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26話 レナとの留守番

今回はミーシャが修行?中なので、レナと留守番です。

 ミーシャが修行に行ってしまったので、当然レナとの二人きりの生活になった。


 といっても、とくに何かが変わるわけではない。

「じゃあ、旦那、今から二階の掃除に行ってきます!」

 威勢のいい声を出して、レナは階段を上っていく。

 あいつ、言葉遣い以外はメイドとして、すごく優秀なんだよな。


 まず、こっちが何か言う前から掃除も料理もぱぱぱっとやる。

 しかも、そのクオリティも高い。

 あと、主人の言葉にも従順だ。

 最後に、これはとくに関係ないけど――

 犬耳のメイドというのは、すごくしっくり来る。


 一方で、レナのほうにもおそらくメリットがある。

 レナは犯罪者だったわけだし、元アジトの近くに潜伏するわけにもいかない。

 その点、メイドということで住み込みで働けば、身バレのリスクは減る。

 現状、メイドが板についているし、言葉遣いのほかには盗賊団ぽさもないだろう。


 レナがここに来ることになったのは偶発的なことだが、これはすごくありがたい出会いだったのかもしれない。

 これで、ミーシャがもうちょっと自発的にいろいろやる性格になってくれるなら万々歳だ。

 料理の腕が上がるようなことまでは望まない。それは望みすぎだ。


「姉御ってひたむきな性格ですね」

 夕食中、レナが言った。


 今日はハムや卵、サラダなどをはさんだサンドウィッチだ。

 これもシンプルなのに美味い。

 高い喫茶店の味がする。


「たしかにミーシャは一生懸命だな。その代わり、興味ないことは本当に興味ないけど」

 よくよく考えてみると、これも猫的な性格の現れなのだろうか。


「どうも私は姉御に避けられてる気がするんですよね。私が姉御と旦那の仲を裂くようなことするわけないんですけど」

 困った顔でレナが言った。

「お前、本当にいい奴だよな」

 むしろ、いい奴すぎるから、ミーシャも怖くなったのではないだろうか。


 でも、ミーシャが一人で修行に出たということは、俺とレナがいても間違いは起こらないだろうということは、あいつも無意識にわかっていたのだと思う。

 レナは浮気みたいなことをする性格じゃない。

 俺もミーシャのほかに恋愛感情を抱くようなことがあるとは考えられない。

 だからこそ、ミーシャも焦る必要はないんだけど、まあ、掃除をたまに手伝おうとするぐらいの変化があれば御の字だ。


 だが、偶発的に間違いが起こりかけた。


 その日、俺は風呂に入っていた。

 ミーシャが入ることがないので、いつもよりゆっくりとつかっていようと思った。


「旦那、お背中流します!」

 そこにレナがエプロン姿で入ってきた。

 レナの登場を予想してなかったので、俺は湯船に首あたりまでつかった。

 こっちも裸だから気をつかう。

「いや、いいよ、それぐらい自分でやる――あれ、なんか……その服、変じゃないか……」


 何かが足りない気がするのだ。

 エプロンにしては肌色成分が高いような……。

「ああ、裸で入るわけにもいかないんで、裸の上からエプロンつけてきました。エプロンなら、料理中によくぬれるものですし、乾くのも早いでしょう」

「それ、一番ダメなやつ!!!」

 つまり、裸エプロンで入ってきたのかよ!


 俺は最悪の事態を想像した。

 もし、ミーシャが初日で音を上げて、今帰ってきたら、レナが殺されるかもしれん。

 俺も殺されるかもしれんな……。

 ちょっと偶然にしてはできすぎてるもんな……。


「レナ、至急風呂から出ろ! あと、その格好がダメだということをあとで説明する……」

「あれ、隠すところは隠せてると思ってたんですが」

 レナがちょっと確認するみたいに横を向く。

 横乳が視界に入った。

 まずい、まずい! これ、本当にまずい!


「話はあとでするから、いったん出ていってくれ!」

「わかりました。旦那には従いますんで」

 あっさりとレナは出ていったので、本当に素だったんだろう。

 誘惑するみたいな意図はなかったようだ。


 とはいえ、俺のほうは誘惑されてるようなものだ。

 これ、ずっとレナと二人で住んでいると変な感情が芽生えないとも言いきれんぞ……。

 よし、俺も対策をとろう。


 ――翌日。

 俺はレナにステータスを教えてもらった。


=====

レナ

Lv17

職 業:盗賊

体 力:144

魔 力:  0

攻撃力:152

防御力: 89

素早さ:204

知 力: 35

技 能:高速回避・かすめとり・武器奪取・カギ破り・聞き耳・声真似

その他:オオカミに姿を変えられる

=====


「盗賊団をやっていただけあって、なかなか強いな」

 だいたい、俺と同じぐらいか、俺よりちょっと強いかってあたりか。

「そう言われると照れるな……」

 レナが頭をかいた。


 俺は剣を用意する。

「レナ、今日から一緒にダンジョン探索だ。といっても、そんな深くまでは潜らない」

 ミーシャが頑張っている間、このままぼうっとしているわけにもいかないしな。

 あと、ダンジョンで戦ってれば、レナに恋心を抱くタイミングもないだろう。


 ミーシャが戻ってきたら、パーティでも開いてやるかな。

次回も夜11時頃の更新予定です。

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