいられるのも残りあと半分になってしまった。

 大人になればなるほど、周りが見えてくれば来るほど、毎日がせつなくなった。大人になるということは、人を傷つけたり、傷つけられることに何の痛みも感じなくなるということなんだろうか、と蒼は思った。いつか、大人になって、人の失敗をあざ笑ったり、自分のわがままを押し通すことに喜びを見いだせる日が来れば、このせつなさから逃れることが出来るのだろうか。私は幸せになれるのだろうか。

 蒼は碧の手を取ると広げて自分の頬に押し当てた。碧が振り向いた。

「ざらざらでしょ。最近またニキビがひどくて」

「毎日、石けんで顔を洗うといいよ。ちゃんとやってる? そしてよく念入りにすすぐの。クリームとかつけじゃだめだよ」

 大人になりたくなかった.時が過ぎるのがいやだった。いつまでも碧とここにこうしていたかった。

「いつまでも一緒だよ」

 蒼がいうと碧はうれしそうにほほえんだ。

「いつまでも一緒にいようね」

 たぶん、それがかなわない夢であることは、二人ともわかっていた。いつかはわからないけど、いつか二人の住む世界が違うものになるときが来るだろう。

 だとしても、この瞬間、ふたりは一緒にいる。すべては過ぎ去っていく。二人で過ごしたこの日々を、この丘の風景を私は決して忘れないだろう……碧は蒼のざらざらの頬を手に、蒼は碧の柔らかくて少し温かい手を頬に感じながら、二人は山の端に沈む夕日の光を見つめていた。


連載ですがつつきはだいぶ先になると思います。とりあえず、ここで完結しているので、投稿することにしました。完結した短編の連載という形になると思います。

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