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猫科人科目。  作者: 黒字
12/35

11.用意は周到に致しましょう。

何でかな~ 私はこんなに幼かったかな~

周りには年上の方々しか居ないからかな。ましてや皆さん甘やかし放題だし。

そうなのよ甘やかすのよ。50~60歳で成人(アバウトだな)だからと子ども扱いするんですよ!もう直ぐ50じゃんと言っても私の貧弱な体では成人前としか映らない。(らしい)私の培った48年はなんだったのかと、これでも大人な自分で過ごしていたのにさ。300年寿命の方々からすれば、お尻真っ青なガキんちょなんだろうねぇ。

とか思いながら、私の行動は確かに大人では無いかも。

シャァのお手伝いと称して庭の雑草抜きをしつつ木に登ったり、歌う花が在ると聞くと花の下で昼寝するし(囁くように歌うのだけど睡魔を誘います)、ララァの買い物に付いて行くと余所見ばかりで迷子になるし(やっぱり市場は楽しいのだよ)これじゃぁね、やっぱり大人とは言えないかもね。(最近シャァと呼ぶようになってしまいました。ドを発音するのを忘れがちな為本人に了解を取りました)

しかし、此れだけの事が出来るようになったのは凄いことです。ましてや好奇心が疼くという経験が楽しくてしょうが無いのです。なんて言うのかな、体の中から力が溢れ出しそうで何だかじっとして居るのが勿体なくて好奇心の赴くままに行動してしまうのです。

この世界の子だったのかもと本気で思ってしまいそうです。

どうしよう。居心地が良すぎて泣きそうです。日本の皆に申し訳無いと思うのは幸せに慣れていないせいでしょうか。


まずい。乙女チックモードに入りそうだ。この部屋の雰囲気に呑まれたな,自分。


「ヒカル」

一番の甘やかし大魔王が顔を出す。私の部屋に。(うふっ)

「足りない物は無いか」(騎士の制服だ、カッコイイよ)

フェイの隣の部屋に私の部屋が用意されました。

先日シャァが商人さんと相談していたのはこの部屋の事だったようです。

基本はフェイの部屋と似ていて、白っぽい木目の家具にソファー(花の折柄地で紫色)。テーブルが白ってのがシャァのセンスなのかしら。真ん中に庭の花が飾られて正に女の子の部屋です!って感じです。それとこの部屋には秘密の扉が・・・じゃなくて広いウォークインクローゼットが併設されてます。その中には沢山の洋服、靴、帽子、などなど詰め込まれてます。(ここはララァの趣味絶賛投影中です。)

「こんなにしてもらっていいのかな。」

「気にする程の事ではない。」

「気にするし。でも、ありがとう。」と笑顔で上を見上げる。

ソファーに座っていた私に上から覆い被さる様にキスをする。

「ヒカルの欲しい物は何でも用意するぞ。遠慮は要らぬからな。」

「ベッド」

「それは必要ない。寝室は一緒だと言ったではないか。」

そうなのである。私専用ベッドだけは却下されるのである。

(喧嘩した時とかどうすんだよ。毎晩危機感バリバリの寝室ってどうよ。でもさOK貰ったとしても寝室を別に用意される訳だし、それも何だか気が引けるよね。しゃーないか)


「むー。あ、ポプリって有る?花を乾燥させて香りを楽しむ物なんだけど」

「花の香りを楽しむ物か・・・ローズ様なら知っておるかな」

(ローズ様?初めて聞く名前だわ。誰?誰?)

「兄上の妃だ。」

「フェイにお兄さん居るんだ!ほー 初めて聞いたよ」

「そうか」

「・・・うん?」

(お兄さんと仲悪いのかな?機嫌悪くなったよ。ありゃりゃ)

「そろそろ出かけるぞ」

「うん。」



本日はフェイのお父さんとお母さんに会いに行きます。

午後のお茶に誘って下さったのだそうです。



フェイの家(お屋敷だけど)は私を含めて4人住まい。ご両親とも同居じゃないし、兄弟の事も知らない。フェイ自身の事も騎士としか知らないし、ララァやシャァに聞いてもその内分かりますよと言われるばかり。フェイに直接聞いても答えてくれないし。

「ララァはフェイのお父さんお母さんに会った事あるの?」と訪問着に着替えている時に聞いてみたら「ええ。大変素敵な方々ですよ。ご安心下さい。」と言われ今まで着た事が無いロングドレスを着せられました。ピンク地に白のレース、高めウエストで切り替えたボリュームのあるスカート、中には総レースのパニエ、ウエスト位置にリボン付き。(これで人前に出るのかー)ララァの趣味はロリだと思います。



始めて馬車に乗りました。

灰色の2頭立てに従者、馬車は黒に金色で縁どりされたシンプルな物です。中は深紅の内装で意外と快適でした。馬車の中で私の手を握ったまま黙っているフェイは何か考えているみたい。話かけるのも面倒なので小さな窓から景色を見ていました。市場とは反対方向へと走って行きます。石畳と石の塀が続くばかりの道を上へ上へと走って行きます。

(上?・・・・・まだ上かな)つまらないなとフェイに向くと目が合いました。

その瞳は迷惑そうに揺らいでいるように見え、握られていた手を少し強く握り直します。

「私の側を離れぬように。何か言われても気にしてはならないぞ。」

(えっ、何かあるの?)と言いたかったけど馬車が止まりドアが開けられました。





「ヒカルさん、お茶は如何かしら」

腰まである金色の髪を一纏めにし片側に流している絶世の美女が目の前に居る。すみれ色の瞳で見つめられお茶のお替わりを薦めてくれる。

「は・・・い。」

「ヒカル殿、緊張しなくても良いのだぞ。ここは私室だからゆるりとされよ。」

少し長めの茶色い髪を後ろで束ね貫禄のある姿態で足を組み直しながら、青色の瞳で見つめられる。

「は・・い。」


「父上も母上もその様に見つめては緊張させるだけです。」

(違う。この状況を招いたのはあんただ。事前に知らせるべき事を知らせなかったあんたが悪い。私は一般人だ。心の準備が必要なんだよ!)

両親が国王&王妃だなんて普通考えないって!もしかしたら位の高い貴族とかかな?王族関係?位は考えたりしたけど。よりにもよって国の1番の人ってどうよ。

「あんたが悪い」(あーまじで腹立つわ)

「何も悪い事はしておらぬが」

「フェイ あなた 何も言わずにヒカルさんを連れて来たのですか。」(お、母強し?)

「それでは尚の事ヒカル殿を緊張させるだけでは無いかな」(おー父もなかなか)

「私もそう思うよ。」

「・・・・・言いたく無かったのだ。」(お。可愛い)

その後は和やかにも話が弾み、夕食を一緒にと誘われた。(宮廷料理!?)

でもフェイが丁寧にお断りを入れて部屋を出ようとした時、ノックと同時に一人の男性が入って来た。

「フェイ、来ているのなら声を掛けてくれ。」

物凄く嫌そうな顔をしたフェイが呟いた。

「兄上。」


国王と王妃の名前は今の所考えておりませんです。必要になったら考えますが、多分父母で良いのでは無いでしょうか・・・。

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