14.
連続投稿していきますよー
焼肉を食べながら話す幼なじみ。
「………レイカ。僕らさ。」
「うん?」
「カラと遊べること嬉しすぎてさ甘えすぎてるよね。」
「……うん。」
「ベータの時レイカや他のメンバーと一緒に頑張って来たのにさ。カラにいいところ取られっぱなしは…悔しい。」
「………うん。」
「もうすぐ……転職できるレベルなんだよ?カラはまだ半分なんだよ?」
僕らはもう26。
対してカラは16…
プレイヤーレベルが実力を現さないというのはわかってる。ステータスのレベルが中身が大切なことは…
カラが教えてくれなかったらこれから先僕らはトッププレイヤーの名を汚していただろう。
…いや、もう汚している。
カラは魔物を倒すということは生き物を殺すという認識であることは前々から知っているのに、無理やり…やらせたのだ。
精神的に叩かれてもおかしく無い。
僕が背中を押しすぎて入ってしまった後話があると言ったのに、何もなかった。
……僕らはトッププレイヤーなんだ。
カラはルーキー。
お手本を見せないといけない立場なんだ。
「頼ってばっかりはダメなんだ。」
「そうだね。鍛え方もわかってる。他のトップ達にも話したから着々と本来の強さになりつつある。」
「……僕等につけられた二つ名。」
【勇者】と【舞姫】
「それに恥じぬような戦い方をしないといけないよ。」
「うん。」
(あは♡カラくんの影響力凄いなぁ♡ますますヤリたぁい♪)
「ふふっ♡♡」
不気味で変態な笑い方をするミライ。彼の頭の上にあるレベルは…
ミライLv28
そんな彼を1番この中で警戒している人物が1人いた。
『(………あの異界人異様な気配を放っているな…本当、第1の魔王に報告すること増やさないで欲しいんだけどな。)』
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戻って主人公視点
「よし、パーティはお開きな。」
ギギ〜♪
満腹になった魔物と使い魔達が寝っ転がって昼寝しだす。
いや、そろそろ帰れや。
『さて、帰ろうかな。そろそろ帰んないと怒られる。』
やっと帰んのか。
「またな。」
『嗚呼、また来る。』
「次は俺が会いに行こうかな。」
『それはいいな!是非待っている!』
急にヒューズの足元が光りだす。
『うわ、強制呼び出しくらった。もう少し駄弁りたかったのに。』
「ハハッ居座り過ぎだ。あ、これ土産。機嫌直しに渡してみたらどうだ?」
余った肉で作ったカツ。消える前に渡す。
『あんがとなー……いや、コレ渡さずに俺が食ーー』
あいつ自分で食う気か…まだ食えんのか。胃袋どうなってんだ。
「さてと、で?」
「アハッばれたぁ〜?」
「「カラ!!」」
こいつは何の用かねぇ。
魔王が消えた直後に、襲って来たんだけど。
このゲーム、PKしても何もないのか?
「なあ、このままの状態でいいんだがPKしてなんか得あるの?」
「んー?特にないよー。経験値が美味しいくらい?」
「あ、そう。なんか待遇が変わるとかは?」
「ないよー?それにしても、全然動かないんだけどぉ…ナニコレ」
短剣を二本指で止めてるんだが、飄々としていたミライも焦りだしたな。
「力量の差じゃねぇの?」
「そんなにあるわけないでしょ?僕も結構鍛えてるつもりなんだけど?」
「んー。そうだな、お前。ソロか?使い魔いる?」
「いないよーそんな面倒なもの。」
面倒な…ねぇ。
「そうかね。使い魔は頼りになるぞ?」
「いらないよ。」
「じゃ、とりあえず俺を殺すのやめて一つ俺の鍛え方聞きたくないか?」
「……そんなこと教えて君に得はないでしょう?嘘に決まっている。」
「得?あるぞ?」
「?」
「俺が最終ボスだということが広められる。」
「「そんなこと広めたいの?!」」
緊張が高まった状況が一気に和らいでいく。
「……まあ、いいや♪教えてくれるなら教えて?」
剣を納めて、俺に向き直るミライに向けて
「ウルフ、こいつに体当たり。」
ガウ!
「っ?!ぐぅ!嘘ついたなぁ♡?」
「ウルフ、もういいぞ、待て。」
「…?」
「どうだ?」
「はい?」
「ん?レベル上がんなかった?」
「え……あ。」
「俺の使い魔は俺を倒すのが目的だ。多分。」
「…!」
「使い魔のほとんどが俺をライバル視してる感じになっててな、それを超えたいようなんだわ。それの過程で俺は強くならざる負えない。」
「つまり。」
「俺はこいつらが襲って来るたんびに返り討ちにしてたらレベルが勝手に上がるの。理解した?」
「………じゃあ、その使い魔達も結構強い?」
「強いと思うぞ?互いに戦いあって経験値を得られているからな。ちなみにウルフが1番最初の使い魔だ。こいつが結構強いのは一度味わっているはずだが?」
グルル♪
褒めるように撫でる。
また次頑張れよと声をかける。
ガウ!
