※第1話※カモン!!!異世界!!!!!!
「さぁ!行きましょう!新しい冒険へ!!」
そう!今日から僕はこの異世界で勇者としてエルフたんと…………
………………………………………………ガブッ!!!
「いでででででー!!!!!!」
最高な俺の夢の世界を邪魔されベッドから転げ落ちた。
「うにゃー」
「あっ……ご飯の催促ですね……今やりまふ……」
噛まれた足を引きずりつつ大あくびで愛猫に餌をやった。
あんな最高な夢をしかもこれからあのエルフたんとのくんつほぐれつな冒険記だったのに
と思いつつ起き出した俺
そう 俺は世間では忌み嫌われている引きこもりニートである。
社会に絶望し、現代に絶望し異世界での生活を夢に見て
後数日で30になる俺は魔法使いにもなれ無敵になれるのだ!(決してこの年までチェリーとは言いたくない)
夜更かししてはネットサーフィンしながら異世界に行く方法を探している毎日
親兄弟にも呆れられ、俺の聖域のこの部屋で日夜ネットサーフィンに講じている
しかし、ネットで異世界へ行く方法を探してみても
ほぼ "一度死ぬ……、瀕死状態から意識を転送"など
俺には結構厳しめ設定で試した所で一度きりしか試せないものばかり
今日も今日とて寝起きからの異世界へ行くための方法探しに勤しむ俺様!
「やっぱり、死ぬしか方法は乗ってないよなぁー。 寝て起きたら異世界だったとかなった試しがねぇし、
寝て起きても広がるのは俺の脱ぎ捨てた服やゴミと蔑んでみる猫位だし……はぁ……」
ため息の中スクロールしまくる俺
すると一つ死なずとも試せそうな項目を発見した!
『合わせ鏡で異世界への扉が開く・・・時間関係なく合わせ鏡に自分を映すことにより異世界の扉が開かれ、
誰でも簡単に行くことが出来るらしいにゃ!』
「これなら……俺でも異世界行けるんじゃね?」
ものすごく胡散臭さが漂うし、最後のニャの部分が嘘さを倍増している……
しかし、死ななくていける方法があった事だけで有頂天に達しはしゃぐ数日で30になる俺
これは試さなくてはなるまい!
俺が魔法使いになる唯一の方法だ!これで俺は唯一無二の最強の勇者で魔法使いになれるのだ!
「ちょっと待てよ?俺が魔法使いなら盾となるガーディアンかファイターが必要だよな……」
異世界に行ったとしてエルフたんは蘇生や癒しの僧侶担当となると俺の命を守るものが必要なのに気がついたがみじかにいるだろうか……
ハッ!いるじゃん!(物凄いゲスい顔)ククククク……
この家にいる今最強に物理的に強い生物……
そう!姉だ!
奴は若い頃のやんちゃのおかげで婚期は遅れているが無駄に強いではないか!
しかし、リア充な姉にいきなりこの話をした所で一緒に行ってくれる保証はない……
どうしたものか……
パソコンの画面を見直しながらよく読んでみると
写したものが行けるとなっていた
これなら行ける!
確か、姉の部屋にはドレッサーがあったはず
そういや今日デートに行くって言ってたよな……
まだ行くまでに時間はあるから今頃メイクに勤しんでるはず……
今しかない!!!俺の夢への犠牲にするには今しかないんだ!
思い立ったが吉日!合わせ鏡となる鏡を探してみたが俺の部屋に鏡はない……
どうするべきか……刻一刻と時間は迫っている!!!
そうだ!!!おふくろの部屋!
もうひきこもりとかは関係なかった
異世界に行けるしかなかった俺は部屋を飛び出し
おふくろの部屋をがむしゃらに探しやっと鏡を見つけたが
小さい手鏡一つしか見つけれなかった。
「これじゃ……俺しか映らねぇな……姉を巻き込むならもう少し大きくないと……どこかに大きくて使い勝手のいいもの………………あっ!あるじゃねぇか!」
あら捜しして汚したままのおふくろの部屋を飛び出し
玄関にあった姉達用の姿見を背中に背負い姉の部屋へと駆け上がった!
確か姉の部屋はドアを開けるとすぐにはドレッサーがあるから
ドアを開けた時に姉がメイクしていれば
そのまま異世界へ連れていける……
一か八かだがやって見なければ!
俺は異世界で神になるんや!(もはや目的がおかしくなっている)
ガチャ!
ドアを開けると案の定姉はドレッサーに向かいメイクの最中であった。
いきなりドアを開けられ、アホな格好で現れた弟と鏡越しに目が合った瞬間
ピカッ!!!!!!
眩い光に包まれ、気がつくと虹色の光の中を下へと落ちていた。
「行くぞぉーーー!異世界!!!待ってろ俺の異世かぁーーーーい!!!!!!」
「どうなってんのぉーーーー!!!何したんだよテメェぇーーーー!!!!!!」
気がつくと、そこは先程弟が下克上をしたの姉の部屋のままだった。
俺は異世界へ行けたと思っていたがそこはそのまま姉の部屋だった
嘘だった掲示板の内容に絶望した俺はその場にうずくまり
「嘘だ!嘘だぁぁーーーー!!!」
と叫んでいた。
すると
ドガッ!
