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ゆるゆるエルフ系ヴァンパイアの旅日記  作者: ぬるま湯
3人はゆるくいきたい
28/40

地竜訪問

ラーメン食べたい。どうもぬるま湯です。最近夢でグラントとリムから『最近喋ッテナインダケド』と言われました。ある意味幸せな夢でした。

ある夜。

「なあ、シルフィーたちは地竜を見たことがあるか?」

「ないよ。近くにいなかったし」

「私は海で生活していたので」

「リリィもないの」

「そうかそうか。なら見たくないか?」

う〜ん。あとで見にいこうか考えてたから、ちょうどいいかな?

「うん。見に行きたい」

「同じく」

「いきたーい!」

「よし、そうと決まれば今すぐいくぞー!」

おじいちゃんが扉に向かって歩き出す。楽しそうだなぁ。

「待ちな!なにも持たずに行く気かい?」

「ダメか?」

「ダメとは言わないがせめてこれくらいは持っていきな」

おばあちゃんが何か渡した。

「おいおい、こんな木の棒持たせて何を考えてる」

「見てわからないなんて、頭大丈夫かい?杖に決まってるじゃないか。それと棒だけど持つところあるから、ちょっと曲がってて持ちやすくなってるから」

「杖だと?俺を老人扱いするのか?」

「事実だからね。いつも持ってるくせに孫の前で強がっちゃって」

「そんな訳ないだろ。いつもどおりだ!」

「女の孫に助けてもらうのは恥じゃないのかい?」

「そんなことにはならん。大丈夫だ」

「そうかい。迷惑かけんじゃないよ!」

「かけないよ」

これは口喧嘩だろうか。それともただのじゃれ合いか。その両方?まあ、いいか。その後、おばあちゃんは誰にも気付かれないように私の影に木の棒を入れてきた。

「すまないね」

「いいよ、これくらい」

「なにかあったら、あたしに言うんだよ?」

「うん。行ってきます」

先が不安になってきた。



ノクスを出て、南西方向に進んでいる。

「はあ…はあ…」

「大丈夫?」

「だい…じょうぶ、だ。心配するな」

いやいや、息切れしてるし、出発してまだ10分しか経っていない。

「無理しなくていいよ?」

「無理などしていない!俺はまだまだ若いんだ」

120過ぎてまだ若いのか。若いとはいったいなんなのやら。

『身体能力強化』

「お?おお?おおー!なんだか急に身体が軽くなったぞ!」

グラントのサポートだ。久しぶりに見たな。

『久シブリデ、チトヤリスギタカ?』

「ごめんね。最近頼る機会がなかったから。あとやりすぎではないと…」

「軽い!軽いぞぉーー!」

わははははは、とぴょんぴょん跳ねるおじいちゃん。やりすぎだね。

『マアイイカ。本人スゴク喜ンデルシ』

「これ加護が切れたらどうなるの?」

『ジワジワト痛ミガ…』

「ああ、それ以上言わなくていいよ。わかったから」

『ソノ時ハ私ガナントカシマス』

「リムってそういうの得意だったっけ?」

『ハイ。皆サン怪我ヲシナイノデ見セル機会ガナカッタノデス』

そうだったのか。

「リリィは知ってたの」

主だから当然だとは言わないでおこう。

「なにしてるんだー?そろそろ着くぞー!」

「今いくよー!」



それから30分後。

「全然そろそろじゃないじゃん」

「いや、本当にそろそろだから」

20分後。

「まだ?」

「もうちょっとだ!」

20分後。

「あのー」

「本当だって!もうすぐだから!」


『ナア、シルフィー。足元ニ違和感ハナイカ?』

「うーん。濡れてないのに柔らかかったり、そう感じたらすぐに硬くになったりかな」

『ナルホド。ワシガ思ウニ、モウ着イテイルノデハナイカ?』

「どういうこと?」

『ツマリ、今シルフィータチガ立ッテイルココガ地竜ノ背中デハナイノカ?トワシハ考エタ』

「そういうことかぁ。ちょっと触ってみるかな」

うーん。硬いけど、少し柔らかい。地竜に触ったことないからわかんないや。

『地竜ノ鱗ハ細カイト聞キマス。目ヲ凝ラセバ見エルノデハナイデスカ?』

「そうなの?」

そっかー。でも、よく見えない。

『視界倍率5倍、制限10秒』

「え?なに?うわわ。気持ち悪い」

一気に対象物が近くなった。感覚がよくわからなくなってきた。

『少シナラ我慢デキルジャロ』

