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31話 武術大会1

 地下26層――かつてゴールドスライムを狩った階よりさら深い階だ。


 この階で俺はビッグアイの目玉に剣を突きつけて、これを倒した。


=====

ケイジ

Lv23

職 業:戦士

体 力:209

魔 力: 96

攻撃力:178

防御力:180

素早さ:158

知 力:122

技 能:刺突・なぎ払い・兜割り・力溜め・二刀流・鑑定(剣)

その他:猫の考えがある程度わかる、猫の嫁。

=====


「けっこう、戦士の生活も板についてきたかな」

 レベルアップして、俺はひと息ついた。そのへんに腰を降ろす。


「おめでとう」

 ぱちぱちとミーシャが拍手を送った。


「はっきり言って、ご主人様は相当な実力者になってきたわ。ギルドでの成績もBランクぐらいは確実だと思う」

「とはいえ、依頼を受けないとランクも上がらないけどな」

 まだ、俺はDランクのままだ。ギルドよりもダンジョン攻略のレベル上げをメインにしてたから当たり前だが。


「そろそろほかの冒険者たちにご主人様の強さを見せつけておくべき時じゃないかしら」

 ミーシャが俺を褒めてくれるのはうれしいが、たまに褒めすぎじゃないかと思う時もある。


「強さって言っても、知れてるだろ。Lv30超えでAランク以上の化け物みたいな奴も王都にならいるだろ? かなり強くなってるとは思うけど、チートってほどじゃない」

 チートなのはあくまでもミーシャだ。

 俺も冒険者としては一人前のステータスだとは思うが、あくまでも一冒険者としてだ。このまま、レベル上げをやっていけば話も変わってくるかもしれないが。


「それがね、ちょうどいい大会があるのよ。あとでギルドに寄りましょ」


 そして、ギルドでその張り紙を見た。


<冒険者武術大会>

 トーナメント方式の、木製武器を使っての大会

 参加資格:Bランクまでのギルド登録冒険者

 優勝賞金:50万ゲイン

 優秀者にはギルドランクの上昇もアリ


「こんなのがあったんだな」

「これ、大会を面白くするためにAランク以上の冒険者は出られないの。だから、これでいい成績を出せば、Bランクぐらいまでご主人様もいけるってわけよ」

 そこで、ミーシャは張り紙のAというところに手を置いた。

「もちろん、ご主人様にとったらこんなの通過地点だけどね。そのうち、私と同じぐらい強くなってもらうわよ」


 まあ、さすがにその程度のやる気は俺にもある。

「で、これに出場して、まずは新進気鋭の冒険者だと思わせろってことだな?」

「そういうこと」


「お前が出場するって手もあるぞ」

 ミーシャは猫パンチで冒険者パーティーを打ちのめした時にCランクにされている。

 敵にBランクが二人いたのだから、絶対にBランク以上の実力があるはずだが、ギルドでの実績がまったくなかったので留め置かれたのだ。


「あまり目立ちすぎるのもよくないし、ご主人様が偉くなるほうがうれしいわ」


 こうして俺は武術大会に出場することになった。


 ルールはこんな感じ。


・武器の使用は木製なら自由。

 これは死傷者を減らすためだろう。

・魔法の使用は禁止。

 たしかに眠りを誘う魔法を使える奴が毎回相手を眠らせてたら、勝負にならないからな。

・5分で勝負がつかなかったら、3人の審判による多数決で決める。

 剣士同士だとなかなか決着つかないこともありそうだからな。それに木の剣じゃ致命傷にならないから我慢さえできれば続けられるかもしれない。


 32人のトーナメントだから、なかなかの規模だ。

 さすが王都という感じがする。

 どうやらギルド公認でどちらが勝つかの賭けも行われているらしくて、会場周辺は観客で盛り上がっている。


 一回戦の3戦目になって俺は出てきた。武器は木製の丈夫そうな剣を武具屋で買ってきた。

 木製武器は僧侶などが刃物のついた武器を戒律の関係で使えないので、利用したりする。そのため、ある程度の種類はある。

 敵のほうは剣を持ってないから格闘家らしい。


 気絶させることを考えるとしたら、頭を狙うのがいいのかな。

 剣をぎゅっと握る。


 まず敵が声を荒げて突っこんでくる。


 はっきり言って遅い。


 これならモンスターたちのほうがよっぽど速い。


 そうか、それなりに地下深い階層で俺はモンスターとやりあってたんだ。

 もちろん、回復も万能なミーシャとともにいるから潜れてたんだけど。


 ああ、俺、知らないうちにそこそこ強くなってるんだな。


 ドガッ!


 俺は容赦なく、脳天に一撃を喰らわせた。


 脳震盪を起こしたのか、男がふらついて膝をつく。

 審判が試合終了を宣言する。倒れた男にはすぐに救護班の魔導士が回復の魔法をかけて、傷を癒す。魔法って便利なシステムだ。


 歓声が上がる。

 一回戦は無事に俺が勝った。


 ミーシャが前方の観客席で、「そう、その調子よ」という顔で見ている。


 あれ、そういえば、レナが来てないな。

 どうせなら応援してほしかったんだけど、家事が忙しかったのかもしれない。


「これでベスト16か」

 Lv20を超えてるような冒険者はたくさんいるわけではないから、くじ運が悪くない限りはもう一つや二つは勝てるんじゃないか。

 どうせなら優勝したいな。

しばらく武術大会編をやります。次回は夜11時頃の更新予定です。

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