「いでぇぇー!!!」
鈍い様で鋭い痛みが尻に響く
「おい!てめぇ何したかわかってんだろうな!勝手に部屋に入った挙句何のつもりだ?
随分手の込んだことしてんな? あ"ぁ???覚悟はできてんだろぅなぁーー???」
大変ご立腹である……
これは……俺の命終了のお知らせが頭を高速で横切りまくる
「じょじょ……ジョークですよ!ほほほほほほら!俺ヒキコモリから脱出できたやん?姉様のおかげですよぉー」(震え声)
ここは穏便にことを進めなくては俺が危ない!
まだエルフたんとのランデブーすら終えていないのにここはこの強ボスから生き延びねばならんのだ!
そしてもしもこの世界が異世界設定なら魔法が使えるはずなのだ!
ん?待てよ?
ここが異世界設定なら俺はこの暴君に勝てるのではないか?
試す価値はあるな!!!これで俺様最強伝説の屍になってもらおうではないか!!!
「ククククク……俺をよくもビビらしたな!この強ボスが!滅してくれる!! インペリオ!!!」
杖すら持たず人差し指をピンと立て
某ハ〇ー〇ッターの服従の呪文を大声で唱えてみた!
………………………………………………………………
「あ"ぁ???どうやら死にてぇらしいな!」
ドゴォッ!バゴォ!
「グハァッ!!!!!!…………ホイミ!ホイミ!ホイミ!ホイミ!」
鈍い痛みとともに床にに崩れ落ちた。
何故だ……ここは異世界じゃないのか!
ホイミの呪文すら効かないではないか……
痛い……痛いよぉー何なんだよこの暴君……
もはや女じゃねぇ……
半べそをかきながら居間に逃げ込むと
そこには現代ではいてはいけないやつがこたつにあたっていた。
「うう嘘だろ??!?なん…………なんでいんの??ここは異世界設定じゃ……」
『ズズズ……ふぅ なぁーに変なごど言ってんだぁおめぇは異世界ってなんだべが?』
あまりの光景に真っ白になっていると
まだ切れ気味に収まらない怒りを抱えたままの姉が降りてきた。
「たくっ 引きこもってて頭おかしくなったんじゃないの?これからデートがあんのに
お前と関わってたら頭おかしくなるわ!」
とプリプリ怒りつつこたつにあたり始めた姉は
おもむろに先程いてはいけない奴が飲んでいたお茶を見つけ飲みはじめた
「おっ!入れてくれたの?ありがとう!…………ゴクゴク……ぬっるっ!冷めてんじゃねぇか!」
普段なら俺は真先に
騙されただろうーバーカ!!!と言って逃げるが
流石にあの後継を目にした後のこれでちょっと吐きそうになった。
って!!!そんなことを言っている場合ではない!
なぜそこにいるんだよ!異世界どこいったんだよ!
俺の理想郷を返せよ!俺まだ死にたくなかったよ!
頭の中はぐちゃぐちゃで思考が巡らない
とりあえず話しかけるしかない……
意を決して話しかけてみた
「えっと……おばあちゃん?なんでここにいるの?」
「あ"ぁ?誰がババァだって?」
「姉ちゃんじゃねぇよ!」
『ん?なしてこごさいるってが?そりゃこごは天国さ一番近い世界だものいるべさぁ
あっちの言葉だば霊界とか言うんだべがな?』
もはや思考が追いつかない
俺の異世界がこのババ……おばあちゃんのせいで灰となって消えていく
さようなら異世界こんにちは霊界(泣)
「霊界とか無いわぁ……俺の異世界返せし……」
一人打ちひしがれいじけていた。
「何1人でブツブツ何も無い所に話しかけて落ち込んでんの?キモいんだけど」
何この姉追い討ちかけてきてんですけどぉーまじ辛いわぁー
あっそう言えばそうか
実は俺は昔から見える方の人で現代世界だと見えるだけで触れず話せず見れるのみである
しかし、こっちではどうやら見れる他に話せるらしいそして触れるのか試したところ
するっとすり抜けていった。
増えたスキルは一つとか泣くわ!
あっそして……聞きたくはないと思いますが(棒読み)
姉はと言うと見えない話せないくせに触れる……
(そう!このスキルと元ヤンというステータスがあった為異世界ではガーディアンに最適だと判断したのだ)
どうやら霊界と言うのこの世界でも見えないし話せないらしい
(けっ!ざまぁ(笑)こっち来てもスキル発動してねぇククク……)
だがやはり触れるスキルは健在でさっきからおばぁが殴られていた
『いだだだだい!!!いでぇでば!!!』
「……?……??……(なんか感触が……?)」
(無意識って怖い……)
おっと!グダグダ話してる場合じゃねぇ
俺はこれからどうすればいいんだ?
異世界へのキップを手にしたはずなのに
違う!思ったのとぜんぜん違う!!!
早く異世界への扉を探さなければ!!!
(まだ探す気ですよこの子……)
とりあえずおばぁに詳しく聞かねばあるまい!!!




