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ヘクセンナハトの魔王  作者: 四季雅
第0章 魔法が苦手な魔法使い編
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5話 まさかのパートナー


 そんなこんなで医務室を出た。そして(ひそ)かにベルベットがまとめてくれていた自分の荷物を持って向かった先は……



「ここが……今日から自分の部屋か」



 ベルベットが言うには今日から自分の部屋である450号室の前に立つ。鍵穴に受け取った鍵を入れ、回すと……



(鍵、()いてる……)



 なんと鍵が閉まっていなかった。不用心だなと思いつつドアを()ける。でもよく考えてみれば鍵が閉まっていないということは誰かが中にいるということだ。

 まさか空き巣……? 学校の(りょう)を!?



「お、お邪魔しま~す……」



 中に入って(くつ)()ぐ。やはりと言ってか他の人の(くつ)がある。それを見て僕は疑問を感じる。




(ん? ()()()()()だ……)



 そこにあった靴はショートブーツ。レディースのシューズだった。



 これは余談(よだん)だが魔法使いが()く靴も人間の物とは少しだけ違う。


 見た目はまったく同じなのだがこれも魔法道具の1つ。物によって色んな効果があったりして中には空を飛んだりできる物まであるとか。


 ちなみに見た目が人間の物と同じなのは魔法使いが人間の中に(まぎ)れる時に身に着けている物で怪しまれないため。

 魔法使いは他の魔人と違って人間と姿が同じなためか潜入(せんにゅう)などといった仕事があるのだ。



 話を戻すがなぜレディースブーツを見て疑問を感じるのか。

 それはここが「魔法騎士用の寮」だからである。



 事前に調べていたから知っていることだけどアーロインの寮も「魔女」「魔工」「魔法騎士」で分けられている。コースが違う者同士で不都合があっては困るということで。まぁ他2コースの寮も目と鼻の先にあるんだけどね。



 そして重要なのは魔法騎士はほとんどが男で、女の魔法使いは何か特別な理由がない限りは「魔女」の方に行くということ。だからこそ、このレディースシューズに疑問が生まれたのだ。



 しかし、それはまたすぐに1つの答えを導き出した。




(あ……まさか)



 僕は知っている。女で魔法騎士になりたいと受験してきた者を。1人だけ。

 僕は奥に進み扉を開く。答え合わせをするために。




「遅かったわね」


「やっぱり……カナリアさん」




 ブラウン色の髪にツンとした表情。(そな)え付けられてある机の椅子に腰かけていたその女の子は試験の時と同じ軍服のような服を身に纏っている。やはり何度見ても容姿の可愛さと服のカッコよさが不思議とベストマッチしている。



「あんた『ファルス』だけ使ってなんで魔力欠乏(まりょくけつぼう)なんか起こすのよ。どんだけ魔力少ないの」


「あはは……それは本当にね。なんでだろうね」



 これはよくわからないんだけど僕は他の魔人と比べて魔力が異常なほどに少ないらしい。ベルベットは理由を知っているみたいだけど聞いても教えてくれない。

 教えてくれないなら別にいいやと片付けておいた問題だったけど……やっぱり周りの目から見て明らかなほど少ないんだな。




「それより……カナリアさん─」


「そのカナリア『さん』ってのやめてくれない? なんか(かゆ)いわ」



 ギロリとこちらを(にら)んでくる。僕もこれから同じところで学ぶ同学年に対してできれば敬称はつけたくなかったのでちょうどよかった。



「じゃあ……カナリア。なんでカナリアがここにいるの? ここ、僕の部屋なんだけど」


「見てわかるでしょ。ほら」



 カナリアが顎をしゃくって備え付けてある家具類を示した。机、ベッド、クローゼット。それらはなぜか……2セットあった。

 しかも入って気づいたことだが寮の1部屋にしてはかなり広い。それはまるで……()()()()()()()()()()かのような。



「アーロインの寮は全部屋が相部屋なのよ。で、あたしとあんたが同じ部屋。以上」


「以上で済ませられないでしょこれは……!」


「あたしだって嫌で抗議したけど『決まったことだから仕方ない』って言われたのよ……。ほんと試験でバハムート出したりメチャクチャだわここ」



 カナリアは嘆息(たんそく)する。すっごい嫌そうだ。

 それもそうだろう。男と女がこれから共同生活するのだ。普通に考えてうまくいくわけがない。




「………ちょっとシャワー浴びるわ。なんかこれからのこと考えたら疲れた」


「え!? なんで今から!?」



 わざわざ一番男女間で問題になりそうなことを僕がやってきて最初にやらなくてもいいでしょ!



