196話 城の前の敵を一掃
この地底世界がどこまで続いてるかはよくわからないが、城のほうには一時間も歩けば着きそうだった。
あの城が中ボスの拠点だというオチだとがっくり来るけど、それにしては守ってる魔族の数が尋常じゃないから、その心配はないだろう。
「決して魔王様のところには行かせるな!」「ここは死守しろ!」
律儀にそんなことを言ってくれるので、ここがどういう場所か、はっきりとわかった。
「ご主人様、まずは私が相手を威圧しておくわ!」
ミーシャは容赦なく火炎を魔族の大軍に叩きつける。
その一撃でごっそりと多数の魔族が戦線離脱を余儀なくされた。周囲の奴もあからさまにひるんでいる。これで、ちっとも怖くないなんて奴はいないだろう。
敵が分散している隙にレナとヴェラドンナが攻撃に入る。これで各個撃破を狙う。
俺も、ステータスアップしたところを見せるべく、できるだけ一対一になるように戦う。
「先に言っとくけど、俺たちの目的は魔王を倒すことだからな! お前らを全滅させるつもりはないから、怖いならとっとと逃げ出せ!」
長らく魔族の攻撃はなかったわけだ。頭目の魔王がいなくなれば、また平穏になるだろう。
そんな言葉の直後にまたミーシャが竜巻を叩きつける。ミーシャがとんでもない力を持っていることはこれではっきりわかっただろう。少なくとも、とても前に出られない奴がそこそこ出てきている。
突っ込んでくる敵が減れば、こっちも楽になる。今のところ、順調に敵の数を減らしてるな。
俺のところに数体の魔族が襲ってきた時は、さっとミーシャがやってきてくれた。
「ご主人様に手を出さないでよ!」
必殺の猫パンチで敵をノックアウトする。二発も殴れば、このあたりの敵でももう致命傷になる威力だ。
「おい、化け物がいるぞ!」「魔法を使うしかないんじゃないか!」「それじゃ、とても止められん!」
なんで魔族に化け物扱いされてるんだって思うけど、どっちが化け物かというと、ミーシャのほうに違いないよな……。
ヴェラドンナは例の連続攻撃が可能になったおかげで、隙を突いて、あっさりと敵一体ぐらいなら倒せる。
レナも素早く、敵に傷をつけていく。おそらく毒でも含ませているんだろう。
どれだけ敵の数が多くても、こっちが有利だ。ミーシャがいる時点で俺たちは負けない!
やがて、とてもかなわいと思ったのか、逃げ出す連中が増えてきた。城の門へと続く道が見えてくる。
「背後から攻められても困るから、もう少し片付ける必要はあるわね」
そう言って、また火炎をミーシャはぶつける。
おおかた、敵のほうは片付いたと言っていいだろう。
密集していた魔族はもう閑散としている。これなら、連続攻撃を受けることもないので、回復役のミーシャがいる時点で負けはない。
ここで、敵を一気に倒したからレベルアップもあった。
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レナ
Lv31
職 業:盗賊
体 力:238
魔 力: 0
攻撃力:276
防御力:154
素早さ:377
知 力: 72
技 能:高速回避・かすめとり(高度)・武器奪取・カギ破り(高度)・聞き耳・声真似・気配察知・剣の舞・荒事の才
その他:オオカミに姿を変えられる・超長命
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「旦那、レベルアップしました! 技能も一つ増えました!」
荒事の才って何だろうと思ったが、三体ぐらいの敵と戦っても、まるで格闘家のように次々と敵をいなして片付けていった。
なるほどな、盗賊を突き詰めると、武道みたいなものになるんだな。
それとヴェラドンナもレベルが上がった。
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ヴェラドンナ
Lv28
職 業:暗殺者
体 力:200
魔 力:126
攻撃力:200
防御力:180
素早さ:224
知 力:195
技 能:急所突き・忍び足・隠密・二刀流(短剣)・背後攻撃・急速覚醒・拷問・自白強要・変装・連続攻撃
その他:キツネの獣人・使用人・冒険者・超長命
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「ちょうど体力と攻撃力が大台に乗りましたね」
ヴェラドンナも少しうれしそうだ。
連続攻撃が可能であることを考えると、敵にとったらものすごく脅威だろうな。
これは十二分に魔王に立ち向かえるパーティーになってきた気がする。
「私抜きでももしかしたら魔王に勝てるんじゃない?」
ミーシャもみんなが強くなって楽しそうだ。
「でも、ミーシャのいない冒険なんて考えられないから、ずっといてくれ」
ちょっと、ノロケみたいな言葉になったかな。
「言われるまでもないわ、ご主人様。ご主人様がいるところに私もいるの」
よし、城の周辺の敵はこれで大丈夫だろうし、ついに城に入っていくか。
気分が高揚しているのがわかる。ついにここまで来たんだな。しっかり、Sランク冒険者らしく活躍してやるぞ。
ミーシャが城の門をまた高熱の炎で溶かした。
さあ、入城だ!




