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悪魔の料理人  作者: 9BO
悪魔のお弁当編
4/5

04:まさかの疑惑




 最近の兄の作る弁当はすごい。

 

 

 

 昼休み。

 私の広げた弁当を見て、朝子は目を瞬かせた。



「元々手の込んだお弁当ではあったけど、ここ最近グレードアップしてない?」


 そんな朝子の言葉に、私は頷く。

 ここ一週間ほど、弁当に兄は相当力を入れているのだ。


「前に私が兄さんのお弁当作ったことあったでしょう?その時の弁当を完食した上、また食べたいと言ったツワモノが会社にいたらしくて……」

「何それ、人間?」


 酷い言いようだが、私も同感だ。


「兄さんは断ったらしいんだけど、まだ毎日のように言われるらしいんだよね。」

「雪里さん狙いの女性社員が、シスコンぶりに目を付けてお近づきになろうとでもしているとか?……だとしても、そこまでする根性が凄すぎるけど。」


 兄はモテるのでありそうな線ではあるが―― 


「でも、イケメンって言ってたから男だと思うんだよね。」

「……雪里さん狙いの男性社員が、シスコンぶりに目を付けてお近づきになろうとしていると。」

「うっ……さすがにそれはなくない?」

「まあ、冗談だけど。でもそれがどうしてその力作弁当につながるわけ?」

「私の弁当を食べたいと言わせないために、兄さんの弁当で満足させるためらしい。」


 私の答えに、朝子は黙り込む。

 そして、数秒の沈黙の後、重々しく口を開いた。


「それってつまり、そのイケメン社員とやらに、雪里さんはここ数日毎日手作り弁当を食べさせてるのよね?」

「う、うん。」

「……やっぱり雪里さん狙いの男性社員が。」

「その冗談はもういいって。」

「いや、今度は結構本気だけど。」

 真顔できっぱり言い切られて、思わず硬直する。

「……えっ?」


「義理の兄ができても祝福できるよう、心の準備でもしておけば?」

「まさかそんな……ええっ!?」


 普通に異性の恋人ができてもすぐに祝福できるかわからないのに、まさか……

 そ、そんなことないよね?


 

 そんな私に芽生えたまさかの疑惑の真相がわかるのは、更に1週間後のことだった。

 

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