飛竜〜後半〜
こ、今回は寝落ちとかしてないですよ。起きてましたよ。いつも読みづらくてすみません。それでも読んでくれるみなさんありがとうございます。
「ありがとぉ〜!ありがとうシルフィー!」
「大丈夫だった?怪我はない?怖かったね。もう終わったから」
「うん。ぎゅっとしていい?」
「好きなだけどうぞ」
いつになくセラが甘えてくる。
「はぁ〜。シルフィーのにおい。安心する」
「ちょっと、汗かいてるからあんまり嗅がないで」
「いいじゃん、臭くないし」
「そういう問題じゃないよ」
「キスして」
チュッ。
「ん、ほんとにするんだ」
「流れで、つい」
何やってるだ私はぁ〜!まあ、いつもの事なんだけどね。
『2人トモ、愛シ合ウノハソノ辺ニシトクンジャナ』
『マズ先ニコノ飛竜ヲドウスルカデス』
「あ、はい。すみません」
「おーい、起きろー」ペシペシ
『うぐぐ。うぅ〜………』
「起きろってばぁー」ペシペシ
『うぁぅ。ぐぅ〜…』
「だあー!起きろー!」バシバシ
『あ、あう、いたた、やめ…やめて。ハッ!』
「やっと起きた。1回目から起きてたでしょ?」
『い、いえいえ!そんな事ないッス!今起きたッス!』
「起きたの?よかったの。シルフィーがやり過ぎるからなの」
「私を怒らせたこいつが悪い」
「それでもやり過ぎなの」
「ご、ごめん。なさい」
「わかればいいの」
私たちはあの後、気を失ったトカゲの傷を治していた。と言ってもほぼグラントとリムの仕事になるけど。
「ねえ、あんた再生能力高くない?」
『そうッスね。それが一番の特徴ッスから』
「すぐに尻尾は生えるし、腕も再生するし、予想通りだけどそれ以上にグロかったよ」
『尻尾は新しいのが生えてくるッスけど、そのほかは細胞の高速分裂ッスから』
「あと確認だけど、あんた飛竜だよね?」
『そうッス!飛竜のグィラム・ラニ・ドラゴっていうッス』
「私はシルフィー」
「セラです」
「リリィなの」
「質問ばかりで悪いけど、なんで竜族の名前にみんなドラゴがつくの?」
『さあ、よくわかんないッス。伝統とかじゃないッスか?竜族はみんな家族みたいなものだからって話もあるッスが、本当かどうかはわからないッス』
「へぇ〜。まあどうでもいいんだけど」
『ひどいッス!』
「聞きたいのはこっちなんだよね。なんでセラを連れて行こうとしたの?」
『可愛い、いや美しいと思ったからッス!』
「それだけか。他に理由は?」
『ないッス!』
「そっか。じゃあもう1本逝っとこう」
『なんでそうなるッスか!いやッス!』
「だって理由がイラつくんだもん」
『理由になるかどうかわからないッスけど、ドラゴン型の竜族は、竜族同士の繁殖が難しい分他種族との繁殖がしやすいッス。今までだって、ドラゴン型の子を孕んだ他種族はいっぱいいたッスよ』
「え?待って待って、どうやって孕むの?」
『え?普通にッスよ』
「無理じゃない?」
「もう!2人してなんて会話してんのよ!しかも異性でなんて」
「私男に興味ないし」
『さらっと凄いこと言ってるッス!あ、自分はそういうの全然構わないタイプッス』
「うぅ、気になるけど恥ずかしいと思って止めた私が間違ってるのかな?」
「なにも間違っていないと思うの」
『同感ジャ』
『同ジクデス』
『でそのやり方なんスけど…』
突っ込みが入っても続けるんだ。
『って感じッスね。まあ、自分やったことないんスけど。ハハ…』
「ちなみに竜族のドラゴン型と人型は?」
『女が男を文字通り食べるッス』
「バクバクと?」
『バクバクとッス。死ぬ寸前だから大丈夫ッスよ。もちろん死後だとただ満腹になって終わりッス』
「大変なんだね」
『そうでもないッスよ』
「ねえシルフィー、もうこの話終わりにしない?」
「ん?いいけど、セラ顔真っ赤だね」
