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その中二病が真実ならば  作者: terus
第1章:邂逅
1/7

プロローグ

タイトルはいいのが決まらなかったんで最近良くあるめっちゃ長文のやつにしてみたんですが、どうも気に入りませんね。いつか変更するかもしれません。

戦隊ヒーローに憧れ、仮面ライダーを目指し、投げては完全試合、打っては全打席HRの野球選手や、華麗なテクニックで観客を魅了し、全試合ハットトリックを決めるサッカー選手を将来の姿として描いていた俺が、『自分が平凡な人間である』と自覚したのは、意外と早い。中学2年生の頃だった。

一般的に中学2年生といえば、ダークリユニオンだの不可視境界線だの目に見えないものが見えてしまうお年頃なのだが(実際は彼らは高校生だが)、どうやら俺は違うらしい。

と言いつつ、『自分が平凡だと理解してる冷静な俺カッケー』をやっていると考えると、結構痛い感じもするのだが。


さて、まあそんな感じで何の取り柄もない、いや、平凡な人間とて取り柄の一つや二つはあるだろう。正確に言えば『人並みにしか取り柄のない』俺なのだが、実は他人とのコミュニケーションに関しては非常に自信を持っていた。

おいそこ、神妙な顔をするな。自分の唯一の秀でた部分がコミュニケーション能力だなんて言われたら、確かに俺でも「は?」ってなるけど。

いや、勘違いしないでほしい。俺はあんたの周りに1人はいるだろうガチ『友達100人できるかな』を実践してるようなリア充や、何もしなくても異性が寄りついてくるようなやべーやつとは違う。ああいう奴等が持っているのは、コミュニケーション能力じゃなくて、こう、奴等の中に元来備わっていたスター性のような何かであろう。


ともかく、俺はコミュニケーション能力に自信があったのだ。

具体例で示そうか。

そう、例えば休み時間にクラスメイトの誰かに話しかけられたとしよう。そしたら3分は途切れる事なく話を続ける事が出来るね。話が合えば、そっから友達関係にも発展できる。それが全く知らない人でも、異性でも、上級生でも同じだ。普段の言動から、『うわーこいつ正直好かないなあ』と思ってた奴でも例外ではない。

こういう事があんたには出来るか?できないだろう。いや出来る?そうか。じゃああんたもコミュ能力が高いんだな、おめでとう。

......とにかく俺は、これが自分の才能だと思っていた。平凡な自分に与えられた唯一の特徴、長所。

唯一の長所がそれってのも、なんだか随分さみしい話だけどな。


しかしその長所すらも、高校入学早々に打ち破られてしまった。ヒーロー戦隊や空前絶後のアスリートだけでなく、『一つ二つの取り柄を持っている平凡な人間』にすらも、俺はなれなかったのだ。人間失格ってのはこういう事を言うのか?太宰治さんよ。いやまあ、タイトル知ってるだけで中身読んだ事ないけど。


しかし、これだけは胸を張って言える。相手が悪かったのだ。いくらコミュニケーション能力に優れていても、アフリカのどっかの村の言語や、異星人の言語を話す奴とまとも会話しろというのがそもそもおかしい。まあもっとも、奴等が話していたのは俺のよく知る日本語で、アフリカの言語でもなければ月や火星の言語でも無くて、そこが一番厄介な点なのであるが。


まあなんにせよ、高校に入学してから、俺の人生はだいぶ狂ってしまった。少なくとも、ダークリユニオンや不可視境界線が実在するんじゃないかと、ふと自室のベッドで想起してしまうくらいにはな。どうだ、笑えるだろ?俺はクスリともできないが。

全ての原因は、あの日にある。忘れもしない、夏の初めのこと。間宮(まみや) (つかさ)に、出会ってしまったあの日に。




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