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伝説を創り出せ!  作者: 神白
16/21

16.


その頃部室…


「なあ、さすがに言いすぎたんじゃないか?」

「チート野郎だぞ?」

「チートとは限らんだろ。」


「そう!皐月君はそんなことしません!」

「それにチートなら運営が黙ってない。それに、運営側に問い合わせても誤りはないって言ったんだ。検証済みってことだろうし…」

空太の味方はこの時点で3人。

桃ちゃん先生と高3の福田先輩。そして、麗華。


「…それによ、討伐クエスト誘うなって…あいつ何しにあのゲームしてんだよ。レベル上がらねーだろ。」

それに関しては麗華が注意する。

実際に、この場にいる誰よりも空太が1番強いのは事実だ。


「麗華様まで?……まあ、プレイヤーレベルが実力ではないことはここにいる全員が知ってることだけど…でもなぁ?」


麗華が使い魔について言うと少し顔色を変える掛合先輩(2年)

「使い魔っすか?……ここら辺で捕まえられるのは犬ぐらいっしょ?」

「…いえ、空太はあと、蜘蛛と鳥と熊を使い魔にしてます。後、犬3匹。」

「いやいや、なんで4匹以上…まさしくチート使ってるじゃないですか。」


「空太がいうには、そういうクエストがあったと。でも詳しく教えてくれないのは確かですけど…もう少し粘れば教えてくれます!」


そんな必死な麗華の様子を見て1人黙り込んでいた響先輩がカタカタと壁紙の表示を変えていく。


「…?何してんすか先輩。」

「…何してるか探してる。」

「へ?」


ふと響先輩の動きが止まる。……パソコンの画面を凝視し、すぐにカタカタと動き出しソレが壁に映し出される。



さわさわと揺れる草、一本の木に寄りかかる、複数の影。


「……こ、これは!!」

掛合先輩が大きく反応。


「もふもふしてるじゃないかっ!!」

掛合先輩が叫ぶ。

「ウルフだけでなく…他の子達まで大きくなってる…」

と麗華が呟く。

「なんだこのパーティ…」

福田先輩がおののく。

「強そう…」

響先輩がつぶやく。

「うわぁ!もふもふ天国だ!!私合流したいっ!」

桃ちゃん先生がはしゃぐ。

「……こいつら従えてるこいつって…かなり強い?チート使ってるわけじゃないのか?」

考えを改めようとしている矢田先輩。


「私、もう合流しちゃうもんねー!」

「あ!ずるいっ!桃ちゃん先生仕事は!!」

「明日頑張るっ!」

「すこしだけなら私もやるっ!」

そう言い合い、麗華と桃ちゃん先生はログインの準備。


「……俺も会いに行こ。」

「PVP申し込みたい…」

「仲直りしたら、触らせてもらえるかな?」

「…。」

福田先輩、響先輩、掛合先輩、そして、無言で矢田先輩もそれぞれログイン準備。


…数分後



…なんかめっさ、来た。昼寝してたら人が集まって来た。

レイカの隣には小さな子が。このゲーム、未成年は保護者同伴でなくてはならない。保護者は見えない、つまり、桃ちゃん先生かな?アバターくらい背を伸ばせばよかったのに…


仕方なく起き上がる。

ウルフ達が唸りだす。

レイカの後ろに隠れる桃ちゃん先生らしきアバター。

みんなを一通り落ち着かせる。

「落ち着け、知り合いだ。ちびっこには優しくしろ。モフラーだから、もふもふしに来ただけだと思うぞ。」


「ちびっこじゃないもん!モモだもん!」

「モモちゃんだって。」

「だーかーらー!」

「…もふりたくないなら、喚いてていいよ。」

「モモちゃんと呼んで!」


はいはい。と軽く受け流して、誰か構ってやれと視線を送る。

すると、ウルフとフェンリルは動かなかったが、パンダが戯れにいった。パンダだけで充分だなありゃ。というか、ウルフとフェンリルは絶対に触らせたくないな。取られそう。


モモちゃんとレイカの相手はパンダに任せて他の連中の相手だが…


「…先ほどは悪かった。俺は福田だ、3年で、プレイヤー名はガンセイだ。大剣使い。…1度PVP申し込みたい。」

「…む。ガンセイずるい、僕が先…。響、3年、プレイヤー名シノビ。シーフ。一戦お願い。」

「俺はモモちゃんとしたいことは同じだが!俺だけのもふもふ天国を作りたい!使い魔の数制限を変更するクエストについて話を聞かせてくれ!俺はプレイヤー名モッフンだ!生産一筋の生産職だ!装備に困ったら言ってくれ!」