「あんたが来る前にシャワー浴びるなんてそれこそアウトでしょ! 何も知らなかったあんたと出てきた時に鉢合(はちあ)わせたら……!!」


「ごめんなさい。どうぞごゆっくり……」



 それもそうだった。何も知らない僕がここに入ってきてシャワーから出てきたカナリアとバッタリ出会ったらそれこそ終わり。

 カナリアはそれを危惧(きぐ)して僕が来るまで我慢してたんだな。なんだか申し訳ない。



「わかってると思うけど覗いてきたら殺すから」


「そんな……これから同じ学び舎の仲間なんだから殺すなんて……」


「なに? それは覗く気があるってわけ?」


「ありません。絶対にここから動きません」



 カナリアはふんっと機嫌悪そうに部屋を出ていきシャワールームに入っていった。

 この間に自分の荷物を出しておこう。もうカナリアとの共同生活は回避できなさそうだ。なら早いとこ慣れるしかない。



 今のうちにと部屋の中を確認していくと……本棚も僕とカナリア用で2つ用意されていた。その内の1つはもう色々と本が置かれているので空いている方が僕のということだな。僕も自分の本を置こう。



 自分の本……というのは僕が気を失っている間にベルベットが用意してくれたであろうここの教科書。


 「魔法学」「魔人の歴史」「魔術演算」等々の魔人関係の授業の教科書だ。

 さらには人間の世界に溶け込むために人間が学んでいる「国語」「数学」「人間の歴史」等の授業の教科書もある。


 人間のことを学ぶのも魔法使いならではといったところだ。他の種族の魔人はここまで人間に溶け込んだことをやらないらしい。


 そもそも魔法使いは生活のほとんどを人間と同じにしていたりするのでさすがにやりすぎなくらいだが。

 実際、人間に親近感を湧きすぎて人間の世界で暮らしちゃってる魔法使いもいるみたいだし。



 今の時代では人間を見つけたらすぐに殺すなんて魔人は減ってきている。「攻撃してこなければこっちも攻撃しない」という考えの魔人が増えてきたのだ。

 それでも争いがあるということは……察してほしい。こっちにも、向こうにも、憎しみが強い人はたくさんいるってことだ。あくまで「減ってきている」という程度である。




「……あ、これ」



 自分の本を収納していく中でふとカナリアの方の本棚にもたれるように立てかけられていた……「剣」が目に入った。


 試験の時にも見た水色で綺麗な人魚の装飾(そうしょく)が入ったレイピア。多分、水魔法の補助(ほじょ)をしたりする魔法武器。それが気になった僕はカナリアの許可なく触ってしまう。




「すごく綺麗だな……」



 抜いてみると美術品のような美しさと武器としての危うさが融合していて言葉が出ないほどに目を奪われた。


 僕はまだ魔法が上手く使えないから魔法武器が必要という段階にすら入っていないため、持っていない。試験の時に使っていたのもただのロングソードだ。




(うらや)ましいなぁ。いつか僕もこんな魔法武器を持ってみたいよ……)




 僕の中で魔法武器を持つことは1つの夢みたいになっている。

 それはすなわち魔法が使えているということでもあるからだ。魔法騎士にとって魔法武器は自分の命の次に大事な物でもある。何を使うかは重要だ。



「って……命の次に大事なそれを勝手に持ったらダメじゃないか」



 僕はすぐにレイピアを収めて本棚に立てかけた。バレないように元の位置に。



「試験の時に剣は無くなっちゃったし、代わりの剣も用意しとかないとだな」



 ベルベットの魔法で試験時の僕の様子を見せてもらった時、バハムートの攻撃を受けて剣をダメにしたのを知ったので新しい剣を手に入れておかなければと思った。

 でも、前に使っていたのはベルベットに(もら)った物なのでまたお願いすればすぐに届きそうだしそこは心配しなくて大丈夫かな。





 自分の荷物を整理し終わって、一休みということでベッドに腰かける。ちなみにベッドも2セットとは言ったが…なんと2段ベッドである。



「なんか実感ないよな。僕があんな竜を倒したなんて。それにあの時に頭の中で響いた声はなんだったんだろうか……」



 僕にもう一度戦う力をくれた女の子の声。



 立って、前を向いて、決意しろ、そうすれば戦える、と僕を鼓舞(こぶ)してくれた。



 あの言葉がなければ立ち上がることなんて無理だった。不思議と力が湧いてきたんだよな。



「記憶が戻れば全部はっきりするのかな……」



 色んな疑問が湧いてはそれがわからないで終わるのはすごく気持ちが悪い。モヤモヤとしたのがどんどん残って溜まっていくようだ。



 それからベッドに寝転がって考え事をしていたのだが……そこで気になったことが1つ。





(カナリア遅いな……)




 荷物の整理が終わって考え事をしていても一向にシャワールームから帰ってこない。荷物を出していた時はシャワーの音が聴こえていたのだが今は聴こえてこないしもう浴び終わっているはずだ。


 様子を見に行こうかと思ったが……来たら殺すと言われているし動けない。

 こういう時にもしカナリアの身に何かあったらとか思って行こうとすると破滅(はめつ)を生む。どう考えたってシャワー浴びてるだけで危険なんかあるわけないんだし。





「……くしゅんっ!」



 ……ん? 



