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ヘクセンナハトの魔王  作者: 四季雅
第0章 魔法が苦手な魔法使い編
96/230

95話 エピローグ【エピソード3 真紅の女王と盟約の鎮魂歌】(完)


 こうして魔王の1ページは幕を閉じた。素晴らしい活躍だった。実に楽しかったよ。



 「魔王」として覚醒し、真紅の女王を打ち破り、大きな決断を胸に謎の魔人が造り出した絶望の道を進み切った。偉大なる魔女の過去を知り……決意を深めた。



 それにしても……まさか「真紅の女王(ブラッディ・クイーン) リーゼ」すらも破るとは。さすがは「支配」の魔王といったところか。



 あ、そうそう。リーゼで思い出したよ。

 吸血鬼には様々なルールが体に刻み込まれている。その中に「人間」と関係したルールがあったような。




 確か……「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」だったかな?




 ふむ。どうやら……魔王は「真紅の女王」すら支配してしまったかもしれないね。

 彼女と出会って結んだ縁はこれからどうなるのか。その顛末(てんまつ)は……次のページを(のぞ)いてみないとわからない。



 さて。彼も「支配」の魔王として始まったことだ。これからのページが楽しみだよ。





 「()」も『語り部』として一層頑張らないとね。






 1つの終わり。そして新たなスタートを切ったアスト・ローゼン。



 彼は世界に平和をもたらす「王」となるのか。それとも……








 世界を破壊する「魔王」となるのか。







 実に楽しみだ。






   ♦






 これは全てが終わり学院に帰って、その次の日の夜に見た、少年の夢。


 少年は金色の瞳を持った小さな女の子と2人で観覧車に乗っていた。


 少女は「吸血鬼」で、その運命に縛られ、苦しみ、少年はその少女のために戦った。


 彼女は見る物全てに目を輝かせて興味を持って、自分の笑顔が好きだと言ってくれた。彼女の「大好き」という言葉はとても嬉しかった。



「次は何をして遊ぼうか?」



 少年は少女に問いかけた。


 彼女は笑顔を浮かべるが、




「うーん。疲れちゃったから、今日はもうおしまい!」




 その答えは少年にとって残念なものだった。



 そしてそれは少女との楽しい時間の終わりを示している。



 少年は顔を悲痛に歪ませて、




「……ごめん……僕のせいで……僕が、弱かったせいで……本当に……ごめん……!」




 少年は少女を抱きしめて、涙を流して謝った。少女は笑顔のまま、




「アスト。あの時、わたしを助けようとしてくれて……ありがとうっ!」




「僕は……君を……救えた?」




「うんっ! わたし、アストのこと……だいすき!」




 そして……少年と少女は手を繋いで観覧車を出た。



 それが、少年がとある日の夜に見た夢だった。


 「6月1日」。その日の夜の夢。

 

 

 覚めて起きると……横には誰もいない。それを見て少年は頬に伝う涙を拭いて、



  「もう、あの子はいないんだ」



 少年は自分に言い聞かせるようにして、再び眠りについた。


 いくつもある可能性の未来の中で……もしも僕が彼女を救えた未来があったなら。


 その時のカルナも笑顔でいてくれたのかな?


 それを知る方法はないけれど。きっと笑顔に違いない。

























 おやすみ、カルナ。



第0章『魔法が苦手な魔法使い編』ラストエピソード

【真紅の女王と盟約の鎮魂歌レクイエム】終了。


次回、第1章『ヴェロニカ編』エピソード4

【完全理想の支配と救世の竜神マキナ】に続く。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすい文章の量で尚且おもしろかった [気になる点] カルナは復活しないの? [一言] ヒロイン達を殺すのは出来ればやめて欲しい 正直読みたくなくなる(作者さんにとってはどうでもいいかも…
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