「……悪かった。チート野郎って言って……是非ギルドにも入ってくれ。プレイヤー名はエルフィア。弓使い。本名と学年は知っての通りだ。」


態度が様変わりしすぎだろ…何があったんだこいつら。戦闘狂が2人もいるし、モッフンってなんだモッフンって…エルフィアに関してはもうエルフでいいじゃんとか思ったわ。


「突然何が起こったのか知りませんけど、PVPですか?俺は今動きたくないので…誰かやるー?」

俺は今癒され中なのだ。ウルフとフェンリルとグリズリーは動いたらダメと言っておく。


「いや、俺はお前と戦いたいんだが?」

ガンセイが言うが…

「俺は今、ウルフとフェンリルとグリズリーのもふもふに埋もれるのに忙しいんです。家に帰って晩飯食った後にしてください。」

真剣な顔でふざけたこと言ってみる。

ガウ〜♡クォーン♡グルルゥ♪

一緒に居られることが幸せな3匹。


「…なら、蜘蛛か鳥ならいいの?」

「いいですよ。」

「なら…蜘蛛とやらせて。」

サバトラか。


「サバトラ、殺さずに倒せ。」

ギギィ♪

サバトラがひと鳴きして、シノビと対峙。


「……舐めるな。」

ギシャァ!!

「?!なっ!」

威圧で固定されたな。

動かないうちに、サバトラが足一本を使いシノビを転がし、背中が地面について起き上がろうとしたところに、首筋に足を一本延ばす。


「…………まい…った。」


ギギ!

終わったこと、勝ったことを褒めて欲しそうに近くに寄って来て、じっと見つめてくるので手を伸ばして顎を撫でる。

「よくやったな。さすがだな。」

ギチギチ♡


「……思ったよりはるかに強い。…他のともやりたい。」

「サバトラはうちのメンバーの中で今のところ1番強いからな。同格なのがウルフ、グリフォンは勉強中で、力専門は、グリズリー。フェンリルとパンダは魔法使いながらの戦闘が得意だな。」

「へえ…君は?」

「俺?…俺は…PKとか、喧嘩早いプレイヤー専門。」


「っ。PK?!誰に狙われた!」

何故か、エルフィアが食いつく。

「ミライっていう…」


ザザッとレイカ以外の全員が俺から離れた。

「ヤバいやつじゃないか!一回は殺されたのか?まだか!?」

ヤバい?

変な喋り方なだけでそんなに強くなかったが…

そういえばあれから襲ってこないな…


「……やっと殺せる♡」

首に冷たい何かを感じ取った。だが、それは一瞬で無くなる。聞きなれない、断末魔とともに。


キルルルゥァ?!

ギジャァァ!!!!

キルッ!


後ろにあった木の枝が歪み動き出す。切り落とされた枝は枝ではなく、刃がついた腕。

花になりきるカマキリは知ってるが、木になりきるのは初めてだな。


「おしいっ!」

「サバトラ舐めんな。久しぶりだな?それ相棒?」

「うん♪死神って名前にしたんだっ!」

「あっそ。」

サバトラの威圧で動かずにいるけど、成長が楽しみだな。

カマキリみたいな魔物だが…どこに居たんだろ?

そんなことを考えながら、ポーションを取り出してカマキリの腕にかける。


キルァ?

「サバトラ、もう威圧いいぞ。」

ギッ!

「大丈夫か?もう痛くないか?」

キルゥ…

目をパチクリさせながら死神は俺を見て居た。


「サバトラが動かなかったら倒せたと思ったか?ミライ。」

「うん♪」

「簡単に俺は倒せないぞ?俺は今何持ってる?」

「へ?……石?それが何?」

手の中を見えるような見せた後、それを未来と死神の頭の間を狙い飛ばす。


パシュッ


「……」

キ、キルッ?!


