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異世界の貧乏農家に転生したので、レンガを作って城を建てることにしました  作者: カンチェラーラ
外伝

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教えて、セシリーお姉さん

「そういえば、貴族院をお休みしている間、何をしていたの? どこかにお出かけでもしてたのかな、アルフォンス君?」


「いや、ずっと屋敷にいたよ、セシリー」


「お屋敷に? 確か、アルフォンス君はシャルル殿下のお屋敷に滞在しているのよね? でも、ずっと屋敷の中にいたわけじゃないんでしょう?」


「建物の中にこもっていたわけではないよ。ずっと屋敷の庭で剣術の訓練をしていたんだ」


 貴族院の校舎にある一室。

 そこで、僕はエリザベスとセシリーという二人の貴族令嬢とお茶を飲んでいた。

 そんな中で、セシリーが休んでいた間のことを聞いてくる。


 改めて聞かれるとちょっと困るな。

 そう言われればずっと勉強と剣術の訓練ばかりで、ほとんど屋敷の敷地を出ていなかったことに気が付いた。

 屋敷が広いからあんまり気にはならなかったけれど、これだけ聞くとまるで引きこもりみたいだと思ってしまう。

 けれど、二人は僕の発言を聞いて別のことが頭をよぎったようだ。


「ずっと剣の訓練をしていたの? もしかして、迷宮に入るつもりなんじゃ?」


「やっぱり、クレマンに言われたことを気にしているんじゃないかしら? 迷宮に入って訓練すれば実力も伸びやすいから、学生たちはみんな率先して入りたがるし」


「きっとそうですよ、エリザベス様。まったく。クレマン達には注意しておかなきゃ。アルフォンス君にちょっかいをかけないようにって」


「……迷宮?」


「あれ? 違ったのかな? てっきり、私たちはアルフォンス君が迷宮に入って力をつけたいのかなって思ったんだけど」


「えっと、強くはなりたいけど、そもそも迷宮って?」


「もしかして、知らないのかな? まあ、知らなくてもおかしくはないか。アルフォンス君は異国の出身だもんね。よし、それじゃあ、このセシリーお姉さんが教えてあげようかな」


 僕がきょとんとして、二人の話を理解していないことに気が付いたセシリーがそんなことを言って説明を始めた。

 それはブリリア魔導国にあるという迷宮についての話だった。




 ※ ※ ※




 セシリーの話によるとこのブリリア魔導国には迷宮と呼ばれるところがあるそうだ。

 そして、その迷宮は王家によって管理されている。

 一般人では入れないように制限がかけられているそうだ。


 迷宮には迷宮核と呼ばれるものが存在し、その迷宮核によって迷宮内部は非常に魔力濃度が高まっている。

 そのため、通常は迷宮内部では魔石などがとれるらしい。


 だが、ここで二人が言っていた迷宮は魔石をとるために使われているのではない。

 貴族や騎士の育成のために迷宮が使用されているのだそうだ。


 このブリリア魔導国は僕の出身であるフォンターナ連合王国とは違っている点がいろいろある。

 その中の一つに結婚についての考え方があった。

 フォンターナ連合王国では結婚相手を選ぶときに、基本的には決まりがない。

 結婚を希望する両家が合意さえすれば、教会で継承の儀を執り行って結婚が成立する。


 だけど、このブリリア魔導国では違った。

 継承の儀という仕組みがないからか、まったく別の考えかたをしていたみたいだ。

 それは、結婚する男女はなるべく魔力量が同じくらいが望ましいという考えにあるらしい。


 東方では昔から魔力量が多い者同士が結婚して子どもを産むことで、その子孫の魔力量が生まれながらに多くなるということが知られていた。

 逆に言うと、男女のどちらかが魔力量が極端に低いとその子どもも魔力量が低くなりやすい。

 だから、なるべく魔力量の多い子が増えるようにあまりに魔力量に差がある場合は結婚が認められないようになってきたそうなのだ。


 だけど、それだとお互いが惹かれあっていても結婚できないことも多くなる。

 それに、魔力量が多い者同士で結婚しても、必ず魔力量が多い子が生まれるわけでもなかった。

 そうなると、結婚できる相手が限られた家同士になってくる。

 これは、血が濃くなりすぎるという問題点もあると指摘されていた。


 そこで、その対策として活用されだしたのが迷宮だ。

 王家が管理している迷宮。

 そこは迷宮核が存在し、魔力濃度が高い。

 その迷宮で訓練を重ねれば、生まれついての魔力量が少ない者でもある程度なら魔力量が増えることが判明していた。

 多分、訓練しているときに周りの魔力を体が吸収しているんじゃないかと思う。


 こうして、迷宮を訓練場として活用することで、婚姻関係に広がりを持たせることができるようになり、またブリリア魔導国は力のある貴族や騎士を輩出し続けられる仕組みを手に入れることに成功した。

 が、かといって誰でもその迷宮に入れるというわけではないらしい。

 あくまでも王家に許可された者でなければならない。

 そうじゃないと、強くなった人が他国に行くかもしれないしね。


 また、この迷宮での訓練は貴族や騎士にとって結婚話のほかにも大きな意味がある。

 それは、この迷宮の奥には魔物がいて、その魔物を倒すことができれば実力が認められるということにあった。

 そして、特定の魔物を倒した実力者には近衛騎士などの重要な役目につくことが許される。

 つまり、ブリリア魔導国で出世するまたとない機会が迷宮にはあるということになる。

 男爵や子爵の三男以下の子どもたちなどは、実家を継げない可能性も考えて迷宮に潜って実力をつけたがることが多いそうだ。


「……つまり、迷宮で魔物を倒せば、僕の力も認められるってわけか」


 面白そうだな。

 おおよその説明を終えて、エッヘンと胸を張っているセシリーの姿を見ながらそう思う。

 フォンターナ連合王国にも迷宮があるって聞いたことがあるけど、そことはちょっと感じが違うみたいだ。

 迷宮に潜む魔物っていうのも気になる。

 僕もその迷宮に入れないかな?


 二人の話を聞いて、僕の心はその迷宮に引き寄せられていったのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど。呼吸で魔力を効率よく取り入れることができるから、迷宮との相性は最高そうですね。これで魔力強化がものすごく捗りそうだ。もっとモテモテになるな! 寝取られ男ども、涙目( *´艸`) …
[一言] ヤブヘビw いずれは知るだろうけど、迷宮への興味を持たせてしまったw
[良い点] 国名が連合王国か「フォンターナ連合王国」 迷宮は、有ったね魔物と魔石狙いで冒険者の街が 貴族令嬢方は、ガチで狙いに来てますね。 他の候補方は血筋的に近いのかな? 虐めてた側も、候補から除外…
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