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猫科人科目。  作者: 黒字
34/35

32.皆の幸せを願いましょう。

「ヒカル、それは何だ」頭の上にある耳を掴んでいるらしい。

「猫耳―♪ フェイしゃがんでー」ちょんとフェイの頭にも猫耳装着完了です。

「私の分も作ったのか」と言ってる割に嬉しそうだったりする。男は猫耳が好きなんだね。

髪の毛の色に合わせた布地(起毛してる布を発見したので)作ったから意外とリアルなのよ。今度は尻尾も作ってみようー♪


「そろそろ行くか」(そんな時間か)

「はーい」(このままで行こうっと)

今日はお城で身内だけのパーティーをするのだそうです。

私も色々あってゆっくりした事が無いし、シアとユゥイも婚約の標を付けたので家族皆でお祝いしようと言う事みたいです。

何にしても嬉しいです。パーティーって何だかウキウキする言葉だと思います。

私だって女ですから!

当然猫耳にはメイド服ですよね。サン一押しのメイド服2号です。あははは


お城へはガイアに二人乗りで行きます。ウララちゃんがお出かけしててハルちゃんが寂しがっているとの事。今日はお泊りなのでガイアもハルちゃんとゆっくり出来ると思います。

「ガイア、宜しくね」とフェイの前に横座りで声をかける。

{先日の遠出は楽しかったな。また行こう}(本当に楽しかったものね)

「また遠出に行こうって」フェイにガイアの意思を伝えておく。

「そうだな。もう少しすると木の実を拾いに行けるぞ」と楽しそうだ。

シアとユゥイと4人で森の泉へ遊びに行って来たのであります。勿論父と母にも会って来ましたよ。皆元気そうです。妖精だからね。ははは


お城へ着くと、何時もと様子が違います。何だか、静かって言うか、人の気配がしないと言うか。どうしたのでしょう。

「・・・帰ろう」フェイの手を掴んで振り返ろうとします。

「城の者達の半数は国へ帰っておるから静かなのだよ。夏の終わりから秋の始まりの頃はそれぞれの国や村では祭りがあるからな」(祭り!)

「ここのお祭りは何時?」瞳が輝いて居るかも知れませんが気にしません。

「月が細く欠ける頃だから後20日程先だろう」今日は満月だ。

「行きたいです!」フェイの前へ回り込んで顔を見る。

「分かっておる。祭りの話は帰ってからで良いだろう?皆が待っているぞ」手を引かれて城の奥へと歩いて行きます。

何時もなら「このドレスに着替えなさい」と大騒ぎをするマムも見ていない。「ヒカル!遅いわ」と言って抱きついてくるシアも見ていない。もう先に行ったのかな。

「ここって・・・神殿だよね?」大きくてでっかい扉の前で立ち止まって見上げる。

前に一度ジローさんへ用事があって来た事が有るのです。

フェイは何も言わずに大きな笑みを作って扉を押し開けました。


パンパパーン!パン!パン!パーン!と沢山のクラッカーの音!音!音!

「ヒカル!おめでとう」

「誕生日おめでとう、ヒカルちゃん」

「おめでとうございます。ヒカル様」

「ヒカルー!おめでとう!」

「ヒカルちゃん!誕生日おめでとうー」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(何で?)


そこには沢山の人!人!人!です。

皆、知っている人ばかりです。お世話になっている人ばかりです。

国王を初めとする王家の家族に神官のジローさん、レオン、ララァにシャァ、それにサンまで!


「何でー!?」と半分泣きそうです。


マムが側にやって来て教えてくれました。

「初秋の満月の日にあなたは生まれたのですよ」と。

私の誕生日は教会で一人になった日だと教えられていた。

だからまだ先なのに。

誰も私を知ら無いと思って生きてきた。

でも覚えてくれている人が居る。

こんなに嬉しい事は無い。


「あ、ありがとう!」この一言が心の底から吐き出される。


その後「うわーん」と子供の様に大泣きしてしまい、傍にいたフェイに抱きしめられてフェイの胸から顔を出すことが出来なかった。多分涙&鼻水でぐちゃぐちゃになったと思います。(ごめんね)


必死で抱きついていたのですが、何かが聞こえます。聞きなれた・・・音楽。

ミュージックプレイヤーに入っている曲です。

そーっと顔を上げてフェイを見ると、目線でジローさんの方を教えてくれます。

「ヒカルとフェイが何時も何を聞いているのか気になっていたので作ってみたのだよ」と自慢しております。それは他の方々もそう思っていたらしく頷いておりました。

それは沢山の色々な色の小さな精霊石で組み立てた、松ぼっくりの様な形をしたスピーカーらしいです。とてもいい音が流れてきて本当にびっくりです。

でもさ、この曲は流さない方が・・・・・。

案の定、紳士淑女の皆様の頬がピンク色に染まって来ております。

慌てた私はそれに駆け寄り別の曲を選曲してあげました。次の曲はもっと熱烈な歌詞だからまずいってば。


「これはヒカルへのプレゼントだよ」とジローさんが言ってくれました。

それじゃたまには聞きに来てねと言うと、他の精霊石に写し取ったと言うではありませんか。録音だよねー、これって著作権があるけど異世界だから関係無いかと納得しておきます。

充電しなくても使えるプレイヤーってエコだね。ついでに拡張機まで作れるのも凄いです。


皆から薦められて美味しいお酒を頂いてたらひょいと取り上げられて、ソフトドリンクのグラスを持たされました。

「なんでーもっと飲みたいよー」と抗議する。

「お前は飲めぬだろうが」とフェイに渋い顔をされました。

「まだ大丈夫だもん!」と威張って見る。

「後の事は知らぬぞ?」と冷ややかな顔。(何かした?)

「ヒカルは酒乱なのか?」とローズお姉さま。

「そんな事無いもん!」とドヤ顔してみる。

「・・・こいつは酔うと服を脱「わーーーっ!」」まずい!何時やった!?

あっちの頃からの癖で、すきっ腹にアルコールとか只単に飲み過ぎると暑いと言って服を脱ぐらしい。(らしいとしか言えない。自分は覚えていないからさ)

こっちではそれも治ったのでは無いかと単純に思っていたけど違ったらしい。

(ちくしょーお!)

「・・・ソフトドリンクが好きです」

皆から笑い声が響きます。


こんなサプライズは泣けるほど嬉しいです。{ありがとう}



「うふふふ・・・くすくす・・・フェイ~」

「だから言ったであろうに・・・」

「暑いんだもん」

「・・・今日は我慢せぬぞ」

「んっ?・・・はぁ・・・」


今夜も夜は更けて行きます。



これで最終話となりました。短い間でしたが読んで下さった方々には大変感謝しております。ありがとうございました。次話、おまけです。宜しければご覧下さい。

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