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チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。 作者:森田季節

獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

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52話 主従逆転

 その日、起きてくると、リヴィングにものすごく大きな犬がいた。

「うわ! なんだ!?」

「旦那、私だ、私」

「あ、そうか、レナか……」

 レナはミーシャと比べるとめったに獣の姿にならないので、その形状を見ると、びくっとする。

「たまにはこっちの姿にもなろうって思ってさ。ライカンスロープはあんまりオオカミの姿から離れすぎていると変身しづらくなるし」

「そっか、ライカンスロープの本体は獣人ぽいほうなんだな」

 その点、猫が本体のミーシャのちょうど逆だ。

 ミーシャは家だとけっこう猫の姿になっているが、あれは獣人の姿が多少は疲れるからだろう。

「久しぶりにこの姿で街を出歩きたいな」

「ダメだ。かわいいペットのワンちゃんってレベルじゃないからな」

 レナはあくまでオオカミなのだ。

 こんなのが街を闊歩したら怖がられる。

「話はお聞きしておりました」

 そこにヴェラドンナがいきなりやってきた。

「うわっ! 気配なく現れるのやめてくれ! これもびっくりするから!」

「申し訳ありません。暗殺者をしていた関係でついつい気配を消してしまうのです」

 そんなスキルを日常生活に取り入れないでほしい。

「この私がペットのオオカミと散歩しているという設定にしてはいかがでしょうか? それなら怖がられることもないかと思います」

「なるほどな。それならいいけど……別の部分でいいのか?」

「別の部分と言いますと?」

 ヴェラドンナは無表情が基本なのでとぼけているのか、素でわかってないのか判断に困る。

「ほら、お前が仕えていた家の娘を犬にして歩かせてるわけだろ……」

 主従関係的にそういうことってアリなのだろうか。

「私は気にしないぜ。獣になっている時は獣として振る舞えっていうのがライカンスロープの価値観だしな」

「――ということです」

 まあ、同意が取れているなら、いいか。

 そこにミーシャが猫の姿でやってきた。

「今日の昼食、私の当番なのよね。買い物に行くつもりだったんだけど、よかったら犬の散歩も一緒にやらない?」

 こうして、全員揃って散歩することになった。

 ただし、けっこう特殊な散歩だ。

 ヴェラドンナがオオカミのレナの首に首輪をつけてヒモを引っ張っている。

 さらにそのレナの背中に黒猫姿のミーシャが乗っている。

 俺はその後ろをついていく。

 散歩開始直後から、
「うわあ、大きな犬だ!」
「猫も乗ってるわ! かわいい!」
 とたくさん声をかけられた。

 たしかにキャット・オン・ザ・ドッグは絵になる光景だよな。

 そのまま市場に行って、野菜やソーセージ、ハムなどを購入する。

 これで昼食の用意は問題ないだろう。

 犬の姿だから何もしゃべらないが、なかなかレナも楽しそうだ。

「レナ、上機嫌か?」

 こくこくとレナは頭を振った。

 やっぱり楽しいんだな。

 人間にはわからん気持ちだけど、まあ、オオカミの気持ちがわからないのは当たり前化。

「たまには、こういうのもいいかもね。犬の上というのは新鮮だわ」

 ミーシャはどうせ聞いてないだろうと思うと平気で声に出す。

「あんまり、しゃべるな。ややこしい……」

「いいじゃない。獣人が変化魔法で猫になったことにすればいいんだし」

 ――と、レナの足がいきなりぴたりと止まった?

 ヴェラドンナがゆるくヒモを引っ張っても全然動こうとしない。

「お嬢様、いかがいたしました?」

 獣の姿にお嬢様と言うのって、けっこうシュールだな。

 レナはしゃべろうとしないらしいので、俺がかがんで耳を近づける。

 これでしゃべっても大丈夫だろう。

「ト、トイレに行きたいんですが……」

「ああ、そのへんの草むらにでもシャーってしとけばいいんじゃないか」

「でっ、できるわけない! こっちは人間の女なんですぜ!」

「そ、そうか、すまん……」

 オオカミ基準の価値観と人間基準の価値観が混在していて難しい。

「じゃ、そのあたりで人の姿に戻ればいいんじゃないか?」

「ダメよ、レナは魔法じゃなくて種族の能力で変身してるから今、人間になったら素っ裸よ」

 背中に乗ってるミーシャが言った。

「じゃあ、人間になるというのも無理か……」

 対応策を考える。

「あっ、そのまま屋敷までひとっ走りしてくれば、オオカミならすぐなんじゃ?」

「こんなオオカミが街を走ったら騒動になるかもしれないぜ……」

 なかなか難しいな……。

「お嬢様、いい手があります」

 ヴェラドンナはそう言うと、レナの上にまたがった。

「こうやって上に乗りますから。このまま屋敷まで走ってください」

「なるほどな……わかったぜ!」

 そして、俺だけを残して一行は屋敷を目指して消えていった。

 俺はツッコミを入れるタイミングを逃したことに気づいた。

「仕える側がお嬢様の上に乗っていいのか……?」

 見事に主従が逆になった一日だと思った。

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