13
全てが止まったと同時に僕は地面に倒れる。
ズサッ、と地面と身体が擦れる音と共に傷が熱く感じる。
「あ…れ……?」
笑えてくる。
せっかく止めたのに力が出ない。
ましてや立てた所で僕はこの人を殺す事が出来るのだろうか。
直接血を見る事に僕は耐えられるのだろうか
そんなこと…言ってる暇はない…!!
「がぁああああ!!!!ぁああぁぁああ!!!!!」
喚きながらもフラフラと立ち、男の手に握られたその剣を手にとる。
「フーッ、フーッ、フーッ…」
怖い。
動かないそれは動いてないハズなのに覇気を感じる。
動いている僕は動いてるはずなのに何故か勇気がでない。
勇気なんて無くても人は殺せる。
震えながらも両手で持つ剣を上にあげる。
僕はそれを目をつぶりながらも振り下ろした。
グチャッとした音と共に何かに刺さった感触が手に伝わった。
目を開けると目の前に真っ赤な景色が広がっていた。
目の前にある何かも、床も、手も、…僕の心も。
たったの一振りは左肩から胸までぐっと食い込んでいた。
「まだ…生きてるかもしれない。」
僕は食い込んだ剣を無理やり抜き何度も刺した。
それがもう動けない程に。
剣を捨てて雪ちゃんの方にかけより僕は目を疑った。
「…え?」
雪ちゃんの腹部は裂けて裂けた部分からは面白い程に血がでていた。
「なんで!!!!!!!」
ふと視線を感じ後ろを振り向こうとした時にはすでに遅く、僕は思いっきり胸を刺されていた。
一瞬、空が赤く見えた。