「ううー。気持ち悪い〜。でもよく見えるぅー」

うん、グラントが言ったとおりここは地竜の上だ。

と、やっと元に戻った。はあ〜疲れた。

「なにしてるんだ?置いてくぞ?」

「もう歩かなくていいよ、おじいちゃん」

「え?」



「なんだ、そうだったのか。ハッハッハ気付かなかったぞ」

昔の記憶を元に探してたみたいだけど。相手は生物、生きている以上動かないはずがない。

「で、この地竜の頭はどっち?」

「さあ、昔と違うんじゃわからん」

「地竜はほぼ山に擬態しちゃうんだって。だから、ある日突然山が出現するっていうのが起きるみたい」

「セラはそこらへん詳しいね。でも、私は頭がどっちか聞きたいんだけど」

「そんなの簡単だよ」

「え?簡単なの?どうすればいいの?」

「シルフィーがここを思いっきり殴る。もしくは蹴る」

「まてまて、地竜だぞ。そんなことしてもビクともしないぞ」

「ダメージがそのまま通れば地竜はU字に身体が反るはず」

「おおー!それはいい考えだね」

「おーい?聞いてるー?孫やーい」

「そうと決まれば早速行動開始!」

「おおー!」

「リリィも手伝うのー!」


『身体能力強化。攻撃力上昇』

「まずは私が真上にシルフィーとリリィを飛ばす」

「俺のこと無視してる?」

「上でリリィがシルフィーを真下に全力で投げるの」

「ねえねえ」

「で私が全力パンチかキックをすればいいと」

「ねえ、本当にやるの?地竜可哀想じゃない?」

「それじゃあ、準備はいい?」

「いいよぉ〜」

「いつでもいけるの」

「結局、無視なんだよなぁ。扱いが酷いと俺は思う」

「いくよ、3、2、1……そお〜っれ!!」

セラの正確な打ち上げにより結構高く飛んだ。おじいちゃんうるさい。

「シルフィー、いってらっしゃいなの!」

そういえば、リリィに投げられるのは初めてだ。

……よし、回ってない。セラは、避難完了。やるのはもちろん全力パンチ!

「せぇーーっ…の!!」ドゴーーン!

手応えあり!いけた?

「セラ、どお?」

「うーん、上がらなかった」

「そっかー。足りなかったかぁ」

全力だったんだけどなぁ。地竜恐るべしだね。

「足りないのレベルじゃないぞ。地竜の背中に半径10メートルくらいのクレーター作って足りないって、鬼か!」

「吸血族」

「人魚族」

「森霊族なの」

「知ってるよそれくらい!」

『なにやら騒がしいのお。あての背中で何暴れとるん?』

「今の地竜の声?え?メスだったの?」

『失礼な娘やわ。これでも竜族、人型の時期はあった。性別の言い方は女にしてや』

「度重なる無礼、許して欲しい」

『その声、なんやジュラやないの。最後に会ったのは何年前やったかなぁ。たしか、10年前?』

「2年前だ」

『そうやったか?まあええ。それより他の3人と、2匹?誰なん?』

「孫とその友達。2匹というのは俺には見えんが、たぶん精霊だろう」

『あてになんの用で?』

「会いたいと言うから連れてきた」

『そう。ところで、この背中直してくれはるん?』

「戻せるな?」

「うん、できるよ。ねぇ?」

『出来ナクハナイ。ダガ、ソレナリニ時間ハカカル』

『ザット40分程度デスカネ』

「お願いします」

「よくわからんが、治るみたいだ!」

『治らなかったら、あんたら全員に罰を与えるところやったよ』

よかった。でも、罰ってなんだろう?ブレスかな?見てみたいかも。

「とりあえず頭がどっちにあるか教えてください」

『あるけど、見える場所にはない』

「それってどういう」

『つまり、あては今頭を隠してるんよ』

「えー、見えないの?」

『背中が治ったら出す。それまで待っとき』

「じゃあ、しつもーん!」

『質問が多すぎて答えられるかわからんけどええよ』

これが地竜との初めての会話だった。

はーい、私だよー!今回の話についてちょっと補足。え?本編でやれって?まあまあ、いいじゃないちょっとだから。あのね、シルフィーたちが行動してるのは夜。つまりニュクスからもらった石を使って明るくしてるよ。ね?ちょっとでしょ?え?それでも長い?ごめんね。それじゃあここらで、また次回!

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