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猫科人科目。  作者: 黒字
20/35

19.夢も現実も大切です。

食事を片付けお茶を入れながらララァが話し出した。

「ヒカル様は妖精や精霊に愛された方だと思ってはいたのです。」(そうなんだ)

「何故そう思う」フェイが聞き返す。

「生き物達とお話をされますし、花や草木とも心を通わせておりましたので」(えっ)

「私だけなの?皆も聞こえてるんだと思ってたんだけど違うの?」

「多少の差はあるが感じ取る事は出来る。しかし理解する事は出来ぬな」(まじですかー)

「そう言えば、皆が{精霊の子}とか{妖精の子}って話し掛けてた。そう言う事だったんだ」

「やはりそうだったのか」とフェイは納得している。

「先ほどの話を聞いて私も直ぐに理解する事が出来ましたもの」とララァも頷いた。




着替えを済ませ帰り支度をしていると、従事の人がフェイを呼びにきた。どうやらお客様がお待ちだとか。

そうなのである。昨夜の夜会には遠方からのお客様も多く、短い方で3日、長い方だと1週間位泊まって行くのだそうです。その中にはフェイの知り合いの方も当然いらっしゃると思われます。

「先に行ってるね。ゆっくりして来ていいんだからね。」と言ってほっぺにキスをしてあげる。賺さず手を取られ口づけをされてしまいました。「直ぐ追いかける」と言い残し部屋を後にしました。(余計な事したのかね)





家に帰り着き玄関に入ろうとした時、脇に植えてあるチューリップの花が囁いてきます。

「えっ!怪我してるの!何処?」花の植え込み周辺を探すと、黒い塊が小さくなって震えています。そーっと抱き上げてみるけど、グッタリして目も開けません。

荷物を下ろしていたララァに声を掛け寝室へと向かいます。寝室には精霊石が有るから。

{・・・さい。ごめんな・さい}と小さな声が途切れ途切れに聞こえます。

「大丈夫だよ。大丈夫だからね。」ベッドに腰掛け自分の膝の上に乗せ両手で体を包んで、元気になれと全身で祈り続けます。

暫くするとピクリと動き、両目を少し開けて{ありがとう}と言ってくれました。

そして疲れた私はそのままベッドに倒れ込んで眠ってしまったのでした。




「ヒカル様、ヒカル様、具合がお悪いのですか?」

「んっ・・・おはようララァ」窓の外はまだ暗いよ?あれ?(あー思い出した)

「黒猫ちゃん・・・あれ?居ない」きょろきょろと探してみるが見当たらない。

「黒猫様は先にお食事しておりますよ」(はぁ?なんだそりゃ)慌てて台所へ向かうと、ミルク粥の様な物を食べていた。私に気が付くと食べるのを止めてキチンと座り直しお礼を述べ始めた。


{治癒をして下さってありがとうございます。目的の地へ行くのに急いでしまい、馬車の前に飛び出してあのような事になってしまいました。}真っ直ぐ見つめる瞳はダイアモンドだね。

「もう痛くない?大丈夫なの?」前足や首元を触ってみる。

{はい。すっかり元の様です}ごろごろ言ってる。(可愛い)

「なら良かった!で、目的地って何処かな?」聞きたくないけど聞いてみる。

{こちらです。ヒカル様の元へと参りました}(やっぱりかー)

「黒猫ちゃん、誰かに頼まれたの?」と聞いてみる。

{森の主から}(・・・・・おじい様?おばあ様?ってこと?)

