19
アカラギの首がとんだ。
私が最初にアカラギから銃をもらっていなかったらどうなっていたのだろう。
銃弾はもともと一発しか入ってなくて使うのがもったいなくて、怖くて使ってなかったのだ。
ハルトがふらふらとするとその場に倒れた。
「ハルトさん!!」
走ってその場にかけよる。
時間を確認するといつの間にか、終わりまで十分を切っていた。
「いてぇ…」
剣を抜くと傷をなおした。
「大丈夫ですか?」
「小指切られてないから大丈夫。」
「え?」
「俺の、弱点。」
「え?」
冷や汗が流れる。
「俺左手の小指切られたら死ぬの。それが俺の能力。」
なんで、今弱点を言うの?
「この傷治すのに十分くらい、動けない。」
「なんで………?」
「そんな悲しい顔するなよ、俺はお前の友達殺した人間だぞ?」
「いやだよ……だって…ハルトさん私を助けてくれたじゃないですか…」
涙が流れる。
なんだか泣いてばかりだ。
助けてくれた人には違いないのに、殺せと言うのだろうか。
「良いか、俺は最低三人は殺した罪人なんだ。」
「こんな殺人鬼は殺されたって誰も悲しまない。」
「俺は生き返らせたいのは一人なのに目の前にいる人間は何人も生き返らせたいんだ。」
「そして俺はその人の大切な人を殺した張本人だ、仇だ。」
「殺されるべき人間はここにいるはずだ。」
手に持ったナイフを見た。
「私は…私が悲しみます………」
ナイフは誰かの小指をいつの間にか切っていた。
あまりにも、簡単に死は訪れた。
十分はあっという間にすぎた。
「どうか、このくだらないゲームで殺された人間を生き返らせてください。」