表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆるゆるエルフ系ヴァンパイアの旅日記  作者: ぬるま湯
旅立つ前の準備を忘れずに
12/40

シルフィーは一人前?

慣れないことをしてみました。違和感があるかもしれませんが、許してください。

水路の開通から半年が経ち、今日は私がどれだけ成長したかが試される日。パパとママによる試験の日になった。

「今日は私たちがシルフィーにお題を出していくわ。まだまだ未熟だと判断した時点で不合格。つまり、旅には出させない。いいわね?」

「うん。何がきても怖くないよ。どんなお題でも楽々クリアしちゃうんだから」

「ハハハ、気合十分だな。後半バテるなよ?」

「それじゃ、始めるわ。まずは、庭に行きましょうか」


「ここにたくさんの家具が散らばっているわ。それを見つけ出して、私たちの前に集めること。条件は全ての行動を霧化でする。家具は2個以上で運ぶこと」

「速さと正確さ、それと霧化で物を運ぶ器用さが問われるお題だな」

難しいなぁ。でも、できなくはない。

「それでは…………始め!」

サラサラ…。

霧化のコントロールは簡単だけど、物を持つ行動は難しい。加減を間違えると破壊してしまう。でも、弱すぎると落としてしまう。それに加えて傷をつけない丁寧な扱い、最速を狙うスピード、全神経を集中させないと……。

「なかなか速い動きね」

「メルディーと比べてもそんなに差はないな」

「あら、私は普段抑えているのよ?」

「そうなのか」

1つ、2つ……いったい何個あるの?ちょっと高いところから把握しよう。

「手当たり次第に動くより、全体の位置を把握した方が効率がいいと判断したのね」

「基本だな」

1、2、3………20!?多過ぎじゃない?それなりに遠いし、往復してると最速どころじゃない。うーんどうしよう。

「やっと数の多さに気づいたのね。私でもこの量は3分かかるわ」

「3分でいけるのか。今は20秒経過だな」

よし、分けよう。その方が効率がいい。2個運べるように霧を分散していけば1分もかからないかな。

サラサラ…。サラサラ…。

「うそ、分裂した?分裂すると情報が頭に入り過ぎて処理できなくなるのだけれど……。」

「すごいことをやってるようだな。俺にはわからんが」

「ええ。分裂すると力も分裂していくのよ。半分、半分ってね」

「シルフィーの力なら問題ないんじゃないか?」

うーん、分裂したのはいいんだけど…操作が上手くいかないなぁ。全体を見ればできそう。頭だけ高いところに固定して……おお〜どこがどの部分か何となくわかる。このまま一気にやっちゃおう。


「そこまで!20個全部集められたようね。能力については100点ね」

「時間は1分26秒。メルディーは3分かかるらしい。よって合格とする」

「当然だね。1つ目から失敗はしないよ」

「さて、次はバレットと対戦ね」



「ルールは簡単よ。相手を気絶もしくは降参させれば勝利。精霊の使用は禁止。シルフィーは吸血族の能力を使用していいわよ。というか使いなさい」

「パパを倒せばいいんだね?」

「そういうこと。バレット!娘だからって手を抜いたらダメよ?」

「するわけがないだろ。下手したら俺が瞬殺されるよ」

「準備はいい?」

「うん」

「いつでも」

「では、……………始め!」

開始と同時に影に入る。影の中にはパパは手出しができない。隙をつけば!

「甘いな。そこだ!」

蹴り上げ!?速い!

「きゃあ!……なあ〜んてね」

当たる寸前で霧化。これでダメージは通らない。とりあえず下に向かってパンチ!

「遅いぞ!そんなんじゃ当たらないぞ!」

やっぱりパパ速いなぁ。縛るかな。

シュルルル、ビキビキ!