いい返事だ。
「使い魔に襲わせて自分を鍛える…その発想は新鮮だね……ちょっと使い魔は考えてみようかな。」
「そーそ、それとお前、不意打ちでもなんでもいいからまた俺を狙っていいぞ?」
「へ?」
「お前も俺の経験値だ。」
「…!」
ここでニタっと笑えば…
「「ボスの強化に協力しなくていいからね?!」」
焦って2人が喚く。
そんなことを無視して、ニヤついた顔で愉しそうに笑いながらこう返してくる。
「………トッププレイヤーや、ルーキー狙っていたけど…今度からカラ君専用になろうかな♡」
「ご自由にどうぞ?」
俺は昼寝の体勢になる。
「狙うと宣言したのに関わらず、ここで寝る気?余裕だね♡」
「疲れたんだよ。どんだけ料理作ったと思ってんだ。それにな。」
サバトラが俺の隣を陣取る。
「こいつがいる状態で襲えるならどうぞ?ふぁ〜…寝よ。」
他の使い魔も俺の周りに集まって昼寝大会。
あったけー…あー…眠。
…zzz
「………さすがにこれは無理かな?」
ギギ…
「…ハイハイ、襲わないよ。」
ギ。
ミライが降参のポーズを見せ、サバトラがそれに対して返事を返し八つの目を瞑る。
「寝ちゃった。…レイカ。行こうか。」
「そうね、けじめをつけないとね。」
「僕も、鍛え仲間探しにいこ〜っと♡」
こうして、焼肉パーティはお開きとなった。
目が覚めたら使い魔達しかいなかった。
好き勝手にどっか行ったか。
…さて、ちょっとお参りしたらログアウトかね。
「全員、俺の影ん中入ってくれ、移動すんぞ。」
眠たそうにふらふらと全員が影に入るのを確認。
ただし、グリフォンとサバトラは入らずに俺のそばに残る。
「ん?」
クルルゥ♪
ギギ〜♪
グリフォンは俺の肩に乗り、サバトラは乗れとでも言うかのように背中を差し出す。
「まだ一緒にいたいのか?」
クルルゥ!
ギチギチ♡
「あいよ、じゃ、サバトラでかい犬がいるところわかるか?あそこ行きたいんだけど。」
ギチギチギチギチ!
俺が乗ったあと、デカワン方面に向かって歩き出す。
俺が殺してしまった魔物の墓。それはもう時間経過で無くなっているかもしれない。なくてもいい、場所は覚えている。
作った墓の近くをうろついている間は1日一回お参りに行く。これは日課にすることにした。
ログインしたら、必ず行く。
墓つくってそれで満足ではダメなんだ。
罪悪感で飲まれそうになる。
俺たちプレイヤーの自分勝手なことのせいで犠牲にならないといけないなんて…絶対にダメなことなのだから。
しばらくして、黄色い線のフィールドに着く。中に入れば、デカワンが1匹俺に唸り声を上げる。
それをサバトラが一瞥すると、降参ポーズでひっくり返るデカワン。それを無視して墓の位置に立つ。
………本当に悪かった。すまないな。俺たちの都合のせいでお前を俺は殺してしまった。
謝って済む問題ではないだろう。だが、成仏してくれ。お前の安寧を願う。
墓の形跡なんて何もない地面に向かって拝む。
その様子を静かにサバトラとグリフォンは見つめていた。
「………よし…帰るか。」
墓に背を向けて、フィールドを出ようとしたら…
『オォーン』
バッと後ろを向く。
墓を作った場所に何もなかった地面の上に、光を放つでかい犬がお座りしていた。
そのフィールドにいるデカワンも呆然とそれを見た。
『オォーン』
それはまるで気にするなと言ってるかのように聞こえた。自分勝手な想像なのかもしれない。
「………」
『………』
しばし見つめ合っていると、
急に光っているあいつは弾かれるように上を向き、天を見上げ駆け上がって消えた。
「………」
その後を無言で見続けた。
ピコン!
世界の伝説録に登録できます。世界の伝説録に登録すれば、伝説の一つとして受け継がれて行きます。匿名であれば、“とある異界人が〜”と受け継がれます。名を登録すれば、名前も受け継がれます。いかがされますか?
………。
ピコン!
匿名での登録で確認。
タイトル『異界人の祈り』
伝説録は各街や国の教会やおとぎ話のような絵本などで確認できます。
ピーンポーンパーンポーン!
とあるプレイヤーが、伝説録に伝説を登録しました。次回から伝説のような出来事に出会ったり、名が残るような出来事を起こした際、名前を名乗ればその名前が載った書物や絵本が、匿名であれば“とある異界人が〜”とような感じで記録が残ります。
各街や国にある教会でいつでも確認できます。皆様も自分だけの伝説を刻んでください。以上で放送を終わります。
放送は、なんとなく聞いていた。今は目の前で起きたことが夢なのではと思っていたが…記録として残ったのであれば本当のことなのだろう。
………ログアウト…して少し落ち着こう。
お参りも極力来よう。確かに気にするなと言われたのかもしれないが…俺の決めたこのゲームの中での日課なのだから。
ログアウトしたら一息つく。
最近引きこもりすぎだな。
学校行ってゲームしての毎日。
ゲームが楽しすぎるのが悪い。
寒いな風邪ひいたか?
