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ブレイン・アロー


「どういうことですか?」と私。


「月曜日の朝、セルバ川の畔で男性が倒れているのが発見されて、病院に担ぎ込まれた。

事故なのか、襲われたのか分からなかったが警ら隊が周辺を調べたところ身許が分かる物が見つかった。

学院の入校許可証だ。」


「ではその男が?」

アンドリューが促す。


「ああ、ブレイン・アローの許可証だったから、問合せがきたらしい。校長にその話を先程されたんだ」


私とルイーゼは顔をみあわせた。

「ねえ、ルイーゼ」

「なあに?アネット」


「マリーナにちょっかいを出していたブレイン・アローが倒れて病院に運ばれた…」


と私が言うとルイーゼが頷き


「ええ、そしてちょっかいを出されていたマリーナは行方不明」


「何かしら、関係はありそうだよな?」とルイス。


皆が頷く。


「ブレイン・アローも月曜日から登校していなかったから、倒れていた男性も彼で間違いないと判断されたらしい。

一応3年の担当主任が面通しも行っている」

とオスカー殿下。


私はふと疑問を口にする

「あの?いいですか?」


「アネットどうした?」


「そのブレインと言う男子生徒は通いの生徒ですか?」


「いや、寮にいると聞いた

月曜日から欠席が続いたときに寮に確認に行ったと言う話を聞いているから、間違いないよ」


とオスカー様は丁寧に教えてくれた。


「だとしたら、なぜそんな川の近くへ行ったんでしょう?

目的は何だったんですかね?」


「そうだね。それも調べてみるか」


オスカー様は考え込んで、少ししてから皆をながめて


「明日以降だけど、もう少し調べを進めたい」


皆が頷く。


「さっき言った通り、ノアは下宿にもう一度行ってマダムから話を。

その時にブレインが訪ねて来たことがないかも聞いて」


「はい」ノアが頷く。


「それから、アンドリューはもう一度門番や護衛騎士たちにブレインの事を聞いて来て、特に正門以外の所から」


「わかりました」


「それから、ルイス…」


「もう一度訓練場にいきますか?」

ルイスが先回りする


「うん、訓練仲間や先生からも聞いてきて、評判やマリーナの事を何か言ってなかったか…」


「了解です」


「アネットとルイーゼは友達の2人、リリアン嬢とエレン嬢だったかな…彼女たちにブレインを知っているか聞いて、後3年生にブレインの事を聞き込みもね」


「「わかりました」」


「じゃあ、今日はもう遅いから解散しよう。

女子たちは、ライリーに寮まで送らせるよ」


「はい」「ありがとうございます」


「男子も明日の授業遅刻するなよ」


「「「はーい」」」


次の日、午前中の授業を終えて、

昨日オスカー様からの指示頂いた通りみんながそれぞれに行動をおこしました。


夕方、アネットとルイーゼがサロンに戻ってくると、オスカーが1人でお茶の準備をしていた。


「まあオスカー様、私がやりますわ」とルイーゼがポットに手を掛ける


「ルイーゼありがとう、君が入れた方が美味しいからね」


それは私も同感だ、私が入れても美味しくないのよね。


「オスカー様、みんなはまだ戻ってないのですか?」



「ああ、そろそろ戻ると思うけどね。2人ともご苦労だったね

何か収穫はあったかい?」


ルイーゼと二人で顔を見合せ私は言った。

「そうですね、あると言えば、あるのかな?

いくつかの話しは聞けました」


「ただいま~」

そう言っているうちにルイスが帰ってきました。


そしてアンドリューも。


後はノアだけです。


ルイーゼがみんなにお茶を出してくれた頃オスカー様がいった。


「さて、ノアはまだだけど、そろそろ報告を聞こうかな

最初に帰ってきたアネットたちから。」


「「はい」まず、友人2人ですけれど、ブレインの事は知りませんでしたわ

それと、マリーナが騎士訓練場の常連だった事も聞いたことなかったようですわ」

2人で返事の後、とルイーゼが話します。


「それから、ブレインの学年の3年生ですけど、マリーナの事を知っている人は殆んどいませんでした。

ただ、ブレインの周りの友人はマリーナの話を聞いていたみたいです。

ブレインは本気でマリーナを狙っていたようで、絶対に子爵家に婿に入ると豪語していたようです」

と私から。


「ふーん、マリーナとしては、友人に話す程の男性ではなかったのか?

それとも騎士漁りに行っているのを知られたくなかったのか?」

とルイスがおどけて言う


「でも、ブレインの方は違っていたのですわ」

合いの手のようにルイーゼがいいます。

さすが双子。


「なるほど、その辺はブレインの意識が戻ったら、分かることもありそうだな」

と殿下。


そう、まだブレイン・アローの意識が戻らないから、彼が事故なのか、誰かに襲われたのかも分かっていない。


「ルイス、騎士仲間にもマリーナ嬢のことは話題にしてたのか?」


「ええ、それはもう。

まあ、男同士の話ですからね、ちょっと自慢するために話を盛っていた可能性は大きいですけど。

他のヤツに対しての牽制もあったようですし…」


「そうだな、そこら辺は話半分で考えた方がいいって事か」


「そんなとこです。

あと、騎士訓練の教官が言ってましたけど、ブレインは結構腕がたつようです。

やる気がない割には筋がいいそうで、本気を出さないことが勿体ないって話でしたよ」


「へえ、剣術が苦手なヤツだと思ったよ」とアンドリューが意外だという顔をした。


確かに今まで聞いてた話の人物像としては意外だった。

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