あー頭の中一杯一杯ですぅー。



「と言う訳でこの黒猫ちゃんを飼っても良いでしょうか?」

ララァは猫を膝の上に抱いてずーっと撫でております。彼女も気持ち良さそうにごろごろと喉を鳴らしております。

「ええ勿論ですわ。こんな美人さんは大歓迎ですよ」(美人さんだよね)

「ヒカル様。この子は猫ですよね?人になったりしますか?」(あーその心配ね)

「この子は猫。人でも他の生き物でもないよ。強いて言えば森の主のお使いって感じかな」

「分かりましたわ。これから仲良くしましょうね。」そう言ってララァは赤いりぼんを結んであげた。

「にゃん」{こちらこそ宜しくね}嬉しそうで何よりです。



今夜はフェイが戻らない事になったので、3人プラス1匹で台所で食事をしました。猫ちゃんはララァの作ったご飯が美味しいと大変喜んでおります。片づけを始めたララァの目を盗んでシャァの手から乾し肉を貰って目を輝かせておりました。



部屋へ戻って椅子に座るけど、何もする気になれなくてぼーっと水色の月を眺めます。

やっぱり力を使ったせいなのか?怠さがあります。

さっきまで台所で寝ていた黒猫ちゃんが私の傍にやって来ました。

{ヒカル様。名前をつけて下さいませ}(やっぱりかーネーミングセンス無いの知ってるかい?)

「んー ルナちゃんで如何でしょうか」娘の好きだったアニメに出てくる猫の名前であります。

{月ですね。ありがとう}(満足して下さって何よりです)もうこれっきりにしておくれ。



一人でゆっくり入るお風呂は久しぶりで気持ちが良いです。多少物足りなさを感じる自分に恐ろしくなりますが、お風呂ではリラックスしたいのが本音です。今日のお湯にはハイビスカスの様な花が浮いてます。とてもいい香りがしています。ルナも誘ったのだけど断られました。残念。



お風呂から上がり身支度を整える頃には眠くなって来ました。音楽を聴きたかったのだけどミュージックプレイヤーはフェイが持ってるので有りません。気に入っているみたいで出かける時は持ち歩いています。フェイがピンクのイヤホンって可愛いですよ。

そうそう、バッテリーなのですが4分の3から減りませんが増えもしません。精霊石の傍に置いておくとそのままのパワーを維持できるらしいです。(凄いよね!)


ああ、やっぱり欠伸が止まりませんので寝る事にします。色々あったもんね。もう一度お父さんとお母さんの夢を見れたらいいなと思いながらベッドへ潜り込みました。そう言えばルナは何処で寝てるのかな、と気になったのだけど直ぐに眠ってしまいました。




(あールナだ。何処に行くの?)私を振り返りながらゆっくりと歩いていく。

(付いて行くといいんだね)そう思った私は散歩気分でゆっくりと付いて行った。

(あら、ここはなのはの大学だわ。)学祭やなんかで時々来ていたので覚えている。でもこの講堂は入った事ないな。後ろの席になのはが座っているのを見つけ、隣に座ってみる。

「あら、誰かに似ているけど」と言ってこっちを見るなのは。

「やだな、ひかるだし。」(やっぱり分かんないかな)

「・・・・・本当に!」目を見開いて驚愕の表情は結構怖いかもしれない。

「元気にしてた?」少し痩せたみたいだな。

「・・・元気って、ひかるこそどうしたのよ」膨れっ面は久しぶりだ。

「んー異世界で甘やかされてる」これ実情よ。

「異世界ねぇ・・・でも今の容姿は日本人から程遠いわ」くすくすと笑う。

「確かに。でも体が軽いのよ。嘘みたいにね」二の腕に筋肉こぶを作って見せる。

「ピンク色のほっぺのひかるは初めて見たかも。天然でしょ?チークじゃないね」頬に触れてくる。

「今の所は私も良く分からない状況なんだ」なのはの手を握る。

「こっちも分からないけど、また報告に来てよね?」強く握り返される。

「うん。もちろん!」


話したい事はまだ沢山あるのだけど、ルナが側に来て{またね}と鳴いた。


やっとなのはちゃん登場です。もう少し前に出したかったのだけど機会が無くて延び延びになってしまいました。個人的になのはちゃん好きですね。

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