18.
投稿ですっ!
飯食って再びログイン。
ログインしたら、ウルフ達が直ぐに影から出てきた。他のプレイヤーの視線がかなり向けられているが、気にせず行こう。
広場は広いから、ここならみんなにおやつをやれる。邪魔が入らないことを祈るのみか。
「ほら、おやつだぞー。」
ガゥ〜♪
クオン♡
オン♪
グル♪
クルルゥ♡
ギギィ♡♡
うまそうに食ってくれるおかげで作った甲斐がある。
食べ終わったら、スリスリ攻撃に移り、甘えてくる。
癒されるわ。
シャッ
カキン!
「ん?サバトラどうかしたか?」
ギギィ♡
サバトラの足が一本素早く動いた気がしたんだが…なんでもないと顔を振る。
そんなサバトラの顎を撫でてもう1つおやつをやる。
シャシャッ
バシッバシッ
今度はウルフが尻尾で何かをはたき落としたような気がした。
「ウルフ?どした?」
ガゥ〜♪
上機嫌ですり寄ってくるのみ。
ふむ。
視線を感じてふと顔を上げると目の前に槍が飛んできていた。
…は?
ガシ…
「なんで受け止められんだよ!」
「……なんだ、ガイセイさん達か。」
ぽいっと後ろに槍を捨てる。
「ちょい!それ俺の自信作っ!」
音を立てて落ちる前にモッフンさんが拾う。
確か生産職とかいってたっけ?
「さっきからちょっかい出してたのあんたら?」
「あ?さっき?俺は槍しか投げてねぇぞ?」
槍しかって…槍も投げてくるなよ…矢田先輩は先ほどあんなこと言ってたがまだ認められてないようだ。
つまりは、サバトラやウルフが防いだ攻撃は他者。
うーん。思い当たる節は……
シャシャシャシャシャシャシャシャシャ!!!!!
「ミライか……」
飛んでくるのは細く鋭い針。
それが上から俺めがけて飛んでくる。よければ、ウルフ達に当たる。仕方ない集めるか。
ピロン!
速さレベルが31になりました。
回避レベルが30になりました。
「うっそ?!」
「…流石に疲れた。」
何本向けてきたんだよ…100本近くあるんじゃねーの?ジャラジャラと集めた針をその場に落とす。
「なんで受け取れるの!」
「速いから。」
「ゔー!!」
ガゥ!
ギ♡
クオン♡
ウルフ達がキラキラな目で俺を見ている。サバトラとフェンリルはハートに見えるのは気のせいだろう。
「怪我ないか?」
全員からいい返事が返ってきた。
よしよし。
「次こそは絶対倒して僕の経験値にする!!」
「はいはい。あ、ミライー?」
捨て台詞を残して、走り去ろうとしたミライに声をかける。
「…」
無言で振り返るミライに。
「キャラが崩壊して素が出てんぞ。それと、経験値どーもありがとなー。」
ミライは自分の今の言動を自分で振り返ったのだろう。顔をだんだんと青ざめた後赤く染め、走り去った。
あの言動と行動からして、中坊あたりと見た。
悪いが、サバトラとグリズリーには影に戻るように伝える。街の中はさすがに狭いからな。
ちびっこモモちゃんも後から合流してくるそうだ。
麗華はまだログインしてないな。一応メールでギルドにいると連絡しておこう。
俺は俺で行動するつもりだったんだが、結局ギルド作りをしてないから先輩達もギルドに行くそうだ。
歩いて数分でギルドに着く。
えーっとおっさんは……
「あ、いたいた。おっさんおっさん、新しいギルド作成の手続き頼むわ。」
『ん?ブレイブはどうした?』
「いろいろあって抜けることになった。次は入るギルドの方がフリーな感じらしいからさ。」
『そーか。ユウの部下として働くお前の姿が少し見たかったが…』
「逆だろ。魔王の部下の勇者君だろ。」
『それもいーな。人間は魔王にならないがな。』
「それはそれでいーんだよ。で……あ、ギルドのリーダーってどーすんですか?」
振り返って先輩方に聞こうとしたら、何故か固まっていた。
なんで固まってんだ?
