16話 起きられぬのなら、寝なけりゃいいじゃない!
この原初の石碑を見て分かった事は大きく分けて三つだ。
ただ、これはあくまであの石碑の内容を全て信じればという前提にはなるが……。
一つ目は敵のボスと思われる存在が13+1人いるという事。
中二病感丸出しの説明から詳細が何も掴めないというおまけ付きではあったが……。
歴代の勇者の行く末を記憶してきた女神のヘル曰く、結局過去の勇者達はボスのたったの一人ですら倒す事が出来ず力尽きていったらしい。
……揃いも揃ってド無能どもが、せめて半分くらい倒しとけよ。
二つ目はさっきも述べた通り、勇者の命を狙い襲撃者を送り込んでくるゴミカス野郎。
……邪教の司祭がソリトゥスのしもべである事。
迷惑千万この上ないが、逆を言えばこいつは宗教司祭という立場上、他のしもべ軍団と違い大まかな居場所や人となりが特定されている唯一のしもべであるという点には着目したい。
ほぼノーヒントの他ボスに比べれば喧嘩を売りやすい相手だろう。
というかこいつだけは許さん。
しょっぱなからオレの命を取りに来やがって、近い内にオレ様直々にじわじわと嬲り殺しにしてやる。
三つめは天魔ソリトゥスは異世界の勇者が日本人あるいは日本語を使う事を知っている点だ。
これについては本当によく分からない。
しかし次元の大回廊という転生者のリスポーン地点にわざわざ日本語の石碑を置く理由はそうとしか考えられない。
……石碑を目にしたあの日、オレはこれらの接点を無理にでも繋げた仮定を考察した。
例えば、天魔ソリトゥスは実は過去の時代の転生者という可能性。
これをヘルに提示したが「そんな転生者は存在しないですわ」とハッキリ否定されてしまった。
……謎は深まるばかりだ。
「……光陰矢の如し、もうこんな時間か」
考え事に集中していたせいか、やけに時間が経つのが早く感じた。
気付けば空を着飾っていた星は消え、外には朝日が顔を出し、鳥の囀りが聞こえてくる。
「新しい朝が来た、希望の朝が」
「……ふわあぁ」
眩い朝の陽ざしを受けたヘルとアドラが順に目を覚ましていく。
「おはよう、二人とも」
「おはようございますわ」
「……あー、おはよ」
ヘルはいつもと変わらないな、アドラは……低血圧だろうね、分かるよ。その気持ち。
「さて、と」
……この村に長居は無用。
二人の準備が整い次第リィーダルに向けてすぐに出発だ。
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