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藍染めの週末

レビュー執筆日:2022/8/11

●地味な印象はあるが、「ふと」というミュージシャンの個性は相変わらず。


【収録曲】


1.風の斬り方

2.long slow distance

3.置き去りの鉛筆

4.501 with oneself

5.太陽と土と花水木

6.スクールカースト ~底から見た光~


 元Aqua Timezの太志を中心としたプロジェクト、Little Paradeの2作目となるミニアルバム。マーチング調のドラムにラップを乗せた『風の斬り方』や、感傷的で浮遊感のあるロックナンバーの『置き去りの鉛筆』、牧歌的なアコースティックサウンドを聴かせる『太陽と土と花水木』のように曲調の幅は相変わらず広めですが、バンド時代を含めた過去作と比べると、テンポを落とした楽曲が増えたように思えました。シティポップの要素を取り入れた『501 with oneself』のように、明らかにAquaではやっていなかった雰囲気の曲もあり、そういう意味では、前作と比べると「Little Paradeならでは」の要素が増したようにも思えます(まあ、Aquaでもシティポップ調の楽曲はできないこともないような気がしますが)。


 とはいえ、彼の特徴ともいえる率直な言葉で「優しさ」を感じられる歌詞は相変わらず。「飽きるまで飛ばしていいよ シャボン玉はミサイルみたいに 人を傷つけないから」(long slow distance)や「君を生んだ人は君じゃないのは明らか」(太陽と土と花水木)といった耳に残るフレーズを色々と織り込んでくるのはさすがだと思います。最後に収録されている『スクールカースト ~底から見た光~』は、最初タイトルだけ見た時は随分物々しいイメージがありましたが、蓋を開けてみると、「傷付きながらも立ち上がろうとするさまを描いたバラード」という彼らしい曲といった雰囲気で、「やっぱり太志は太志なんだな」と思わされます(『世界で一番小さな海よ』に近い感じでしょうか?)。


 ただ、その一方でメロディの盛り上がりがやや弱いかな、と感じられるところがあります。特に、『501 with oneself』に関しては曲自体が単調になっている印象があり、新しい音楽性を若干乗りこなせていない印象がありました。まあ、アルバム全体を通して言えば、曲調の幅広さや耳に残る歌詞の影響もあって、そこまでダレるような感じにはなっていませんが。


 バンド時代と比べると「地味」になったところがありますが、「太志」というミュージシャンの個性が相変わらず色濃く出た作品であることには違いないでしょう。Aquaのシングル曲のような派手さはありませんが、私のようにアルバム単位で聴いていた方ならば是非ともチェックして欲しい作品になっていると思います。


評価:★★★★

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