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先日歯医者の定期検診だったのですが、寝過ごしてしまい延期になってしまいました。
だからこの小説がどうというわけではないのですが、取り敢えず頑張って書いたので全部読んでください。
時は7月上旬。痛いくらいに照りつけてくる日光と前後左右から聞こえてくる仲睦まじい生徒たちの会話が、本格的な夏の到来を知らせていた。
学校までの道を歩きながら、その暑さに耐えきれなくなった俺は右手で顔を扇ぐが、なにせ当たってくる風が少ない上に生暖かく、手も疲れるためすぐ辞めた。
団扇も持ってないし、勿論携帯型扇風機なんてもっと持っているわけがないので、学校までなんの抵抗も出来ないままこの業火に焼かれ続けることになる。そしてエアコンの効いた教室に入ったかと思えば授業、さらに今日は木曜日、体育の授業もあるときた。
ああいかん、帰りたくなってきた。
寝坊して朝食も取り損ねるし、今日は最悪のスタートだ。しかし3日に2回は寝坊するのが俺のデフォルトなので、これからは最悪のスタートが頻発することになる。そう考えると、余計に足取りが重くなった。
そんな風に、自らの悪習慣が原因で元々悪い体調をさらに悪くしていると、前を歩いていた生徒の集団が信号待ちで停止した。
急に停止したため、前の女子生徒にぶつかってしまう。
ロングヘアの茶髪をなびかせながら振り返ると、鋭い目で睨まれる。いやアンタが急に止まるのがいけないんだろと思いつつ、勿論口に出すことはせず、愛想よく「すいません」と謝っておく。
たしか同学年の奴だったが、名前とかは覚えていない。
結局その後は特に何か起こるわけでもなく、信号が青に変わって、彼女を含めた生徒の集団は再び学校に向かって動き出した。
さて、俺も行くかと言うところで、首に腕がかかり、重心が後ろに傾く。今度は一体なんだ。
「よう!朝から災難だなあ南雲」
声の主は浅井。俺の所属しているクラス、1年3組のクラスメイトで、特徴は......えーっと、あの...うん、明るくて元気である。
「ん?なんか今、こう、褒めるところがない奴を無理やり褒めたみたいな感じで評された気がするんだが...」
いや、気のせいですね。
「まあそんな事はいいや。それで、さっきの奴は一体何なんだよ。勝手にぶつかっておいて、ガン飛ばしてきてよお。全く、ああいう尖った奴はいくら可愛くても『浅井リスト』に入れないんだよなあ」
「その『浅井リスト』ってのはなんだ」
歩きながら聞いてみる。
「入学から現在まで、彼女にしたい女子生徒を纏めてるリストだよ。今の所は......合格者は6人だな!」
浅井がポケットからメモ帳を取り出し、ハツラツとした声で言う。いや、6人て...
「誰が本命なんだよ」
「本命は全員だが?」
さも当然の事を言ってるかのようなドヤ顔をしながら。
「言っとくがここはToL○VEるの世界じゃないぞ」
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うだろ?この中に1人くらいは俺のことを好きになってくれる人はいるはずだぜ」
お前の青春はそんな安っぽい感じでいいのか...
右手の制服の袖で額の汗を拭う。校門はもう見える所まで近づいている。
「そういや南雲、間宮って知ってるか?」
間宮?聞いたことないな。
「誰だそいつ」
「ウチのクラスのほら、入学から1度も登校して来ない奴だよ。ほら、お前の近くの席、一ついつも空いてるだろ?」
いつもの教室の風景を思い浮かべる。確かに記憶では、一つ空いている席があった。
「...ああ、あそこの奴か。間宮って奴の席なんだな。知らなかった。......それがどうかしたのか?」
「最近、保健室で姿を見たって奴が居るんだよ。いわゆる保健室登校ってやつだな。それがもう、結構可愛かったらしくてよ。さらにこれは推測だが、保健室登校って事で、虚弱体質ときた。これはあと性格さえ完璧だったら、『浅井リスト』入りもあるかもしれないぜ〜!」
やたらと興奮して話す浅井が少し気持ち悪く暑苦しかったので、無表情で相槌だけうっていると、チッと舌打ちされてしまった。そのうちに俺たちはもう校門をくぐって、昇降口に向かう。
「ま、画面の中に嫁がいるお前にとってはこんな話微塵も興味ないのかもしれんがよお...そこまで露骨な態度をとるのはどうかと思うぜ」
「なんでいきなり俺の嫁が画面の中にいることになってるんだよ...」
「じゃないと、俺や他の男子の女の子談話に全く興味を示さんなんてありえん。どういう教育を受けてきたんだお前は!」
「むしろ俺はお前がどう言う教育を受けてきたのか知りてえよ」
下駄箱から上履きを取り出し履いて、教室に向かう。各部屋から漏れ出したクーラーの冷気が全身に当たって気持ちが良い。
俺を落とすというなら、そうだな、幼馴染のドジっ子美少女とか、甘えん坊気質のクーデレ後輩だとか、お姉さんタイプの巨乳先輩でも連れてきやがれってんだ。......ん?こういった類の方々は画面の中にしか居ないか。マジで俺そっち系なの?
一抹の不安を抱きながら、教室へと続く階段を登った。
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