「おーい?」
『…お前が俺と普通に会話してるから驚いてんだよ。』
は?
「おっさんと話しなんか誰でもできるだろ?」
『普通はできねーよ?』
「受付にいるのに?」
『条件満たしてないと無理だ。』
……そんなの初めて聞いたぞ。
「どんな条件?」
『そりゃ、お前の場合は特殊クエの紹介時だな。ユウとレイカの場合は以前出会っており、かなり“知っていた”からな。』
へー。でもその前から話せてたしみえてたと思うが?
『条件っていっても、簡単なものもある。』
「何?」
『俺が気に留めたやつは俺が見える。俺はそういう特殊なスキルを持っているからな。』
「特殊なスキルねー…」
システム操作の間違いではないだろうか。
『で?ギルド名はどーする?』
「ソロ専で。リーダーは…ガイセイさんで良いかな。サブは……シノビさん?」
「……俺はヤダ。エルフィアにして。」
即座に断ったな。了解ですわ。
「え、いやいや、俺もやです。お前がやれや。」
「嫌です。」
「やれ。先輩命令。」
「部活やめて良いですか?入る自体のことをやめても良いんですが?」
別にやめて良いんだけど俺。フリーの方が楽な時もある。
「……エルフィアがサブでお願いします。」
「ちょっ!ガイセイさん!」
「いいな?」
「うっ。はい。」
何か気圧されてエルフィアはガイセイさんに敗北した。
『んじゃ、それで登録…………したぞ。他に何か用事があるか?』
「あ、俺はある。状態異常にどんなものがあるか教えてくれ。」
『…初歩的なことを今更聞くかお前…』
「うっせー。教えてや。」
『まったく…教えて欲しい時ぐらい口直せ…状態異常にはな、毒、猛毒、麻痺、睡眠、気絶、混乱、魅了、恐怖、暴走の9種類がある。』
結構あるな。
「それって俺らがなったらどうなるの?解除方法とかあったら教えてや。」
『まず、毒と猛毒は解毒のポーションとか、ここ付近では手に入らないが…解毒ポーションEXがある。麻痺もある、睡眠も一応、解除するという形ではなく防ぐという形であればある。だがその他は見つかっていない。』
『毒は一定の体力が解除されるまで減少していく。毒は体力が3割になると勝手に治ることもある。だが、猛毒は一定の体力が減り続ける。途中で治ることもないから、解除しないと死ぬ。ちなみに体感的には息苦しい感じが続く。麻痺は体に電気が走るような感覚に陥る。体力は減らないが痛い。麻痺から気絶になる時もある。睡眠はそのまま寝る。その間に攻撃されようと眠り続ける。まあ、一定ダメージを受ければ解除できるが。』
基本の3つはそんな感じか。
『気絶は治すアイテムは見つかってない。気絶するのは感じたことのないほどの衝撃を自身の体に受け止めた時ぐらいだ。体はもちろん動かなくなるし、意識も飛ぶ。』
『次に、混乱は敵味方がわからなくなり、戦闘中になったら自分が死ぬまでか気絶、または正気に戻るまで暴れ続ける暴走と組み合わさることになる。使い魔が混乱になったら気絶させるかどうにかして正気に戻せば治る。混乱中は影に戻れないから気をつけろよ。』
「りょーかい。」
『次に魅了も解除法は正気にどうにか戻すぐらいしか見つかってない。魅了になってしまったら、自分の意思はほとんど効かず、体が言うことを聞かなくなるらしい。』
これはさっき体験したから知ってるわ。体が動かなくなると言うよりその目標をどうにか自分のものにしたいと言う欲が前に出てくるやつもいるだろう。そしたら襲ってくるのかな?