「いや、自分が話の通りにされるところだったんだなって想像してたら、ね」
セラは想像力が豊かなようだ。
『いだだだだだ。なんで締めるッスか!』
「いや、セラの妄想で犯した罪を償えと思って」
『事実なにもしてないッスよ!』
「盛り上がってるとこ悪いの。もうすぐ日が暮れるけど、これからどうする?なの」
「このままここで過ごす」
『え?ここでッスか?いやー自分耐えられないッス。帰らせてもらうッス』
「ここから近いの?」
『西の都に一応住んでるッス。この巨体でとか思ってるかもッスが、西の都は十字大陸最大の面積を誇る都ッスから大丈夫なんスよ。ん?なんスか?その目は。一緒に行きたいッスか?』
コクコク
ただで、しかも疲れずに行けるなら運んでもらいたい。みんなも同じ考えのようで。
『わかったッス。お詫びでッスからね』
「やったー!ありがとう」
「よろしくお願いしますね」
「ありがとうなの」
移動はグィラムの背中の上、ではなく影の中。背中だと風が強くて休めないし、乾燥しちゃうし。やっぱり影の中は安心できるよね。
『もうすぐ着くッスよ』
まだ10分も経っていないのに、やっぱり速いね飛竜は。
ズシンッ!という音と感じてはいないが多少の揺れを発生させながらの着地。
「あれ?ここ門だよ?」
『ここで手続きをする決まりッスから』
門番だろうか。1人の竜族が駆け寄ってくる。
「やあグィラム、どうしたんだ?お前の連れか?書類とか面倒くさいから手形だけでいいよ」
板を3枚私たちに向ける。当てろと言っているのか?
『そっと触るだけでいいッスからね』
言われる通りに触る。感触はほぼない。羊の毛に手を沈める感じだろうか。見た目は石っぽいのに、これも地竜あたりが作り出したものなのか?
「よし完了だ。それじゃ注意事項だけ言っとくぞ。よく聞けよ。そして忘れるな?」
そんなに大事なことなのか。ちょっとドキドキする。
「この都シュラハトでは外部からの客人の生活、治療などなんでもします」
「え?なんで?」
「まあまあ、続きがありますので。えー、その理由はシュラハトに在中の客人は申し込まれた戦いを全て受けていただくからです。もちろん全部竜族ですが」
「えっと、その場で?」
「いえいえ、ちゃんと決闘用の施設があります」
「ほ、他に選択肢はないのですか?」
「もう1つありますよ。竜族の子供たちと遊んでいただきます。竜族は1度に沢山の子が生まれます。面倒を見るのは大変でして、なら預けてしまおうって考えた結果ですね」
「戦わない選択肢もあるんですね。よかった」
「では、選んでいただきましょう。戦うか子供と遊ぶか」
「戦うで」
「子供たちの面倒をみます」
「戦うの」
「別れましたね。本当にいいんですか?問題がなければこちらのバッチを付けてください。外しちゃダメですよ」
剣が交差しているバッチ、ハートのバッチの2種。わかりやすいなぁ。
「ではどうぞ中へ。………ああ、疲れた。仕事と言っても敬語ってめんどいなぁ」
『終わったみたいッスね。それじゃあ中に入るッス』
「さすがに今日はないよね?」
『見つからなければいいッスよ』
「そっか。じゃあよろしく」
『ええ!?自分ッスか?まあ、いいッスけど』
「シルフィー大丈夫なの?心配なんだけど」
「大丈夫でしょ。飛竜より強かったら驚きだけど」
『またひどいことを、あれは不意を突かれたからッス!正面から正々堂々とやれば結果は変わっていたかもッス!』
「ああはいはいわかったわかった」
『これでも飛竜ッスからね。うぅ』
前回お休みでごめんね。私だよ。ぬるま湯ってば過去に考えたこと忘れてて、読み返してやばい!って合わせてたよ。考えたことメモしないからそうなるんだよね。あ、シルフィーちゃんの能力は本編でもうちょっと進んだら説明されるよ。たぶん。それじゃまた次回!




