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21話 大魔女との邂逅

 「凄い……王都とはまるで違う賑わいだ」


 都市を行き交う人やモノ、あまりの情報量の多さに目が回りそうだ。

 これが田舎の人間が初めて都会に来た時の気持ちなんだな。

 それ程までにここは呪いの影響を感じさせないぐらい活気に溢れ、人、獣人、魔族にモンスターなんかの様々な種族が一堂に会し、光や音の溢れる往来を練り歩いていた。

 

 「この街は優れた技術、製品、商売、学問を求めて世界中から様々な種族の集まる坩堝ですからね。賑わいがあるのは当然ですわ」

 「なるほどね、こりゃ人探しも大変な訳だ」


 オレは人混みを必死に掻き分けながらヘル達に付いて行く。

 この人混みはコミケを思い出すな……こういう時に体が小さいと前が見えないから苦労するんだよな。


 「ちょっと、はぐれない様に注意しなさいよ」

 「おう、分かってるって」


 アドラはこの街の経験者だけあって上手く人の流れを掴み、スイスイと先に進んでオレ達を先導している。


 「マズダ様もうそろそろ親書を渡す相手の住居に到着しますわ」


 そうそう、すっかり忘れてた。

 オレ達は観光に来た訳ではない。

 王から預かったゴーレム取引の親書だっけか?それをこの街の偉い人に渡しに来たんだった。


 人手不足の今の時代、ゴーレムは労働に戦闘何でもこなすバチクソ有能な労働力だそうで、ここリィーダルは才あるゴーレム錬成士も大量に集まる為、世界一のゴーレム生産国になっているらしい。

 要は王都も労働力解消の為にリィーダルのゴーレムを輸入したいのだ。

 しかしそう考えているのは世界共通でどこもかしこも供給が不足している。

 

 そこでこの親書という訳だ。

 詳しい内容までは知らんが、どうせ王都にゴーレムを優先的に回してくれ的な事が書かれているのであろう。


 「さぁ着いたわよここが、大魔女ヘルメス=ローレンシア=ラクテウスオルビス住んでいる所ね」

 「大魔女ヘルメスか……ここが、しかしでっけえ屋敷だな」


 街のど真ん中にドンッと建てられた古典的な洋風屋敷がそこにあった。

 周囲が近未来感に溢れているネオン街みたいな所為で凄い違和感を感じるが、逆に言うと却ってこっちの方が探しやすくて助かったのかもしれない。


 「それでは親書を渡しにさっそく屋敷の中へと参りましょう」


 ▽ ▽ ▽


 「……使節の方ですね、主が来るまでしばしお待ちを」

 「はい」「えぇ」


 オレ達がここを訪れる事は既に先方に伝わっていたらしく、屋敷を門を潜るとメイドがやってきてそのまま客間へと案内された。


 「……あらあらあら、随分と可愛い使節じゃないかしらぁん」


 オレ達が入室して数分ほど経った後、客間の扉を開けて入ってきたのは鍔広のとんがり帽子と長いローブを羽織った身長2メートルはある大きな女性だった。


 おっとりした雰囲気を持った大魔女ヘルメスは思ったより若く、見た目で言えば20代前半だろうか?

 顔立ちは真っ赤な瞳の垂れ目の所為か少し童顔に見える。

 髪は肩まで伸びた少し癖のある毛で金髪をベースに紫、赤などの色が差し色として入っている。

 

 ……そんな事よりもこの女の特徴はとにかくデカい、何とは言わんが色んなモノがデカい。

 肌の露出が多い服装も相まって例のアレが零れ落ちてきてもおかしくなさそうな位デカい、正直ヘル以上だ。

 彼女が体を動かす度に二つの禁断の果実がバインバインに揺れている。

 

 もしかして大魔女ってそういう事なのか?

 

 「皆さん初めましてぇん、私がこの屋敷の主にして五族華会(ペンタゴン)代議員のヘルメスよぉん、よろしくねぇん」

 

 屋敷の主ヘルメスは軽く挨拶をしてから、オレ達に向かい合う様にしてソファに腰かけた。


 「……随分と独特の喋り方だな」

 「こら!敬語、敬語!」

 「あらあらあら、そんな事気にしなくていいのよぉん」

 「って言ってるぞ、アドラ……早速で悪いがヘルメスこれが親書だ」

 

 オレはヘルメスに親書を手渡した。


 「拝見するわねぇん」

 

 ヘルメスは受け取った親書の封を切りしばしの時間、親書に目を通した。


 「なるほどねぇん、ゴーレムの優先提供かぁ~。どこも考える事は同じねぇん」

 「……あくまでオレ達の役目はアンタに親書を手渡す事だ。交渉事はそっちらで勝手にやってくれ」


 オレは約束通り親書を渡し終えたのでそのまま席を立とうとした時、ヘルメスがオレに声をかけた。


 「あら待って。確かにゴーレムの件は貴方達に無関係だけどぉん【もう一つの項目】は無関係ではないわよぉん」

 「……何?」

 

 もう一つの項目?

 ヘルメスの言葉を受け、オレは再度席に着いた。

 

 「えっと、ねぇん【黒色アパティア教団壊滅に向けた国際協力歎願依頼】ですってよぉん」

 「何だって教団の壊滅!?あの王そんな事まで考えていたのか」


 襲撃者への逃走経路とゴーレムの貿易、それに加え反攻作戦まで頭に入れていたとは。

 グラモン王……アイツはかなりの切れ者だな。

 オレ達の命を狙う教団の壊滅に時代の最先端を行くこの街が協力してくれれば心強い事は間違いない。

 これは絶対に成立の方向で進めていきたい案件だ。


 「それでヘルメス、アンタはその件についてどう思う?」

 「私個人としては迷惑千万な教団の壊滅作戦は大いに有りよぉん」

 「だったら交渉成立って事か?」

 「……そうしてあげたいけど、この国は議会制だからねぇん。私の一存で決める事は出来ないわぁん」


 なるほど、だから最初に代議員と名乗っていたのか。

 

 「だから、あなた達には明日この街の行政を取り仕切る五族華会(ペンタゴン)の会議にオブザーバーとして出席してもらうわぁん」

 「……要はそこで他の代議員にも協力を取り付けろという事だな?」

 「そういう事よぉん……明日に備えて今日の所はこの屋敷でゆっくりしていくといいわぁん」


 そう言うとヘルメスは立ち上がり客間を後にしていった。

 

 ……ある意味オレ達の命運を握る会議か、この議題だけは何が何でも絶対に成立にこぎつけるぞ。

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