サイドストーリーⅡ家族会議
「おい!ヒカルを何とかしてくれ!」
「・・・何かしたのか」
「ローズが帰ってこぬ」
「・・・たまには良いではないか。24時間一緒に居ては姉上も疲れるだろう」
「私と居ると疲れると言うのか?」
「何事もほどほどが良いと思うが」
「・・・ローズ!早く帰ってくれ!」
「お姉様、そろそろ帰った方が良くない?」
「私が居ると邪魔か?」
「邪魔だなんて言って無いし」
「もう少し良い」
「私は大層嬉しいけど、お兄様からの殺気を感じるよ?」
「気にするな」
「・・・まぁ いっか」
「フェイお兄様!ユゥイを見ませんでしたか?」
「嫌?今日は見ておらぬな」
「もう!何処へ行ったのかしら!」
「何か急用か?」
「いいえ・・・」
「一緒に探そうか?」
「あの・・・ありがとうございます」
「ちょっと、ユゥイ!後付いて来ないでよー」
「何でさ。ヒカルは隠れるのが上手いからね」
「一緒に見つかったらどーすんのよ」
「見つからないと思うよ」
「ルール違反だよ」
「ルールが有るのかい?」
「かくれんぼ、舐めんなよ」
「ユゥイ、其処で何をしておるのだ」
「兄さん!声が大きいよ」
「・・・」
「今かくれんぼをしているから大きな声を出さないでよ」
「・・・もう遅い」
「ユゥイ見―つけた!」
「シア!・・・何で兄さんと一緒なんだい?」
「皆遅いなぁー」
「・・・流石に此処に居るとは思わないだろう」
「んーお姉様を一人にしておけないもん」
「・・・それは嬉しいな」
「それと、意外に盲点なんだよこの場所」
「・・・だろうな」
「・・・姉上」
「・・・待ちくたびれて寝てしまったよ」
「・・・膝枕とは好い身分だな」
「・・・ヒカルは可愛いな」
「・・・姉上も」
「・・・総隊長に言われると照れくさいな」
「総隊長は止めて下さい」
「何と呼べばよいのか・・・」
「呼び捨てで結構ですよ」
「無理だ」
「寝てる」
「うん。寝てるね」
「お姉様の膝枕なんて羨ましいですわ」
「シアもするかい?」
「是非!お願いします」
「ヒカルが起きたらね」
「膝枕は私の指定席だ!!」
「リィド兄さん!」
「痺れを切らして来たな」
「まったく・・・」
「兄弟だけで揃うのは珍しいな」
「そう言えばそうだな」
「こういう事って今まで無かったよね」
「女性陣が仲が良いからだろうな」
「ヒカルが来て以来、よく話す様になったよね」
「ヒカルがローズを立ててくれているからな」
「シアがヒカルは凄い人だって関心してたよ」
「あのおてんばは何も考えておらんぞ」
「そうーなのか?」
「確かに計算して動いているようには感じないね」
「あいつは楽しんでいるだけだ」
「・・・そうかもしれない」
「あ・・・涎垂らしてる」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「シアはそろそろ国へ帰るのだったな」
「ええ。でも直ぐに戻って参りますわ」
「嫌、そんなに急がなくてもよいのではないか。両親が寂しがるだろう」
「お姉様。国の者は皆忙しそうで私に構って等くれませんわ」
「そう言うな。いずれは嫁ぐ身、今の内に甘えておくのも必要だぞ」
「・・・両親は兄上の事ばかりに気を回されておりますから」
「それなら余計にそなたが居なくて困っているだろうな」
「・・・そう・・でしょうか」
「シアの様にしっかりした娘なら親だとて頼ってしまうものさ」
「・・・今度は素直に話してみようかな・・・」
「やっぱりシアは可愛いよ」
「お・お姉様!」
「お腹すいたよー」
「お前は食事の時間になると起きるのだな」
「お姉様の膝枕が寝心地良かったんだよね」
「あれだけ五月蠅い中、良く眠れるものだな」
「んーなんだろうね、安心感のある雰囲気だったんだよね」
「安心感か」
「でもフェイの側が一番安心だよ」
「・・・何があった」
「・・・・・」
「私に言えぬ事か」
「・・・足首、少し捻った かも」
「先に治療室に行くぞ」
「・・・お腹空いたのにぃー」
ヒカルの居る所、人が集まり集う。
そこには笑顔があふれ言葉を紡ぎだす。
この先サイドストーリーを差し込むのが難しいので、このタイミングで投稿しました。ふと思いついて王家の3兄弟とその嫁で会話をしたら楽しそうだと思い打ち込んでいたら「おにごっこ」になってしまいました。
楽しんで頂けたら幸いです。