 今、くしゃみが聴こえてきたような。あー、待って。なんかわかった気がする。まさか……


 僕は思い当たってカバンからゴソゴソとある物─「バスタオル」を取り出した。 扉を少しだけ()けてそれをシャワールームの前あたりにポイっと投げる。




 すると……シュバッ!! とそのバスタオルが中に吸い込まれていった。




 やっぱりか。カナリアはシャワー浴びたはいいがタオルを持っていくことを忘れていたんだな。

 ここに入って初日だから頭から抜けていたんだろう。無理もないけどバスタオルが無いならそう言えばいいのに。



 少ししてカナリアが部屋に入ってくる。水色で水玉模様のパジャマを身に纏っている。

 髪はまだ濡れていたがシャワーを浴びたというのに湯気は立っていない。本気で自然乾燥でもしようと考えていたのか。



「バスタオル、洗って返すわ」


「いいよ別に。新しいやつだからそのまま使いなよ」



 バスタオル1枚くらいどうってことない。これから一緒に生活するんだからタオル1枚絶対返せなんて意地の汚いことはしない。それに女の子が使ったやつなんて洗濯しても使いづらいよ……



 カナリアは椅子に座って一息ついた。男の僕と2人で同じ部屋なのが落ち着かないのかどこかソワソワとしている。

 僕も同じだ。ベッドに寝転がったまま言葉が出ない。もうこのまま寝てしまおうかとも思う。



「……ねぇ」


「な、なに?」



 カナリアはこの静寂(せいじゃく)を破る。いったい何を聞いてくるのかと思えば……




「試験の時、あんた力を隠してたの? ブラックウルフ相手に手こずってたあんたと、バハムートを(おの)の一振りで倒したあんた。どっちが本当なの?」


「それは……」



 それは医務室でちょうどベルベットから聞かされたことに関することだ。


 「魔王の力」と呼ばれる魔法とは違う謎の力。これは誰にも気軽に言ったりするなとベルベットから言われている。


 このカナリアの反応から分かるようによっぽどの魔法使いでない限り僕が試験で使った力が「魔王の力」とは気づかないというのは本当のことなんだな。

 (うわさ)で知ってはいるけど「魔王の力」というものを見たことがないからわからないってところか。



前者(ぜんしゃ)の方かな。僕、魔法をそこまで使える方じゃないし」


「……? あんた得意な魔法は?」


「『ファルス』かな」


「そういうことを聞いてるんじゃないわよ! そもそもそんな初歩魔法、得意不得意とかいう以前の問題よ! あんた得意なこと聞かれて『呼吸』って答えるの!?」



 うぅ……嵐のように責めたてられる。すごいブチギレてらっしゃる……




「得意魔法って聞かれたら普通は自分が使う『()()()()』のことを言うでしょうが!」


「属性魔法……か」




 魔法使いが使う魔法は「無属性魔法」と「属性魔法」とに分けられる。



 「無属性魔法」とは努力次第で誰もが使えるシンプルな魔法のこと。


 例を挙げれば身体強化魔法『ファルス』、移動魔法『ラーゲ』とか。イメージとしては無色を想像してほしい。



 逆に「属性魔法」とは魔人が生まれながらに1種類だけ使える特別な魔法のこと。


 魔法には様々な属性がある。「炎」とか「水」とか「雷」とか。今挙げた3つ以外にもたくさん。

 そしてそれらのように属性が付与されている魔法は遺伝だったりで魔法使いによって使えるものが決まっている。

 イメージとしては魔法使いそれぞれに「色」があると思ってくれていい。



 カナリアは水魔法が得意だ。生まれた時から水魔法が得意で、これはカナリア・ロベリールという魔法使いは「水魔法が使える魔法使い」と最初から決まって生まれたからということ。



 このように生まれた時から自分が何の魔法が得意なのかははっきりとする。

 逆に言うと他の属性の魔法をカナリアは使えない。これは無属性魔法のように努力でどうにかなるものではない。

 さっきも言った通り魔人が使える魔法の属性は1つだけと決まっているからだ。




「と言っても……僕『ファルス』しか使えないしなぁ……」



 「属性魔法」……これもアストにとって憧れが強いものだ。それを手にすることこそが魔法使いたる証でもある。


 『ファルス』を初歩魔法とは言ったが魔法使いにとって本当のスタートラインとは自分の「属性魔法」をマスターすることなのだ。それをすることで初めて魔法使いを名乗れると言っていい。