『恐怖は体が硬直し、一定時間動かなくなる。時間は人それぞれだが、恐怖した程度に関係するな。あと暴走は、さっき説明した感じだ。』
「解除法は気絶させるか特にないと。」
『そうだな。お前たちの場合は倒した方が楽だが…』
「物騒なこと言いますな。」
『蘇んだからいいだろ。他に何か聞きたいことあるか?』
レイカ達が来るまで暇だからな。暇つぶしに何かクエスト無いか聞いて見た。
『お前専用はフリークスに聞け、亡霊のようにそこ立ってるから。』
『……』
「怖っ」
びびったわ。なんかすぐ隣でじっと俺のことを見てたわ。
「どしたの?」
『…たりない。』
「は?」
『いやしがたりなぃぃぃぃ!!もうなんでもするから頼むから、使い魔のお世話させてっ!お願いしますぅぅ!!!』
……ははは…怖っ。必死に土下座で頭床に擦り付けて、泣きついてきた。
「わーったわーった。どこ行けばいい?」
『(パァ)本当!!協会の広場にしよう!!!』
グイグイと腕を引っ張られる。
連れていかれる前に、ジャックに伝言を頼む。
レイカ達がきたらそこにいることを教えておいてくれと伝えて、俺はフリークスに拉致られる。
それは、イベントの中の1つだったようで、先輩方は俺が突然消えたように見えたそうな。
ジャックに居場所を聞いて、協会の前で合流した。
「突然消えんなよ!」
「いや、俺拉致られてたし、知らんし。」
強制イベントだったんだろ…
『んー?カラ君知り合い?』
「まーな。こいつらも入っていいの?」
『他の預けられている子達もいるから、その子達を傷つけないなら構わないよ。』
他の…楽しみだな。
先輩方に説明を少しすると、モッフンこと掛合先輩飲み着いて来るらしい。他はいいとのこと。
「そんな協会あったの?!僕も入会したいっ!」
「入会したいってー。」
『んー…試験に合格したら構わないけどとりあえず、後回しね。癒されたい。とにかく癒されたい。』
ハイハイ。
広場には草が程よく生え、木陰もあり、水場もある。
……昼寝場所に登録しようかな。俺。
「あれは見たことないな…ここら辺にいるの?」
俺の見たのは立派なツノを持った鹿。ツノには赤い実がなっていた。植物なのかね?
『アレは転送術で送られてきたシーズンカの雄だよ。季節によってツノになる実が違うんだ。』
ほう。シ○ジカみたいなやつか。
「ふれあい禁止?」
『しても構わないけど…あの子は警戒心が強いから…あ。行っちゃった。』
しても構わないと聞いて、すぐに雄ジカのところへ向かう。
近くで見るとかっけぇ。目が青い宝石みたいだ。
ブルルゥ…
「背中触らせてくれ。」
……ブルルゥ♪
最初は警戒していたが目をじっと見て願うとすぐに手にすり寄ってきた。
ツノの根本は嫌がりそうだから、背中を撫でる。
『……うそぉ…』
ブルルゥ♪
顔を上げてツノを差し出したと思ったら赤い実が俺の手元に落ちた。
くれるのかね?
『…友好の証まで…』
「友好の証?へぇ、よろしくな。」
ブルルゥ。
『……一体なんで………アレ?なんだろ………え?いや、元気だけど?………は?契約取り消し?!ちょっと待ってよ!そんなこと認証したらダメだからね!魔物に戻ったら僕何もできないんだけど?!やめてよ?!………はぁ?!もうやった?!っっ!カラ君っ!気をつけて!!その子契約主と契約切ってフリーの魔物に戻ってる!』
「ん?なんだ?」
ブルルゥ♪
「ん?」
ピコン!
シーズンカが契約を求めています。名前をつけてください。
ありゃ?
「お前の主人いるだろ?」
『カラ君だだだ大丈夫?!』
慌てておっさんがやって来る。
おっさんに聞いてみた。