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猫科人科目。  作者: 黒字
26/35

24.友と語らうのは楽しいものです。

「ヒカル!ヒカルは何処ですの!」

(だから目の前にいるってば)尻尾ばんばんしております。

「シア、この子じゃないかな」

(おお、ユゥイは分かってるね)鼻をふごふご鳴らしてみます。

「本当ですの?ヒカル?」

「にゃん」(そだよ)こんな姿でごめんね~とすり寄ってみます。

シアに抱き上げられて観察されます。

正面からじーっと見つめられてます。

「この瞳と毛の色はヒカルだわ。」ぶんぶん頷いて信じてもらうのに必死です。




私達が朝食を取っている時に慌ただしくシアとユゥイが遊びに(?)来ました。

朝食と言っても、少々遅い朝食なのですが。(最近寝坊し過ぎるのよ。反省しなきゃね)

今はシアの膝の上に抱かれて撫でられております。

「ヒカル、貴女の事は聞いたわ。とても・・・大変だったわね」(いろいろとね)

「私はずーっと貴女の友達でいるわよ」(シア!ありがとう)



「シア、友達の前に姉上になると思うよ」そう言ってユゥイが笑う。

ユゥイはフェイと話していたが、私達の方に向き直って話し始めた。

「昨日の夕食の時に、家族皆が集まってね。もちろんシアも同席してもらったよ、未来の家族だからさ」シアは頬を赤く染めている。

「兄上の話も聞いたが、父上と母上からもヒカルの両親について聞かされて、マリー様の事も何も知らなかった自分に恥じたよ。本当に情けない」

「お前がまだ生まれたばかりの頃の事だ、知らなくて当然だろう」

「そうだけど。でも内政の事も何も知らないし、今まで関わろうとしてこなかっただろ。これからは少しでも手伝えればってさ」ユゥイの顔が少し赤い。

「ユゥイもやっと成人を迎える気になったのだな」フェイが嬉しそうだ。

「まぁね。でさ急なんだけどシアと一緒にアイテールへ行ってこようと思ってる」

「ああ、それがいいだろう」(挨拶に行くんだね)

「こんな時にすみません。私も長い滞在の用意が無いもので・・・」(気にしないでね)

「今度来る時はゆっくりとされると良い。シア殿の部屋も用意されておるしな」

「もちろんですわ。それまでに戻ってて下さいよ。ヒカル!」そう言って私をぎゅっと抱きしめるシア。胸の谷間に埋められて窒息しそうです。(苦しいよー)こんなにデカイ胸は邪魔じゃ無いのでしょうかね?無い者のひがみなんて言わないで。

ひょいと救出したフェイの顔がなんだか羨ましそうな目に見えてしまった。何故だろう。

むー。


彼等は今日中に出発すると言って帰っていった。



午後も随分過ぎた頃。

「旦那様、真宝商の方がお見えですがお通ししますか?」ララァはとても困った顔をしている。

「クロムか。間が悪いと言うか、間が良いというべきか。まったく・・・仕方がないか」

直ぐに追い返すと言って、私にはここに居るようにと言い残して行った。

一人掛けの椅子に白い刺繍入りクッションと云う定位置で丸くなって眠っていたら、ルナの声が聞こえてきた。


{ヒカル様。マリー様が見つかりました}

{ありがとう}

{今夜 お迎えに行きますね}

{うん 分かった}


今夜は一人で寝た方が良さそうだな、と考えていたら ドカドカと足音が響いて来た。

「お前の奥方は何処だよ。隠すなんて酷いな」(おりょ?美青年登場だ)

「隠しておらんよ。今は出かけてると言っているだろう」(フェイ眉間に皺はダメだよ)

ドサッと椅子に座ると「何時帰ってくるんだい?」と愛想の良い笑みを湛えて聞いている。

私をチラリと見て「暫くは帰らぬ」と溜息まじりに答えた。




クロムさんはフェイのお友達だそうです。留学中に知り合ったご学友なのですって。

クロムさんは今まで見た男性陣とは別タイプの美人さんです。フェイを含めがっしりとした逞しい躰の硬派タイプとは正反対の細身で、口の上手な軟派タイプですね。まぁ商売上口が上手くないと困るだろうとは思うけど。

