入学編1
初投稿です。投稿のスパンは不定期になると思います・・・。つたない文章、設定かもしれませんが、生暖かい目で読んで頂ければと思います。感想やご指摘などありましたら言っていただけると幸いです。
高校の入学式当日。俺は会場に向かいながら、耳にイヤホンを突っ込みいつものように音楽を聴いていた。
帝都大学附属東都高校、日本屈指の超難関大学の1つであり、多くのノーベル賞受賞者を輩出している世界的な超名門大学である帝都大学の附属の高校であり、学年の半数はそのまま大学に進学できるという点から志望者が殺到し受験倍率が15倍超というこれまた超難関校の1つ。そして、俺が3年間通うことになる高校だ。
世界的大学の附属高校ともなると校舎の設備は恐怖すら覚えるレベルで充実している。まぁ、ブリジストン大学に行った従兄から寮の写真を送ってもらったことがあったが、あそこの寮は本当に城だった・・・。
それはさておき、この学校の魅力は設備の充実具合や大学進学だけではない。学費が異常に安いのだ。そう、異常に。どのくらいかというと国公立文系のおよそ5分の1。凄まじく胡散臭い話ではあるのだが、母体が帝都大学であるがゆえに誰も疑ってかかったりはしない。但し、2つほど思わず首をかしげるような決まりがある。
1つは1か月に2度身体検査があるということ、またその内容及び結果は生徒にのみ言い渡し、口外してはならない。口外した場合、謹慎または退学になるというものだ。
2つ目に校内の写真をメールで送ったり、SNSに投稿することを禁じている。これまた破った場合には謹慎、または退学となる。
非常に怪しくはあるのだが学校側の説明により大体みな納得する。1つ目については最近流行っている感染症などを早期発見するため、2つ目については校内には大学で研究中の非常に重要な資料が多く存在し、それの流失を防ぐためとのこと。
俺の紹介が遅れていたな。俺は名前を空木 史音と言い、身長は177、体重は70kg弱。
中学時代、文化部でありながら鍛えていたため筋力には多少自信がある。顔は普通(だと思う)、特徴としては記憶力と思考速度が多少早く、観察力は自分はそんなにないと思うのだが他人によればかなりあるとのこと。趣味は音楽を聴くことと、遊びで作曲したり、効果音を作成してネットに挙げることだ。余談として、中学生の時当時中二病だった同級生にそれがバレて「音の魔術師」とかいうイタイあだ名をつけられ、散々いじられたのは嫌な思い出だ。
ちなみに俺には現在、親がいない。つまり、正真正銘の1人暮らしなのだ。俺が幼かった頃両親が離婚し、そしてなぜかどちらに引き取られることもなく孤児院に入れられた。昔は恨みもしたが、今となってはどうでもいいことだ。おかげで今自由に生きれているという説まである。但し、恋愛に関してはいわゆる「アンチ」と呼べる。これは両親に捨てられた、というかつての認識を無意識のうちに気にしてしまい、軽度の人間不信に陥ってしまたからだ。男子に関しては小中で関わることも多く何とか克服できたが女子はそうはいかなかったようだ。
さて、そんなこんなで学校に到着し、門の前の守衛に真新しい学生証を見せ、中に入る。講堂に入り、まだそんなに人が来ていない中、適当に座り音楽を聴き時間をつぶしていた。15分ほどすると徐々に席が埋まっていっている中、隣から「あの、隣よろしいですか?」という声が聞こえ隣を見るとひとりの少女が立っていた。身長は160センチほどでかわいいというよりは綺麗という感じの顔だちをしていた、俗にいう美少女の部類に入るのだろうが俺は特に見向きもせず「どうぞ」とだけ言って、再び音楽を聴き始めた。
それから10分弱が経ち入学式が始まった。こうして始まる、何の変哲もない学園生活が。