飛竜〜前半〜
テーレと会ったことをニュクスに伝えに都の中央にいった。
「いない」
「お仕事でどこかにいってるかもなの」
リリィの予想は正しいと思う。でも今日は何か違う気がする。
「あの人のところにいく?」
「私は構わないけど」
「面倒なの」
確かにキャラ的に扱いは面倒。でも探しものに関しては頼れる存在。
「とりあえず行ってみよう」
今回はなにをやるのだろうか。
なにもやらなかった。いや、やる必要がなかった。その占い師の店の前にニュクスはいた。
「ニュクス、ここにいたんだね」
「はいぃ。皆さまどうされましたぁ?」
「大したことないんだ。地竜のテーレに会ったよっていう報告に来たの」
「それだけですかぁ。どうでしたぁ?大きかったでしょう?」
「うん。ところで、ここでなにしてたの?」
「なにと言われましてもぉ。友達に会いに来ていただけですよぉ」
「友達?それってこの店の?」
「はいぃ。随分と長い付き合いですぅ。今日は相談を受けていたのですよぉ」
「へぇ〜。あの人友達いたんだ」
「意外なの」
「あんなキャラだからずっと1人だと思ってました」
「3人とも何かあったのですかぁ?あまり変態をいじめない方がいいですよぉ。余計気持ち悪くなるのでぇ」
「ニュクスも言ってるじゃん」
「「「「あはははは」」」」
バターン!
「おいこらー!!全部聞こえてるよ!わざとだろ!わざと聞こえるように大きな声で話してただろ!僕泣いちゃうよ?」
「どうぞご自由に」
「私には関係ありませんのでぇ」
「泣きたい時は我慢しなくていいですよ。私たちは優しいのでどこかに行きますね」
「お腹空いたのー!」
「僕、君達になにかしたかな?ねえ!」
ヴェルノは泣きながらニュクスを掴みガクガクと揺らす。
「やめてくださいヴェルノぉ。苦しいですぅ」
「苦しい理由はもっと別にあるだろ!それよりなんなんだよ。なにが目的だよ!」
「ただいじめてるだけではないですかぁ」
「普通でしょ?って顔をするなー!」
ヴェルノとニュクスはとても仲が良いようだ。それよりも今、変な言葉を聞いた気がする。
「いい加減に離さないと殴りますよぉ?」
「今日はいつもより怖くないか?どうしたんだ?なあ!」
「離せと言っているんですぅ。聞かないからぁ、こうです!」ゴス!
「おわぁぁぁぁ!いってぇぇぇぇええ」ゴロゴロ
ニュクスのキックが男性の最大弱点に1発入った。いつもこんな感じなのだろうか。
「大丈夫?顔真っ青だよヴェルノ」
「大丈夫じゃない。死んだ。おれの相棒が死んだ」
「女の子に下ネタはやめましょう。セクハラですぅ」
「鬼いぃぃぃ!」
その後、ヴェルノの店の中でお茶を出してもらっている。
「ふぅ。どうなるかと思ったよ」
「もっと蹴ればよかったなぁ」
「やめてください。お願いします。死んでしまいます」
仲がいいのかよくわからないなぁ。
「それで?シルフィーちゃんたちは次どこに行くか決まってるの?」
「まだだよ」
「ニュクスさんに聞いて決めようかって話もしてました」
「ニュクスのおすすめはどこなの?」
「ふむぅ、困りましたねぇ。私はノクスしかおすすめできません。お恥ずかしながら、私はノクスから出たことがないのですぅ」
「そうだったんだ」
「では、僕がおすすめしよう。西の都に行く途中の街なんかいいと思うよ」
「どうせまたゲームゲーム言うんでしょ?」
「う、なぜそれを…」
「やっぱりか」
ヴェルノに聞くとこうなるから避けてたのに。
「あ、1つありますねぇ」
「なになに?」
「ここから南に行くと見える街ですぅ」
「リリィのお家があるとこなの?」
「そうなるわね」
「じゃあ、そこにしようか」
「おやぁ。ちょっと悩むかなと思いましたが簡単に決めてしまうのですねぇ」
「悩みすぎても仕方ないしね」
「リリィのお家なの!」
「ちゃんとお話しないといけないからね」
「お気をつけてぇ」
「うん」
「僕の立場はもうないってわけだね」
「元からないのと一緒だよぉ」
「冷たい」
「事実ですぅ。受け止めてくださいぃ」
「いーやーだぁ〜〜!」
おじいちゃん、おばあちゃん、他のみんなに別れを告げ、ノクスを出ようとしていた。
「おじいちゃん、おばあちゃん元気でね!」
「おう、かぜひくなよ」
「なにかあったら連絡しなよ」
「わかってる」
「行ってきます」
「行ってきまーすなの!」
みんなへの挨拶も済ませたし、出発しよう。
歩き始めて数分。
「ねえセラ」シーン
「セラ?」シーン
あれ?返事がない。肩の上にいたはずなのに気づいたらいなくなってた。
「どこ?どこにいった?」
わからない?ただ、すぐ近くを飛竜と思わしき存在が移動している。怪しい。付いていってみよう。
やあ、私だよ。ちらっとでてきた飛竜。今後どうなるのかねぇ。ただの感想だよ。今回はなにも言わないでおくよ。それじゃあね。




