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猫科人科目。  作者: 黒字
13/35

12.確認は速やかに致しましょう。

「リィド・ロイヤル・フォレスト=シーザリオと申します。ヒカルちゃん宜しくね」と紳士的な挨拶の後に頭を撫でられました。

お母様に似た金髪(長いストレートをピンクのリボンで留めてます)澄んだ青色の瞳が綺麗です。フェイと同じか少し低い身長(185cm位かな)にスラリとした体はしなやかそうです。(イケメンしか居ないのかなこの世界)

「これから伺おうと思っていた所です。」(嘘だぁ)

「そうか、では執務室まで来てもらえるかな」

「・・・分かりました。 母上、ヒカルを頼みます。」

そう言うと二人とも出て行ったのであります。




只今、「ダディ」「マミィ」と呼ぶのですよ!と両者から迫られてる図であります。

会った早々からえらく親身で、甲斐甲斐しく世話を焼きたがるのには困っていたのですが。

三人だけになったら国王も王妃も私にピッタリと張り付いて離れません(何でだ)。長椅子に私を中心にして両側から手を取られているのですが(意味分からん)。その状態で日本での私の話を聞きたがるのです。突然この世界に来た事も知っているらしく困った事は無いかと気にも掛けているみたいです。フェイに頼ってばかりで感謝していると言えば、当たり前だと言い放すし。(フェイの事になるとぞんざいなのが笑える)

「ヒカルのご両親も心配してるでしょうね」(あ~そんな心配もしてくれるんだ。嬉しいな)

「両親は居ないよ。孤児だから。」(気にした事無いからなぁ)

で、上記の会話であります。

「う・・・嬉しいですが、お父様お母様ではダメですか」

「この様に小さな子が強がってはいけません。女の子は可愛らしくダディ・マミィとお呼びなさい。」

「私達には女の子がおらぬからな。ヒカルが居ると華やぐ。私達を慕ってくれると嬉しいのだよ。」

「・・・・・」(んー返答に困る。)

親という生物を知らないから。私にも居なかったし、私も持たなかったから。いきなり甘い事を言われてもどうしてよいのか分からない。

「ありがとうございます。」(今はこれが精一杯です)



結局フェイが戻るまで時間が掛りそうで、その間、ここぞとばかりに宮廷召し抱えのお針子さんを呼んで私の採寸が執り行われ、目の前には色取り取りの布地が所狭しと積み上げられております。「家にも一杯洋服あるよー」と言ってみたけど、それはそれこれはこれなのだそうです。好きな色を聞かれ「黒」と即答。少々ビックリされたけどしょうがない。じゃぁ嫌いな色と聞かれすかさず「緑」と答える。これもやっぱりビックリされた。

どうやら【夜会】の為のドレスを作るらしい。


フェイが戻る頃には夕食の準備が整ってしまっており、私はわくわくしながら宮廷料理を楽しみました(それを感じたのか帰るのを諦めたっぽい)。フェイはお父さんと晩酌(?)しており久しぶりなのだろう国王様は楽しそうです。王妃様も相変わらずなんだかんだと私の世話を焼き忙しそうです。

思いの外長い夕食となり、結局お泊りする事になってしまいました。



「へぇーここがフェイの部屋なんだ」

「ああ」

作りは似ている。居間と続きの寝室。

が、しかし、物凄いゴージャスなのである!全体に水色を基調とした部屋には装飾過多な家具が鎮座している上に光り輝くシャンデリアがぶら下がっており、寝室のベッドはなんと天蓋付き!

(うおー王族って感じがするわ。映画の中でしか見られない光景だよ)

「母上の趣味だ。どうにも落ち着かなくてな、成人するのを待って今の住まいに移ったのだ。」

「あー何だか分かる気がする」

そう言いながらソファーに腰を下ろす。

「疲れたか?」

「んー疲れてるんだけど興奮してる?って感じかな」

「そうか」

では。と言って私のドレスを脱がし始める。(まてー!)目を剥いて抗議の声を上げようとした時、カタッ と物音がした。(えっ?)

「誰だ」フェイの顔から笑みが消え、瞳には剣呑な輝きが灯る。

寝室に続くドアがゆっくりと開き、やや小柄な少年が姿を現した。

「ごめんね~ ビックリさせようと思ったら、意外な展開でさ 出るに出れなくて」

「ユゥイ」(お?知り合い?)

「この子がヒカル?へー可愛いねー。今度僕と遊ぼうよ。」(はい?)

などと言いながら私に近づいて来るんだけど、まて、今半分洋服が取れかかってる状態であって、非常にまずいのだよ。あーあと一歩で髪に届くという所で、少年はフェイに後襟を掴まれ引きづり出されて行った

「直ぐ戻る。そのまま待っていろ」(無理だし)


寝室の奥に備え付けてある小さなシャワールームを見つけ、そのまま駆け込みます。王宮には各部屋にシャワールームが併設されています。それとは別に大きな湯殿が三か所もあるのです。

簡単に汗を流すと幾分落ち着き、ベッドの上に用意されてある夜着と下着に着替えます。

居間を覗くとフェイが戻っていました。


「あの子、誰?」

「ユゥイ。私の弟だ。」

「えー!弟がいたの!後何人兄弟いるのかな」

「居ない。3人兄弟だ」

言われてみれば似てる。どちらかと言えばお父さん似だよね。兄二人より可愛い感じの顔立ちになんだか和む。

「あれは、どうにも遊び過ぎてならん」(ほー遊び人ですか。なるほどね)



「ヒカル。 出かけるぞ。」

「え?何処に?」(夜着に着替えたよ)

「城の中だから心配しなくて良い」

「はーい」


長―い廊下を歩いて、大きな階段を3階分位下って、少し奥まった扉の前で止まった。

その扉には【アバロン】の文字。

「ここ ですか 」やや放心状態

「入るぞ」と言ってフェイはその扉を押した。


「久しぶりだな」

「ああ」

「お姫様が目覚めたか」


カウンターの中にはマスターが居ます。

手前のイスには(騎士2号)レオンさんが座ってます。


あ゛― 正真正銘私の通ったお店【アバロン】です。


一気に兄弟が揃いました。3人兄弟の真ん中がフェイです。2番目って何かと大変ですよね。気苦労が絶えないからハゲになっちゃうかも。(笑)


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