表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。  作者: 森田季節
獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/205

136話 城の攻略(2)

「さて、どんなことになってるのかしら――わっ! これはすごいわ!」

 最初に入ったミーシャが声を上げた。


 俺たちもすぐにそのあとに続いた。

 その言葉の意味がすぐにわかった。


 その内部に足を踏み入れた瞬間、景色が激変した。

 建物の中のはずなのに、空が広がっていて、建造物まで並んで、一つの町みたいになっているのだ。

「なんだよ、これ……。すごいことはわかるけど、意味がわからない……」


「おそらく、とてつもなく上等な魔法でしょうね。これだけの土地を制圧すると目立つから、古城の空間をゆがめたんでしょう」

 ミーシャは初めて見る光景なのに割合に落ち着いていた。

 ちなみに一番びっくりしていたのはレナで、中を「すげー、すげー!」と走り回っていた。


「だとしたら、相当強力な奴がボスってことだよな」

「どうかしら? 空間に関する魔法は王国だと伝わってないに等しいけど、王都のダンジョンの地下でも似たようなものがあったし、案外、難しくないのかもしれないわよ」


 ミーシャなら、すべてがほどほどに見えるということだろう。


 だが、そんなに呑気にしているわけにもいかなくなった。


 建物のドアが開いて、次々にモンスターが出てくる。

 多くは、二足歩行で服を着た獣みたいな奴らだった。角の形状的に過去に戦ったオーガの仲間だろうか。


「なるほどね。駐屯基地ってところね。じゃあ、まずは私が戦ってお手並み拝見といこうかしら」

 ミーシャは敵の群れに突っ込んでいく。

 そして、ぐるぐる右腕をまわして、パンチを決めた。


 一撃でオーガが倒れた。それを防げるような奴はまずいないよな。


「ご主人様たちも戦ってみて。とくにヴェラドンナはレベルも上げたほうがいいから」

 ミーシャの言葉に合わせて、後ろの俺たちも向かう。


 まずは棍棒で殴りつけてくる敵の攻撃を剣で受ける。

「ああ、これぐらいか。レベル20相当ってところかな」


 そう、危険というほどのことはない。レナも俺の横でほかの敵にナイフで斬りつけていた。


「よし、ヴェラドンナでも気をつければ倒せる。やってくれ!」


「わかりました。せっかくですし、違う武器も試してみましょうか」

 ヴェラドンナが取り出したのは、尖ったきりのような武器だった。それを両手に握っている。


「『暗殺者の針』と呼ばれる物です。ナイフよりも致命傷を早く与えやすいですので」

「お前、もしかして、暗殺七つ道具的なものを持ってたりするのか?」

 いまだにヴェラドンナのことだとわからないことが多い。


「七つでは少ないですね。もっといろいろと使います。ただ、たんなる戦闘でならそんなにヴァリエーションは必要ないんですが」

 やっぱり、こいつもすごい人材なんだなとあらためて思った。


 次の瞬間には、その針と呼ぶには鋭く大きな武器がオーガの心臓に突き刺さっていた。

 オーガは一撃で絶命する。さらにすぐ隣のオーガにもそれが刺さる。


「二刀流用の槍って感じね。あの子、なかなか面白いことをするじゃない」

 ミーシャはよそ見をする余裕も当然のようにある。

「乱戦だとよさそうだな。どんどん刺していけるし」


 ヴェラドンナの活躍もあり、軽く五十体ほどのモンスターを倒すことができた。残りの連中は危機を感じたのか逃げていった。


「あっ、二つレベルが上がったようですね」

 そこでもヴェラドンナは軽い調子で言った。自分のことなんだからもうちょっと喜べよ。


=====

ヴェラドンナ

Lv25

職 業:暗殺者

体 力:174

魔 力:108

攻撃力:173

防御力:158

素早さ:190

知 力:168

技 能:急所突き・忍び足・隠密・二刀流(短剣)・背後攻撃・急速覚醒・拷問

その他:キツネの獣人・使用人・冒険者

=====


「拷問って技能が増えてるな……」

 職業が職業だから、かなりえげつない名前だ。


「本当ですね。敵を見つけて一度使ってみましょうか。でも、下級のモンスターは人の言葉を使わないから意味がないですか」

「ご主人様、ためしに使ってもらったら?」

 ミーシャが冗談を言った。

「絶対に嫌だ」


 ひと息ついたので、その城の中の町の様子を調べる。ためしにオーガが出てきた家を見てみると、ベッドとテーブルがあるぐらいだった。ほかの建物でもそうなので、外観と比べると中身はかなりシンプルらしい。


「本当にベースキャンプって感じだな。これなら人間も警戒しづらいし、ちょうどいいだろ」

「そうね。あと、ボスがいる場所もだいたいわかるからいいわ」


 あらためて進んでいくと、モンスターたちが引き抜いた木や壊れたテーブルを並べて、バリケードを作っていた。その奥にボスがいると言っているようなものだった。


 直接、戦うとなると、物理的障害物が多いから大変そうだが――

「よく燃えそうね」

 ミーシャがにやっと笑った。


 ああ、焼く気だな……。

 もう、ミーシャは敵に向けて、火炎の魔法を叩きつけていた。

 すぐにバリケードが燃え上がった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