145話 プロローグ 【エピソード5 時空の天使と星空の赤天竜】
とんでもなくお待たせしてしまいました。ほんと申し訳ございません!
今回からエピソード5に入ります! 頑張って書きました! 以前も言った通りこのエピソード5から8は単発でも読めますが一続きのストーリーにもなります。どうぞよろしく!!
あと本日は夜くらいにもう1話投稿すると思います。
ふむ。今回で5つ目……か。
そうだね。今回は……「妖怪」について話そうか。
おっと。これは君たちにも馴染みがある名前かな。でも、その「妖怪」も魔人の種族の一つなのさ。
妖怪はとても面白い種族でね。「魂」という概念が彼らには存在する。
吸血鬼とはまた違った「不死性」を持っているんだ。
吸血鬼以外の通常の魔人は死ねば終わり。けれど、彼らは死んでも意思が「魔力」となって宙を漂う。
……ちょっと難しかったかな。まぁ死んでもどうにかすれば復活できる、程度に覚えていればいいよ。
それと、人の「魂」を喰らうことで己の魔力を強化することもできる。
……はは、さらに何言ってるかわからないって?
ではでは、余計なお話はこれくらいにして。物語のページを進めてみようか。
アスト・ローゼン。時期に「ヴェロニカ」は動き出す。この世界は過去を求めその成長を止める。
君にとって最大の戦いの幕が……開くよ。
♦
夜、眠ると夢を見る。
そこで、私は蝶だった。
美しい羽で飛び、自由に空を飛ぶ。
しかし、すぐに蜘蛛に捕まり、私の頭は無残に食い散らかされた。
思考は消し飛び、自由を失った。頭がなくても意味なく羽を動かして自由な空を欲する。哀れ以外の言葉もない。
私は誰かの助けが無ければ生きていけない。とても、とても弱い生き物。
けれど、誰かに助けられれば生きているだけで、その人に迷惑をかけていく。
なんで私はこんなにも弱いのだろうか。
朝、目が覚めると私は「蝶」ではなく「人」であることを思い出す。
でも、夢であった時の息苦しさは今もそのまま。
いつも、いつも願っている。
時間を巻き戻したい。そう願う。
もしも、時間を巻き戻せたとしたら。
あなたは何を願いますか?
失敗をやり直したい?
失った物を取り戻したい?
亡くなった大切な人に会いたい?
私は…………「私が生まれてこなかったことにしてほしい」。
今日も私は空を飛ぶ。
頭を失った蝶となって、何も考えず、見たくないものから目を逸らして、誰かに迷惑をかけて飛んで生きていく。
私は、こんな私が大嫌い。
死ぬ勇気もないくせに、誰かに迷惑をかけることに苦しんでいる。
この苦しみから救ってくれる人がいるのなら、
どうか、私をこの世界から消してください。
─時間を戻せるとしたら、貴方は何を願いますか?─
ヘクセンナハトの魔王 第一章『ヴェロニカ編』
エピソード5~8「Angel Clock」 始動




