10.
「カラはどこ行くの?」
「俺はグリズリーと合流したらとりあえずおっさんとこ行ってくる。なんかクエストないか探すわ。」
「わかった!次の街には行っちゃダメだからね!一緒に行くんだからね!」
「はいはい」
その後グリズリーと合流。影の中に入ったのを確認。
2人と別れて、ギルドに向かう。
「おっさんー…なんかない?」
『お!終わったのか?』
「そーなのだよ。なんか保護クエとか採取の新しいのないの?」
『いいタイミングだったな。さっき一件入ったぞ。』
「おっ!どっち?」
『採取だ。(これ以上戦力をここで上げさせるわけにはいかねぇ)』
「何の採取?」
『空っぽの花の採取だ。高い崖によく咲く花でな。場所はちと遠いぞ?』
空っぽの花?
「どんなやつ?」
『空っぽの花は水晶でできた花で壊れやすい。採取したらすぐにアイテムボックスに入れろ。そしたら、大丈夫だ。1つ100Gで買い取るぞ。』
高い!
「それってさ、崖なら結構な量生えてるのか?」
『おう、一箇所集まって咲いているがな…一本取るときに近くのにも気を配らないと割れちまうぞ。』
ふむ、ガラスの花みたいな感じか。
「現物ないの?」
『残念ながらないな。写真ならあるぞ。』
図鑑みたいなものを取り出して、その写真があるページを開く。
写真の下には説明が書かれていた。
空っぽの花…花びら一枚一枚が割れやすい水晶でできている。別名ガラスの花。
魔力を留めることで魔力の増量をするための訓練用によく使われる。
魔力を留める…ねぇ。
なんかに使えるかもしれねぇから、自分用にも確保しておくか。
おっさんに受けると言って、崖の場所を聞く。
出て、左の森を突き抜けると、谷があるそうだ。そこに生えているらしいので。谷を目指す。
谷に着いたら、飛行する魔物が多く飛んでいた。
これの動きを見ながらとか…つらいな。気配遮断と壁走を併用してうまく動ければいいが…
ゆっくりと壁に足をつける。
上下がわからんくなるな。
巣もあるみたいだから気をつけんとな。
スクショのような花が一箇所に三本咲いているのを発見。巣の近くにあるのが普通のようだが…風に吹かれると風鈴のような音がリズムよく聞こえる。
親鳥はアレを鳴子がわりにしてるのか。
三本のうち1つしか取れんな。
ゆっくりと他の空っぽの花とぶつからないように支えながら採取完了。
もう少し取っていこう。
ざっと50本を確保。
うちの20は俺のにしよう。
使えなかったら使えなかったで売ればいいしな。
さて、帰るか。
ピィーピィー!!
ギャァギャァ!!
「あん?」
なんだ?上の方で何か…
ヒュン!
落ちて来たソレと一瞬目が合う。
悲しそうな目。
っ!!
ヤバい!!!
思いっきりその場から走り落ちて来たソレを捕まえようと手を伸ばす。
間に合え!!!
思いっきり壁を蹴る。そして、ソレを落とさないように抱きしめ地面へと転がる。
ダン!…ゴロゴロゴロ…
「はっ!オイ!大丈夫か!」
ピィー…
脚に怪我を負った小鳥の魔物。
弱々しく鳴き声をあげるが、出血のせいか体温が低い。
「待ってろ。確かポーションが!」
傷口にポーションを垂らして、優しく撫でる。
「傷は治ったがまだ体温が低いな。あったまるまで側にいるからな。大丈夫だ。敵は寄せ付けない。安心して休め。」
ピ…
安心しきった顔で目を閉じ眠りにつく。
「それにしても何があったんだ?」
騒ぎがあった上の方を見る。
巣を突っつくでかい虫がいた。
アレか!!他のやつも狙ってんのか!
「フェンリル!こいつを頼む。あいつぶっ飛ばしてくる!腹んとこで温めといてくれ。…よし、頼むぞ。パンダ、お前はフェンリルとその子鳥狙う奴から守れ。」
クオン!
