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1分程度で読める、掌編小説集です。「こちら」から、他の掌編小説を読みにいけます。

自己理論

作者: 行世長旅

キリキリキリ、すっ、ぷつん、すーっ、つー……。


あぁ……痛い。痛いよぉ……。ふふっ、ふひひっ、痛いなぁ……。


自傷行為なんて馬鹿らしい。いくら私でもそれは分かっている。


けれど、どうしてもやってしまう。

1人で寂しくなった時、カッターを握ってしまえば後はもう止められない。


痛みは人間が一番簡単に味わえる感覚だ。

誰かに頼ることなく、軽くでもいいのなら道具すら必要無い。


私はべつに、自分を傷付けたい訳ではない。

ただ何もせずに生きている自分が、本当に生きているのか確認するためにやってしまう。


痛みを感じれば、流れ滴る血を見れば、私はまだ死んでいないのだと理解出来る。


痛みはいい。

寂しさを誤魔化してくれて、また自分を傷付けるのは嫌だと再確認させてくれる。


腕にいくつも残る傷痕を眺めれば、自身の愚かさを数えることが出来る。


これ以上は増やしたくないなぁ……と漠然と思いながら、カッターはいつまでも手放さなかった。

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