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ゆるゆるエルフ系ヴァンパイアの旅日記  作者: ぬるま湯
旅立つ前の準備を忘れずに
8/40

吸血族と森霊族の能力

少し時間を戻して

カーラ達の外での儀式の途中、リーネとメルディーは窓から覗いていた。

「あれは、何をしてるのかしら」

「予想だけど、カーラちゃんについてじゃないかしら」

「カーラについて?ヒレが動きにくいこと?」

「やっぱりそうだったんだ。いつからなの?」

「7歳の時よ。突然ヒレの動きが鈍くなったのよ。それ以来、部屋で読書して過ごしているの」

「大変だったわね」

「だった?なんで過去の言い方なの?」

「見てればわかるわ」


カーラが光に包まれていく

「なに?あれ」

「精霊よ。お願いでも聞いて貰ってるんじゃない?」

予想が当たったわね。あの気まぐれ精霊がねぇ……。光が消えたわね。

「カーラをよく見てみなさい。特にヒレの部分」

「え、うそ。信じられない!う、動いてるわ。なんで?もう治らないって思ってたのに」

リーネは涙を流しながら自分の娘を見つめている。

「よかったわね。これでまた、笑顔がたくさん見られるんじゃない?」

「ええ。メルディー達には返しきれない恩ができたわ」

「礼ならバレットと精霊に言ってあげて。私は何もしてないんだから」

「そうね。でも、ありがとう」



「母さん!私、ヒレ治ったよ!」

「え?どうやったの?治らないはずじゃ?」

さすが母親。子供の報告を知ってても聞いてあげてる。素直に育つわけね。

「精霊さんがね。治してくれたの!」

「よかったわねぇ。お母さん涙が出てきちゃった。精霊さんにお礼を言わなくちゃね」

「バレット、お疲れ様。いったい、どうなったらあんな事になるのかしら?」

「精霊の気まぐれだよ。あいつらカーラが1人でいる時も、近くで見てたんだと」

「そう。珍しいものね。」

「まったくだ」

「バレットさん。精霊さんはどちらに?」

「はい?ああ、カーラさんの横にいますよ」

「精霊さん、娘のヒレを治してくれて、ありがとうございます」

「どういたしまして。治ってよかったねぇ。だって」

シルフィーの通訳が本物っぽい。演技力あるわね。

「治ったからといって、あまり動き回らない方がいい。安静にして1日もすれば完全に回復するだろう。筋肉の衰えで最初はきついだろうが頑張ってくれ」

「はい、本当にありがとう。精霊さん!」

「バレットも疲れたでしょ?みんな早く寝ましょう」

「左にある部屋を使ってください。では、おやすみなさい」

「ありがとねリーネ。おやすみなさい」



ということを昨日していました。今は朝です。エルーナ家を出発するところです。

「お世話になりました」

「また、いつでも遊びに来てください」

「難しいと思いますがうちにも今度来てください」

「ええ、そうさせていただきます。本当は夫にも会っていただきたかったのですが………!ちょうど帰って来ました」

「今帰ったぞぉ〜!客人は帰ってしまわれたかな?」

すごい筋肉。水から出て来たからかキラキラ光ってる。ちょっと怖いなぁ。


「今出るとこだったのよ。間に合ってよかったわ。セラを助けてくれたヴァレスフィアの皆さんよ」

「メルディーです。夫のバレットと娘のシルフィーです。よろしくお願いします」

「おお〜。こちらこそよろしく!俺はジーブ・スィ・エルーナだ。バレットと言ったか?久しぶりだな!」

「相変わらずだねジーブ。元気そうで何よりだ」

「バレット知ってたの?」

「知ってるも何もあの家建てたの俺だし。ジーブからの依頼でね」

「だからあなた間取り知ってたのね」

「そうだったのですか?何も知らなくて。とても住みやすい家です。ありがとうございます」

「いえいえ、仕事ですから」

「なんか、縁を感じるな。家といい娘2人といい、世話になりっぱなしだな」

「なんで私のこと知ってるの?父さん」

「自分の娘の変化に気づかない親はいないだろ。俺は家族を愛しているからな。ガハハハハ」


「あのぅ、初めまして。シルフィーです。セラのパパさん」

「おお〜ちっこいなぁ。可愛いじゃないかぁ。で?なんだ?」

「セラを私にください」

「は?」

「ちょ、シルフィー何言ってんの!?すみませんジーブさん娘が勝手に…」

「まあ待てバレットの妻よ。嬢ちゃん、どういう意味か説明してくれるか?」

「セラと一緒に旅に出たいの。今すぐじゃないよ。もっと大きくなってから、セラを迎えに行くねって約束したの」

「そうなのか?セラ?」

「うん、後で許可を貰おうと思ってたんだけど、先に言われるとは思わなかった」

「そうか、俺は構わないがリーネ次第だな。どうだ?リーネ」

「あなたが許可するなら私は反対しないわ」

「うむ。では、旅立ちを許可する!嬢ちゃん、娘をよろしくな」

「任せてください!セラは私が守ります!」

「あとは、そっちの説得だな。なあ、バレットこうなった以上断れねぇんじゃないか?」

「そうだな。メルディーもいいかい?」

「ええ、元々そのつもりだったでしょ?外の世界を見せるとはこういう事よ」

「こっちも許可しよう」

「だとよ。よかったな嬢ちゃん」

「うん、ありがとジーブさん」

「おう。てなわけで、これからもよろしくな!バレット!また依頼するぜ」

「いつでもどうぞ」

「さあ、そろそろ帰りましょう。さすがに2日も休みにできないわよ」

「わかってる。ではまた今度ゆっくり話しましょう。お世話になりました」

「気をつけて帰れよ」

「またね、セラ。手紙で連絡とろうね」

「うん、そっちでなんとかしてね」

「わかった。バイバ〜イ!」

ズズズズ…ドプンッ。



家に着いて早々説教された。

「まったく、少しは相談しなさいよ。びっくりしたわよ」

「ごめんなさい」

「まあまあ、いいじゃないか。考えてもみろよ。あの場で言い出すのは、なかなか勇気のいることなんだぞ。すごいじゃないか」

「バレットは黙ってて!」

「はい」

…………………………。


やっと終わった。旅をする以上できることを増やさないといけない。その練習を明日から始めることになった。大まかな目標を提示された。


・霧化を使いこなせるようになる。

・影に入り自由自在に移動できるようになる。

・影を通して相手を操れるようになる。

・影から遣いを生み出せるようになる。

・身体能力をバレット以上にする。

・精霊と契約する。

・美味しい料理を作れるようにする。

・礼儀を知り、知識を増やす。


これらの達成により、晴れて旅に出られる。主に吸血族と森霊族の能力向上が中心だから楽しそう。頑張るよセラ。


セラのパパさんジーブ登場です。頭の良い筋肉なパパさんです。ちなみにエルーナの家もバレットが1人で建てました。

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