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チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。  作者: 森田季節
獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

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171話  沼を行く

 俺たちは舟をその毒々しい沼に浮かべた。


「よし、いきなり穴が空いてて水没ってことはないな」

 仮に欠陥が見つかっても、もう一度、ドライアドの森に戻ることで修理はできるので、致命的なことにはならないけど。


「ちなみに、舟を漕いだことあるのは?」


 ヴェラドンナだけが手を挙げた。


「ミーシャは猫だったからしょうがないとして、レナもないのか」

「私は自分で泳ぎますからね」

 そういう問題なんだろうか。でも、レナならそんな道具使わないというのもわからなくはなかった。


「子供時代は危ないから漕いではダメと言われ、盗賊時代は舟なんて場所とるものは使わないんで」

「なるほど。言われてみればそうか」

 公園の池でボート漕ぐって発想が日本的というか、現代的か。


 比較的経験のある俺から舟に乗りこむ。いわゆる、公園にあるボートなのだが、あれよりもうちょっと大きい。四人で乗るし、荷物もけっこう重いので。


「ねえ、もしかしてこれって私は猫になったほうがいい案件?」

 ミーシャが乗りこむ前に尋ねてきた。

「そういえば、そうだな。けど、人の姿でせっかくだから楽しんだほうがいいのかな。お前に任せる」

「じゃあ、まずは猫からスタートするわ」


 ミーシャが舟にぴょんと飛び乗る。


「わっ! 地面が揺れる! なんだかすごく不思議な感じだわ……」

 ミーシャは舟の上であたふたしていた。

「そういうものだ。実際に動き出したら、そこまで気にならなくなる」


 続いてレナとヴェラドンナが乗って、いざ出発ということになった。


 漕ぎ手は俺とヴェラドンナだ。料理当番みたいに継続的にやるものでもないし、慣れている奴がやればいい。


「くれぐれも落ちて溺れるなんてことはないようにしろよ。どんなにレベル上げても落ちたら死ぬからな……?」

「わかってますよ。私も地面のあるところで死にたいんでね」

「お嬢様に同意します」


 ヴェラドンナは泳げるかどうか確認してないが、多分泳げないだろう。

 ちなみにミーシャは――

「沼に落ちるなんて演技でもないわ。何があろうと落ちないからね!」

 そう固く決意しているようだった。


 舟はゆっくりと沼の中を進んでいく。海みたいに潮流はないので、変な方向に流されるということもない。どんどん対岸を目指して進んでいけばいい。


 しばらく進むと、敵が姿を見せはじめた。

 鳥型の魔物が空を飛んでいる。

 どう考えても獲物は俺たちだろう。普段は何を食べてるんだと思うぐらいに、大柄な体をしている。


「ここが地面の上なら跳びかかるんだけど」

 ミーシャが無念そうに言う。


「しょうがない。降りてきたところをカウンターで狙うしかないな」

 こちらには弓矢のようなものはないから、飛んでる最中に対処の方法がない。


「まあ、こっちが注意してれば、そうそう襲ってはこれないだろ。向こうにも飛び道具はないだろうし」

 けど、じっくり待つ気のない人間がいた。


 ひゅんとナイフが飛んで、鳥型の魔物にぐさっと刺さった。

 そのナイフにはヒモがついている。鳥型の魔物はそのままふらふら沼に落ちていった。

 今度はその鳥型の魔物を得体の知れない魔物が沼からむしゃむしゃ食っていった。苛酷な生存競争だ。


 そのナイフを引っ張って、持ち主はすでに回収している。

 それをやったのはヴェラドンナだった。


「これなら飛び道具として使えるかなと思いまして。連投はできないので問題は多いんですがね」

「いや、すぐにそういう機転が利くのはすごいな」


「あと、沼のほうも敵がいるようですね。沼に住むということで、多分レイスの類だと思いますが」

 レイスというのは主に澱んだ沼や池に住み着いている連中だ。ホラー映画にでも出てきそうな醜悪な姿をしているので、あまり好きな相手じゃない。


 ――と、舟に何者かの手がかかる。

 ぬめぬめした緑色の人間のような手だった。


 すぐにミーシャがその手をぱちんと猫パンチではじいた。


「うえぇ……なんかばっちいわね……。触りたくないわ……」

「じゃあ、人になって、刃物でも使え。ていうか、剣だとデカすぎるし、ナイフ推奨だな」


 剣をぶんぶん振り回したら、仲間に当たってしまう。


「そうみたいね。落ちるリスクが高くなりそうだけど……そこは気をつけるわ」

 ミーシャが人に姿を変える。


 ただ、俺は肝心なことを忘れていた。


「この舟、誰が漕ぐんだ……?」

 漕がないと、ぷかぷか沼の真ん中に漂っているだけということになる。そして、敵の襲撃がいつ終わるのか、沼の上じゃさっぱりわからない。


 で、ヴェラドンナももうオールはとっくに手放してナイフを投げて鳥型の敵と戦う状態に入っている。

 レナは漕いだことないって言ってるし。


「わかった。俺が一人で漕ぐ! みんなは敵を頼む!」

 一人で動かすのってなかなか大変だが、能力的には一般人を凌駕する筋力があるはず。ここはどうにかやる!


 さっきの倍ぐらいの力を入れて、オールに手をかける。


「わっ! 舟が揺れるわ……」

 レナがふらつく。

 それで舟がさらにふらつく。


 沈みませんように……。


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