「『ファルス』しか使えないって……。やけに連発してるなと思ってはいたけど……」



 カナリアは眩暈(めまい)に襲われているような顔をする。そんな魔人見たことも聞いたこともないからだ。

 何度も言うが魔人にとって魔法とは「普通のこと」。誰もが持っている力なのだ。持っていない方がおかしい。




「じゃあその話はいいわ。あたしがもっと聞きたいのはバハムートを倒した時のこと! 最後にあんたバハムートの魔力を吸収してなかった?」



 またもや魔王の力に関することだ。ベルベットはそれを「支配」と言っていた。僕の中にあるという魔王の力の1つ─「魔王の心臓」の能力であると。


 具体的にどういう効果があるか詳しくはベルベットにもわからないというので僕の口からは「伝えない」というより「伝えられない」というのが正しい。なにせ当の本人である僕がわかっていないのだから。



「あ~、ちなみに『相手の魔力を吸収する魔法』とかって……あるの?」


「そんなのない! 聞いたこともない! 両者の合意の下で魔力の受け渡しができる魔法があるにはあるけど、倒した相手の魔力を強制的に奪うなんて知らないわよ……」



 そうだったのか……。それなら尚更(なおさら)僕が怪しく映るわけだ。そんな見たことも聞いたこともないことを目の前でやったから。



「正直、答えられることなら答えたい。カナリアには試験とはいえブラックウルフの群れやバハムートから助けてくれた恩もあるし。けど、わからないんだ。自分にも」


「……自分でも制御(せいぎょ)できない魔法ってこと?」



 すごく察しが良い方なのかかなり核心に踏み込まれてる気がする。詳しくは魔法ではないけどその認識で間違いはない。僕は(うなず)く。




「なるほど、ね。……まぁいいわ。なんにしてもあんたはバハムートを倒した。試験を突破した。それは事実。どうしてそんなに強いのかを聞きたかったんだけど……無理ってことね」



 カナリアはもう僕に興味を失くしたのか本棚から教科書を取り出して机に置き勉強を始めた。メガネまでかけて完全に勉強モードに入った。



「授業は明日からだよ?」


「予習よ。それくらい普通でしょ?」



 普通なんだ……。すごいな。まだ授業が始まってもないのにもう自習を開始してるなんて。勉強好きなのかな?


 また静かになった部屋。ただ今度はカリカリ……とシャーペンをノートの上に走らせる音だけが聴こえる。


 魔法使いなのにシャーペン? って思ったかもしれないがちゃんと魔法道具である特別なペンも存在している。むしろそっちが主流。



 しかしもう察していると思うがこれも人間の世界に溶け込むためのもの。

 あっちの世界でシャーペンの使い方もわからないと一発で人間ではないとバレてしまう。だから魔人の中で魔法使いだけは幼少期から魔法道具以外に人間の道具の使い方も一緒に学んでいる。



「カナリアって努力家なんだね」


「いきなり何?」


「ブラックウルフの群れから助けてくれた時、すごいと思ったんだ。才能あるんだな……って。でも、才能だけじゃなかった。ちゃんと努力も皆よりしてるんだなって」



 僕が(いだ)いていた気持ちを言葉にして吐き出すと……その時、シャーペンの芯がバキッと音を立てて折れた。カナリアの方を見ると唇を噛んで悔しそうな顔をしていた。



「……あの試験であたしは一番じゃなかった。あんたがそうだったでしょ? あたしは450ポイントで2位だったのよ」



 よ、450……! どれだけの魔物を狩ったらそんなポイントに達するんだ……!?

 ブラックウルフで言えば450体分だ! いや、その(たと)えはなんかおかしいか。



「それでもすごいよ。そんなにポイント稼いでいたなんて……」


「でも、あんたはあのバハムートを倒した。あたしはあんたみたいに正面から立ち向かうことなんかできなかった。1回魔法を撃っただけで戦意喪失(そうしつ)。それが2位よ。笑えるわ」



 まだその話続いてるのか。だからあれは僕の実力ってわけじゃないないんだけど……。

 どうやらカナリアはかなりこういったことを引きずるタイプみたいだ。



「バハムートってそんなにすごいの?」



「人間、魔人、魔物にはそれぞれE~A、そして最高ランクのSを入れた6段階レートが定められてるの。あんたが倒したのは試験用に弱められていたとしても推定BもしくはAはあるわ。この時点でベテランの魔法騎士でも単騎じゃなくてチームを組んだりしないと勝てないレベル。ちなみに試験用じゃなかったらぶっちぎりでSランクの魔物よ」



「ごめん。なんか色々難しすぎてよく分からなかった……」


「メッチャ強い。以上」



 カナリアは(あき)れながらまた机に向かう。もう話しかけるなってオーラがすごい。僕、敵視(てきし)されてる……?



「僕もシャワー浴びてくるよ」


「……」



 とうとう無視された……



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