熱を測るが特に異常はない。
風邪引いたらゲームできないからな、体調管理はしっかりしなくては。
飯食って風呂入ったら明日に備えて寝よ。
翌日…
風邪は引かなかったようだ。
だが、学校に行くと思いつめたような顔をした2人に学校終わったらゲーム世界で話があると呼び出しがあった。
なんか重大そうだから、いかないとまずそうだ。
なんの話かねー?
そんなことは置いといて…俺は今ゲームができるか否かの問題に出会ってしまった。
今日は気が抜けてたな…最近来ないから諦めたものだと…
「皐月くん!今日こそは逃さないわよ!」
こいつは俺のクラスメイトの委員長。そして、おせっかい、世話焼き、めんどくさいの三言で片付けられる麗華や勇とは別にいる唯一の俺に話しかけるやつだ。
「失礼なこと考えてるでしょ!」
「うん。」
「なんですってぇ!」
こいつが喚こうがどうでもいい。
俺は帰ってゲームをするのだ。
荷物を持って帰る。
「いやいやいや帰らせないわ!何か部活に入るまで!!」
「いー加減俺のことほっといてくれる?」
「嫌よ。」
はあ、なんで元気な奴らしか俺に絡んで来ないんだ…いや絡んで来て欲しいわけじゃないけど…
「それで、いくつかピックアップして見たの!行きましょっ!」
「あ!…はぁ…」
カバン取られた…行くしかねぇ…
テンション最低で委員長について行く。
外に出ると言うことは最初はスポーツ系かね。
「まずはサッカーなんてどう??」
「…いやだ。暑い、疲れる」
「疲れるって、部活は動くものよ!当たり前でしょ!」
「俺は帰宅部でいい。」
「……先ずは体験入部よっ!」
押し通す感じかよ…
委員長が部員に話しかけ、部長らしき人が現れる。
先輩ではなさそうだが…
「平野君、皐月君の体験入部をさせて欲しいのだけど!」
「…なんで孤高の不良を入れなきゃなんねーの。」
孤高の不良ってなんだ。そんな風に呼ばれてんのか。
「それにそいつ、体育でもそんなに動かないんだぞ?運動苦手なんじゃねーの?」
特に苦手なものはないが…
「え?そうなの?」
「ただめんどくさいから動かなかった。」
「なんだそれ。」
体育って出席して課題クリアすればいいだけだろ?
「皐月?!皐月じゃないか!!」
うげ、橋本?!
「何だその嬉しそうな顔は!!ようやく俺の誘いに乗ってくれたのか!!よし!今すぐ入部手続きを!!!」
嬉しそうな顔に見えるってどんな目をしてんだ!
「は、橋本先生。何でこいつを…」
「平野か、委員長もいるじゃないか。何だ何の集まりだ?」
状況説明を委員長が行う。
その間に近くにあったボールを拾い、リフティングで遊ぶ。耳塞いでやろ、橋本の声はすごくでかくうるさいから。
「何?!皐月が運動音痴?!そんなわけないだろ!…アレを見ろ!両手なしであのリフティング!!身体の
バランス力を!!」
「…!」
「わぁ……ってアレ橋本先生の声を聞きたくないからじゃ…」
ポンポンポンポン…
「………皐月。」
…早く終わらねーかな。
ポンポンポンポン…
「皐月!」
いや、鞄がそこに置かれてるんだからそれを持って逃げれば…
「話を聞け!不良!」
「んあ?何?話終わった?帰っていい?」
「…この紙に名前書いたら帰っていい。」
そして手渡される入部届け。
「はぁ?!誰が入るか!!」
破いて捨てる。
「何でだ!」
「面倒いからだよ!」
「サッカーは楽しいぞ!皐月!!」
「うっせぇ!橋本は黙ってろ!馬鹿でかい声出すな!」
「…(´・_・`)」
「は、橋本先生どんまい。」
うわ、地面いじりしだした…これだから橋本はめんどい。
「とにかく、俺は部活に入らない。帰宅部でいい。」
「才能は有効活用しなきゃだろ!」
「……これは才能じゃねぇよ。俺に構うな。鞄返せ。」
強引にカバンを奪って帰宅。
あー…むしゃくしゃする。人間関係は苦手だ。あー言うのは特に。群れるのは苦手だ。ハア。
正門を出たら俺の勝ちだと思って急ぎ足で帰る。
あと一歩のところで肩を掴まれる。
今度は何だ。
「これだけは使いたくなかったけど…奥の手よ!」
「空太部活見学してるんですって?私も付き合うわよ!」
…委員長ぉおぉ!!!
「…麗華、仕事は?」
「生徒会の仕事1日サボったところで何ともないわ♪」
終わった…




