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猫科人科目。  作者: 黒字
16/35

15.馬の耳に念仏と申します。

「フェイ。馬に乗りたいんだけど。」

「馬車ではだめなのか」

「頼むの面倒だし。自由に出掛けたい時便利だもん」

「ダメだ。一人で何処へ行くつもりだ」

「散歩だよ。さ・ん・ぽ!」

「散歩なら馬はいらぬだろう。」

「むー じゃぁ別の人に頼むからいいよ」

「・・・・・」



只今お城に隣接する騎士隊の宿舎に来ております。

もちろん乗馬の練習の為にです!

馬に乗りたいから教えて欲しいと言う希望になかなか首を縦に振らないフェイの元へ、たまたま来たレオンさん。いい鴨になって頂きました。

「総隊長も困ることが有るんだな。」そう言って笑うレオンさん。

「ヒカルには困ったものだ。」やっぱり笑ってるフェイさん。

「私は全然困ってないけど。」へらへら笑ってるわたし。


宿舎には数名の騎士の方が留守番をしておりました。他の騎士の方々は仕事で出ているんだとか。騎士の仕事は日本の警察と自衛隊を合わせたような仕事らしい。治安維持、災害救援、医療活動とか。第1~15隊まであり1隊10名前後で結成され行動する。

フェイは全ての隊を率いる総隊長さん、レオンさんは副隊長さん、その下は各隊の隊長さん(第1隊長~15隊長まで)で騎士さんとなるそうだ。


「今日の留守はどの隊だ」

「ユーグの隊だから2隊だな」

「ユーグか、来る日を間違えたな」

後ろに居るヒカルを振り返る。が居ない。



「ねぇねぇ彼女~!入隊するの?見学?誰かの家の人?」わらわらと騎士達に囲まれるヒカル。

「えっと、乗馬の練習に・・・」と言ってる途中から

「僕!教えるよ!」(お、美少年)

「俺が教えるよ!上手いんだぜ。」(お、俺様)

「手取り足取り親切に教えるって!俺にしなよ。」(出た、チャラ男)

後ろから両脇に手を入れて、ひょいと抱き上げられる。(総隊長登場だし)

「私が教える。」

一睨みしてそのまま連れて行かれる私は「皆さんありがとうねー」と言って手を振りました。



「えぇー!総隊長の彼女さんっすか!」(美少年)

「女嫌いだって言ってたじゃないですかー」(俺様)

「モロ好みの子だよなー。まじかー。一目惚れだったのになー。」(チャラ男)

「お前ら、彼女に触れるなよ。総隊長の逆鱗に触れるぞ。」にやりと笑うレオンさん。

「所でユーグ隊長はどうした」

「厩舎へ行くって言ってましたよ。」(チャラ男は意外としっかり者)



「総隊長、お待ちしておりました。」深々と頭を下げるユーグ第2隊長さんです。

「頭を上げてくれ。その様な必要は無いと言っておるだろうが。」

「そのお方ですかな」私を見てやさしい顔を向けてくれる素敵なおじさま。

「急で済まぬな。」ここでやっと地面へ降ろしてもらいました。

厩舎はとても広く、風通しも良くて、草の香りが気持ちよい場所だった。今は馬の数も少ないが(お仕事中)奥の方に5頭の馬が水飲みをしていた。

「手前の3頭が先日来たばかりの若者ですよ。」そう言いながら案内してくれるユーグさん。

灰色・茶色・こげ茶の顔がこちらを向く。(あ、何かまずいかも)

{精霊の娘よ。待っていた。}(やっぱりかー)話し掛けたのはどの子かなと思って見たら、こげ茶君が一歩前へ出てきた。

「君が私の友達になるのかな?」鬣を撫で、首元に手を寄り添わせる。

{私に名を与えておくれ。忠誠を誓おう。}(むーセンス無いんだよねー、たんまね)


「フェイ。この子がね忠誠を誓うから名前を付けてくれって」

「話せるのか?」フェイもユーグさんも当然驚いてます。

「うん」(テパシーみたいなもんだけど)

「良い名前を与えるといい」(それが難しい)


フェイとユーグさんそれにレオンさんも来て乗馬の準備を始めている。私は何もする事が無いので、必死で名前を考えている最中です。

(お馬さんの名前って言われてもさ、競馬の方しか浮かばないし。ハイセイコー?古いし。ディープインパクト!長いし。んーーーハルウララも可愛いかな。嫌、こげ茶君には無理だなーあーどうしよう。)(こげ茶君。こげ茶色。土。大地。だいち・・・神話でなんったっけ?)パソコンが欲しいと切実に思うのです。



今日は乗馬の予定なので、少々ぴったりするズボンに白いシャツの装いです。

この格好は凄く楽だよー。毎日これでいーよー。と思います。

なので、草むらに転がりながら命名の準備をしております。シロツメクサに似た白い花が沢山咲いているので花冠を作りながらですが。



{ヒカル。そろそろ決まったか}

{んー。多分。}

{では誓いを立てて参るぞ}

{はーい}



「君の名前はガイア。大地の神の名前だよ。」声に出して誓いを立てる。

{私はガイア。ヒカルと共に歩む者になろう}

「ありがとう」頭を下げていたガイア君に花冠を載せてあげたら満足そうだ。(可愛いね)


「ハルちゃんとウララ君にも挨拶してくるねー」(名前が無いと可哀想じゃん)

灰色がハルちゃん(女の子)、茶色はウララ君(男の子)、もちろんガイアは男の子です。

「ハルちゃんウララ君、二人も友達になってね。」

 {精霊の子。名をありがとう。}

2頭共、私の体に顔を摺り寄せて喜んでくれたみたいだ。


その後はフェイ先生の元、乗馬の練習に励みました。

楽しかったけど、体中が痛いです。





「痛む所は揉み解さぬと余計に辛くなるぞ」

「お湯の中で少し揉んだ」

「腕と脚だけでは無いか」

「んー」

「揉んでやるから横になれ、ほら」

「・・・・・・・・っつ、そこ痛いよー」

「・・・いっ・・・あ・・・まっ・・・」

「そのような声を出されると我慢できぬ」毎晩我慢して無いじゃんか。


今夜も夜は更けて行く。

「フェイのばかー」。


エピソードみたいなお話になってしまいましたが、取り敢えず本編という事で。個人的に騎士3バカトリオに名前を付けてあげたいな。この先出番があったら考える事にしておきます。

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