「うーむ、考えが単調だな。これくらいで俺の動きを封じられるとでも?」

ええ!?効かないの?あのときは手加減してた?甘く見られたら困るよ。想定内だからね。

「うおわ、やはり強くなってるな。ぴくりとも動かないな」

やった!後は気絶に持っていけば……。

「なんだ?霧?何するつもりだ?」

悪く思わないでね。正面から殴りあうのは好きじゃないんだぁ。

「むぐぐ、んむぅう……うう、うがぁ…ぁ……。」

ドサッ………。

「そこまで!勝者シルフィー!」

「ごめんね。パパ大丈夫?」

「あ〜、これは完全に落ちたわね。油断するなってあれほど言ったのに。このまま寝かせときましょ。さあ、次よ」



「次は、私と影移動競争よ。ゴールはいつも買い物に行ってる街の入り口。そこにある壁を先に触った方が勝ちよ」

「それだけ?」

「それだけ。スタートの合図はセラちゃんにやってもらうわ」

「よ、よろしくお願いします。ゴールにはお母さんがいるので安心してください」

ここから5キロ。今は正午で、影が1番短くなる時間。ずっと影にいなくちゃいけないから森に沿って行く感じかな。

「それでは、いきます。位置について、よーい。ドン!」

ザァァァ!

「ママ速い!」

「当然よ。何年吸血族やってると思ってんの?」

「ぐぬぬ、積み上げた経験が違うなぁ」

「でも、ちゃんとついてこれてるじゃない。すごいわよ?」

「抜かさないと意味ないじゃん!」

「抜けるものなら抜いてみなさい!」

右に行くとママが塞ぐ。左も同じ。フェイントにもかからない。……ルールに妨害はダメってなかったよね?

ズズズ。行ってらっしゃい。暴れてきていいよ。

「え?ちょっと、遣いじゃない。考えたわね。ルールの穴を見つけるのも策の1つね」

かかった!このまま……。

「でも、まだ足りないわね。もっと考えなさい」

遣いが一瞬で消えた。ダメだったかぁ。だったらこれで…。

『グラント、お願い。力を貸して』

『ショウチ。ソクドジョウショウ。カソク』

「精霊ね。じゃあ、本気で行くわよ!」

うそ!もっと速くなるの?遊ばれてた。落ち着け、落ち着け私。全身の力を抜いて、泳ぐことにだけ専念すれば今よりもっと…足りない。

『グラント、もっといける?』

『イケル。ガシカシ、シルフィーノカラダガ、タエラレルカ』

『できる。私なら大丈夫。だから、お願い!』

『モッテイカレルナヨ!汝、我ニ請フハ速サノミ。ダレモ、ヨセツケヌ速サ。承諾、汝ノ願イニグラントガ、コタエヨウ!』

聞いたことのない詠唱。持っていかれるってなんだろう?


シュン!

「ん?なに?今の?シルフィー?」

「あわわわわわわわ。はやい!はやいぃぃ!」

『オチツケ、コワガルナ。アタマデアヤツルンダ』

「そんなこと言ったってぇぇぇぇ!」

『ソロソロツクゾ!カベニアタリタイノカ?』

いやだ、それだけは洒落にならない。なんとしても止まらなくては。徐々に減速していく感じ。うん、これくらいがちょうどいい。

「あと少し。3…2…1……。ここだぁ!」

ドォーン!


「勝者シルフィーちゃん!」

「やったぁぁ」

「お疲れ様。油断したわ。精霊ってあそこまで力を貸せるのね」

「わしだからできるのじゃよ。って言ってるぅ」

「大変だったわね。では、これにて試験は終了よ。よく頑張ったわねシルフィー!」

「これでいけるんだね」

「そうね。知識も申し分ないし、料理はできるようになったし。あとはセラちゃんだけど」

「私はいつでも行っていいことになっているので、シルフィーが行こうと言ってくれればいつでも」

「だそうよ。よかったわねシルフィー」

「うん」

「では改めて、シルフィー、合格よ!いつでも旅に出ることを許すわ。でも、出るときは言ってね」

「うん。やくそく…す……る」コテン

「あらあら、寝ちゃったわ。こういうところはまだ子供なのよねぇ」



「あれ?誰もいない。また、置いてかれたのか……。そうだよなぁ。俺なんて……。」


このあとパパを慰めるのにママが苦労していた。

やっと旅に出られる。お待たせしました。次回からはシルフィーとセラの旅が始まります。お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