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1ー1

暖かい陽射しが存分に注ぐ所にそれはあった。

信号機の進めが緑色でも青信号と呼ばれるのは、緑もまた青の1つの色の種類だったからだとか何とか・・・。

そんなどうでも良いことを思い出すそれは青々とした苔色に染まる池・・・というか穴だった。

正確には窪地と言うべきなのかも知れないが、その光景に非常に満足して穴の傍に腰掛けて見つめる。


その苔色の池はうようよと波打ち水面が安定する事がなかった。よく見ればちらほらと水面から茎が生えて花が咲いている。

いや、そもそもがそこにあるのは水ではなかった。


小学校の授業やガチャポン、ゲームでも有名なソレはスライムの名で称される事が多い。

しかし、スライムもその特性や特徴、はては生態も知る人によって様々だ。

魔法生物として下水管を詰まらせて物理には強かったりする場合もあれば、最初の敵として有名な場合もある。

まぁ人の事はさておき私にとってスライムは・・・


名称:ナメリコケ

生態:葉緑素を持ち光合成を行う移動できる植物。成長の過程で少量の魔素を生み出し、魔素を体内に蓄える。魔素が充分になると花を咲かせ魔素を放出し分裂する。

備考:正直、何でも食べて吸収するような似た奴らと一緒にしないでくれ!むしろ食べられてしまう側だ!!


となる。いやスライムと称される中で積極的にイメージして作り出したとも言える。



話は少し前に遡る。

2度目になる外出。すなわち巣穴から出て真っ先に行ったのが現状確認だった。実際に景色を見つつ、出来る事を確かめたのだ。


すなわちダンジョンマスターちっくなのかどうかを。


・・・結論からもとい現状の私の「当たり前」からすると以下が確定している。


・1K部分を他者から守る事。

・現在地点を中心に5㎞✖5㎞が初期領土となる事。

・領土内であれば1K部分を移設出来る事。(ただし私が出入口を通れる手段を有している事。)

・領土の拡張や領土内を変化させる為には力を蓄える必要がある事。

・力は領土内の活動によって増減する事。

・領土外からの侵入は察知出来る事。


うん。ふわふわしてる。明確なリストや数値があれば解りやすいのだが・・・。「だが」と考えてしまった時点で続く言葉は「断る!だろう?」と世界に相槌を打たれてしまったのだ。少しずつ世界の常識が確定したものになってきているのだろう。


領土内の様子の察知を試みつつ

領土内で行使する第一歩をそろそろ行ってみようと肥沃な土の塊を引き換えにナメリコケを産み出したのだ。


・・・ちょっと土の量が多かったかなとは今は思う。



他のコケに阻まれて上手く光の当たらないもの達が穴から這い出て広がっていく。分裂・増殖にあわせるように領土内の何かが微々たる物だが増えているのは感じられる。


第一歩としては個人的には大変満足であった。



ナメリコケを眺める事で気付いた事がある。領土内の領民は積極的に巣穴を暴こうとはしないようだ。知性が高い者や侵入者がどうかは別としてナメリコケと動物クラスには問題ないようだ。

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