軽い音がしたその先をその場にいた全員が見る。


「……嘘」

シノビが呟く中で他の者は呆然と立ち竦み、信じられない光景を目に焼き付ける。

そして本人は、


「一点集中えげつないな…封印で行こう。なんやかんやしてたら、あっという間にログアウト時間じゃん。…あ、ギルド先に作っちゃいます?………ふむ、返事がないただの屍のようだ?」

屍じゃなくて石か。


「おーい?」

モモちゃんの近くに行ってほっぺプニプニする。

「やーめーへー!」

「生き返った。ギルド作りに行こーよ」

「ここどうするの!!」

「すぐに治るよ、前にやった時もすぐに元に戻ったから。」


心地よい森が一瞬それも半分だけ更地になっただけだ。明日には戻ってるだろ。ここゲーム世界だし。


「モモちゃん、そんなことよりうちのメンバーの中で1番のもふもふウルフの背中に乗りたくない?」

ガバッと勢いよく顔を上げたモモちゃん。

「もふもふ?!」

ウルフをそばに呼ぶ。大きさの時点でモモちゃんがひっくり返るか押しつぶされそう笑

ウルフに伏せてもらってモモちゃんを乗せて俺も乗る。

ガウ?

すぐに行くか?てな感じで聞いてきたので…


「もうちょい待ってな。モモちゃん、ど?」

「天国ー!」


モモちゃんの思考切り替えに成功した。

他は…

「先輩方ー…行かないんですかー?…あ、ミライと死神、またやろうなー。」


そういや、レベル上がらなかったな。自由行動になったことだし、次の街とか目指して見るかな。


ウルフによし行くかと伝えるとゆっくりと走り出す。

他のみんなも追走する。


「早っ?!」

「ちょい待って!俺らも乗せて!」


「レベル上げと称して頑張って〜」

「おまっ!先輩を敬えよ!」

「いやー…そーいうのはちょっとー」

「カラー!私も乗せてよー!」


あ、麗華忘れてたわ。

「フェンリル、麗華だけ拾ってやって!」

クォーン!

「わっ!」

フェンリルがスピードを落とし、背中の服を咥えて、背中に乗せ、俺たちに追いついてくる。


「女子限定か!?」

「そーですねー。むさ苦しい男は走ってください。」

「お前も男だろうが!」

…いや、走ってもいいんだけど…


「それだと、みんなが追いつけないのでやめときまーす。」

「「「「は?!」」」」

「……カラ、今なんて…」

「カラ君、どゆこと?!」


「さー、どーいうことでしょーねー。」

はぐらかすために、ウルフにスピードあげていいと合図する。


ガウ!

「よし、1番最初に街についたやつ!後で甘くて美味しいもの作ってやる!!」

士気を高めるために餌をばらまく。

ガウ!!!

クオン!!

オン!!

グルァ!!!

クルルゥ!!!

ギギギー!!


全員がただの追いかけっこから全力疾走となる。


「フェンリル待って!これ以上は、キャーーーーー」

「これ以上早く?!」

「……無理」

「甘い物ってなんだぁぁあ!!」

「料理スキル持ってんのかお前!!」


ガイセイとシノビは諦めて歩くようだ。息が上がってるのを見ると、限界か又は隠しておきたいものでもあるか…モッフンとエルフィアが食いついた。あいつらの出せる全力疾走をしているようだ。レイカは…南無。無償で提供してやろう。


歩いていても追いつけるだろう。もう門は見えている。さて、ウルフの隣で競り合うみんな。競争終わったらレベルアップの放送が連続して流れることであろう…

さて?誰が一位になるかな?1番有利なのはサバトラ。だが、サバトラは最後尾スタートでみんないい感じにハンデは付いている。


衛兵の人達が何事だと騒いでいるな。

まあ、特に気にしなくていいだろう。

俺は全員が横一列に並んだ瞬間にモモちゃんを抱えて門の前に跳んで降りる。ウルフに枷をなくし、モモちゃんを門の前に置いて、すぐにレイカも救出。フェンリルの枷もなくした。

これで対等。


……結果は!

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