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チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。 作者:森田季節

獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

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159話 複雑な洞窟

 ミーシャは翌日、早速、飛行の魔導書を買いに行った――りはせずに、また図書館に行った。

 よく考えれば、Sランク冒険者の俺たちが「魔導書のいいのがほしい」と言えば、王国は用意してくれるに決まっているのだ。だいたい目的が魔王を倒すことなんだから、協力してくれないわけがない。

 別にお金をケチっているわけじゃないが、売り物の魔導書よりは良質のものがあると考えられるし、発想としては大正解と言えた。

 しかし、意外なところで問題が生じた。

「なによ、これ。飛行時間が短すぎるわ! こんなんじゃ、渡りきる前に落ちちゃうじゃない!」

 ミーシャが家で珍しく眉根を寄せて、不服そうな顔をしていた。

「ご主人様、しっかり本を読んでみたんだけど、話にならないわ。この世界の飛行魔法って、せいぜい戦闘中にふわふわ浮いたり少しの距離を移動したりすることのためのもので、三十分や一時間飛行を続けるものじゃないわ」

「それで谷を渡ったりするのは危ないってことか」

「そういうことになるわね。楽ができると思ったんだけど……」

 しゅんとミーシャの尻尾が垂れる。
 でも、冒険としてはそれぐらいのほうが面白いかもしれない。

「せっかくだし、深い谷の探検でもしようぜ。俺たちが最初の到達者になるかもしれない」

 ミーシャの目もぱっと輝きを取り戻した。やっぱりミーシャはいつも不遜なぐらい笑っているほうがいい。

「ご主人様、素晴らしいわ! そうよ、この世界をとことん攻略してやるわ!」

 ミーシャの機嫌もなおったところで、残り二つの王国領内の魔族の拠点を攻略する準備をすることにした。パーティー揃って、食事の後に、作戦会議に移る。食器の代わりに地図を広げた。

「どうやら、どちらも洞窟に当たるもののようですね。冒険者ギルドも攻略の依頼は出していたようですが、そう深くまで調査もできてないらしいです。いずれも地方にあるので、冒険者の質も低かったんでしょう」

 ヴェラドンナが自然と司会進行役になる。

「じゃあ、とっとと攻略してやりましょう。洞窟といえば、私とご主人様の原点と言ってもいいもの」
「ああ、金をためこんでるスライムに殺されかけたりもしたよな」

 あの頃はそれなりに命懸けの戦いが多かった。緊張感だけなら当時のほうが強いだろう。わざわざ危ない橋なんて渡りたくもないけど。

「私は異論ないですぜ。新しいお宝が眠っているかもしれないし、洞窟の攻略はとことんやりたいですね」
「レナは盗賊としてはほぼ上がったようなものなんじゃないのか?」

 王国最高の手柄をたたき出してると思うけど。

「それでも、まだ手の入ってないところがあるなら、そこは見てみたいのが人情ってもんですよ」
「そうだな。じゃあ、調べ尽くしてやろうぜ」

 まずは王国東部の山岳地帯にあるチッタハ洞窟に向かうことにした。
 峠道を何度か越えないといけないところにあり、冒険者の需要がないのもしょうがないと思った。俺たちはいいけど、旅費ももったいないし、効率よく稼ぐなら、王都近辺のおうがはるかにいい。

 四日後、チッタハの村にたどりついた。
 こちらの素性を明かすと、壮年のギルド職員にものすごく驚かれた。

「な、なんでまたこんな田舎にSランク冒険者の方々が……」

「チッタハ洞窟に行きたくて来たんです。情報をいただけませんか?」

「情報といっても、ほとんどないというのが実情でして……攻略できているのはわずか地下九階までなんです」

「それは、本当に少ないですね」
 俺たちは唖然としてしまった。九階なんて王都近辺の洞窟でなら、異世界から転生してきた人間が初回から攻略してしまう深さだ。

「どうも、王都よりは敵も強いらしいですね。三階からすでにゴーレムが出てくると言いますし」
「ああ、なるほど」

 それでは未熟な冒険者が腕を磨くことができない。その前に敵に殺されてしまう。

「村の人口規模が小さいこともあり、ほとんど忘れられてしまっていますね。どれぐらいの深さまであるのかも謎なんです」

「私たちに任せて。あっという間に攻略してみせるわ」
 ミーシャの自信いっぱいの表情はこれまでの実績に裏打ちされている。

「あと、実は、洞窟は非常に複雑でして……そのせいで攻略も進んでいない面はあるんです……」
「複雑? 迷路みたいになってるってことかしら?」

 ギルド職員は小さく首を横に振る。

「おそらく、現物を見ていただくのが早いかと思います。過去に何度か王国に本格的な調査をお願いしたのですが、緊急性に乏しいということで却下されてしまいました」

 そう言われた以上、行かないわけにもいかない。俺たちはすぐにチッタハ洞窟のある岩壁の露出したところに向かった。

 俺たちはその光景に呆然としてしまった。

「こりゃ、調査も進まないわけだ」
「旦那、これを一つの洞窟と言うのは無理がありますよ。チッタハにあるいろんな洞窟とでも言うしかないです」

 なんと、その洞窟は無数の入口がいたるところで穴を開けているのだ。

 これまで見たダンジョンは入口は一箇所というのが基本だった。これは視界に入るだけでも、岩壁のいろんなところに十箇所以上の穴がある。

 きっと、これが中でつながってたり、意外と奥までつながってなかったりするんだろうな……。

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