森に迷い込んだ様な緑の瞳、生い茂る木々の様な茶色の髪、肌の色は小麦色。間違いなくモテると思います。特に女性には。

「お前に女が出来たと聞いて飛んで来たんだぞ。お前の女嫌いは有名だったからな」

「別に嫌いだとは言っておらんだろう」

「はっ!極上の女から文を貰っても丁寧に断っていただろうが。それも極上の笑みでさ。断られて喜んでる女を見たのはあの時が始めてだよ」

「文を貰ったからと片っ端から手を付けるお主にも驚いたものだ。今はどうなのだ?決めた女はおらぬのか」

「俺の目に叶う女はそうそう居ないさ」

出た!チャラ男!元の世界なら間違いなくホスト界の帝王になれるよ!もったいないなー

等と二人の話を楽しく聞いている。だって、フェイの若い頃(?)の話って知らないから凄く興味があるんです。

「旦那様、夕食の準備が出来ましたがどちらへお持ち致しますか」とララァが声を掛けた。

「ダイニングで取ろう。酒も有るしな」そう言って二人は立ち上がった。



「ヒカル様、今日は私と一緒ですよ」と直ぐ後にララァが戻って来た。

「にゃーん」(その方がいいな)

「それとルナが見えませんが知っておりますか?」(只今偵察中です)こくんと頷く。

「戻りますか?」(今日は帰って来ないんだよ)首を横に振る。

「そうですか、それでは戸締りしておきますね」(お願いします)



台所で食事をしていると、隣のダイニングから楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

友人との食事は何であんなに楽しいのでしょうか。私には少ししか居ない友人ですが、何故か楽しかったと思い出します。数日前のシアとの食事も楽しかったしね。

そんな事を思いながら食事をしていると、シャァが話しかけてきました。(珍しい)

「クロムもフェイもお互いに1番の友なんだよ。お互いに認めないけどね」ふふふと笑ってます。シャァとララァの話によると、フェイには沢山の友人がいるそうです。それはクロムさんも同じで(若干女性が多いらしいですが)留学中はよく二人で南の大陸を旅して回ったと言います。それにこの二人は3つの学校を卒業しており(1校のカリキュラムは何処も8年で他の学校との平校が出来ない)二人が一緒だった学校は1つだけで剣や戦術を専門にする学校なのだそうです。他にフェイは政治経済系と理学系、クロムさんは人文学系と天体系らしいです。勉強が苦手な私にはさっぱり分かりません。

因みに、シャァは薬学系だけらしいですが大学院まで行ったそうなので倍の16年通ったのだそうです(今は時々講師で行ってます)。ララァは家政科系で普通に卒業してきたと言ってます。この様子だとお兄様もユゥイも何校か通ったのだろうと想像出来ます。こっちの人は皆勤勉で感心してしまいます。私は何系なんでしょうね?(笑って誤魔化したいです)



さて夜も更けてまいりました。

お腹も一杯で睡魔が忍び寄って来ております。彼等にはまだまだ宵の口でしょうから、挨拶もせずにこのまま休ませて頂く事に致します。

丁度ララァの片づけも終わったようです。ララァに抱き上げられて一緒に参りましょう。



今夜は何も夢を見ていない。

でもさわさわと何かが囁きかけている。

ああ、チェリー星人の花道が真っ直ぐに伸びている。

その茎の根元からルナが顔を出している。

{ヒカル様、ここから先へは入ってはいけません。}

{うん 分かった}

{約束ですよ・・・}

その時、ガサガサと音を立てて草花を分け入って顔を覗かせた女性に驚く。

「猫ちゃん!見つけたわ」それがマリー様だった。


ひかるの友達も作ったので、フェイの友達にも登場願いました。後数人の友達も一緒に登場願いたかったのですが、名前が思い浮かばず、話が長引きそうだし、酒も飲みすぎそうなので・・・またの機会に。

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