オン!!
でかい虫めがけて走る。
小さい虫が蠢いているのを見ると鳥肌が立つが、あれくらいデカかったら殺しがいがある!
「害虫は死ね!」
キシャァ?!?!
光になって消えるのを確認。
巣を確認。
……遅かったか…
親鳥もやられたのか?辺りを見渡すがいない…他の鳥も自身の巣に戻っているようだがこの巣には来ない。
………戻るか。
フェンリルから小鳥を受け取り、体温が戻るまで待機。
なかなか目を覚まさなかったがようやく…
ピィ?
「おはよ。大丈夫か?」
ピ。……ピィ?
小さな返事の後首を回して誰かを探す。
「…悪いな、兄弟と親は助けられなかった。」
ピィー…。
下を向いて落ち込む。
「……お前はこれからどうする?巣に帰るのはいいが…餌を取りに行けないだろう?」
ピィ…ピピィ!
ピコン!
ローチフェードが使い魔を希望しています。
ローチフェード?……おい、運営。お前ら魔物の名前適当すぎないか。いや、ワザとだとしたら俺はお前らを敵とみなすぞ?
「強い名前にしような。…あの虫を虫けらのように扱えるように…そうだな……」
見た目はわしっぽいんだよな。
「よし、グリフォンにしよう。」
ピコン!
グリフォンが使い魔になりました。
ピィ!
まだ飛んだりできないよな。当分は頭の上にでものせとくか。
ステータスも確認しておこう。
グリフォンLv1:ローチフェード
体力10
魔力30
攻撃Lv1
防御Lv1
回避Lv2
速さLv1
スキル
・威嚇
んー。さすがに小鳥だしな…威嚇しかできないわな。巣から出たこともないのに体当たりなんてやったことないだろうしな。
「よし、とりあえず。街に戻るか。ウルフ達は影の中に入っとけ。お前も…」
ピィ!
自分は外にいると言うように小さな体でしがみつく。
「………わかった。じゃ、俺から離れるなよ。」
優しく抱き抱え、助走をつけて壁を走る。
そして登りきってグリフォンを頭に乗せる。
「そこから落ちないようにしがみつけ。まあ、走って帰るほど急いでないから、ゆっくり帰るけどな。」
返事がないのでちょんっと小突いてもう一度確認する。
ピィ!
よし、じゃ行くかね。
ゆっくりと街へ。
魔物が俺を襲うことなく、街に到着。
ピコン!
グリフォンがパッシブ威圧耐性を取得しました。
ピコン!
グリフォンの攻撃レベルが2になりました。
ピコン!
グリフォンの防御レベルが2になりました。
途中、木の枝とか忘れててソレに向かってぶつかりに行ったのは俺のミスだ。
「途中、悪かったな。」
ピィ!
怒った様子もなく、俺の手に擦り寄るグリフォン。
さて、クエスト報酬もらいに行くかね。
ギルドについた。
おっさんのところに行った。
お金もらった。
受付隣に座っていたニャルマさんとその他の受付のお姉さん等に捕まった。
『頭に乗ってるコ見せてくださいっ!』
『かわいい!!』
『何か食べる??』
グリフォン人気者だな。
だがグリフォンは震えている。
怖いようだ。
「あー…悪いんだけど。怖がってるから離れてくれます?」
『そんなわけないわ!』
『そうですっ!私たちを怖がってるんじゃなくて!飼い主が怖いんですっ!』
『ほら、お姉ちゃん達のとこおいで〜!』
……イラ。
………ピ。
丁寧に離れろって言ったのにこの女ども…
「……(怒)」
『あ、あー…落ち着け。な?』
「おっさんはどっちの味方だ?」
『え?いやそりゃお前の方に決まってるだろ?』
「じゃ除外しておいてやる。」
『エ?』
威圧…!
『『『きゃっ?!』』』
「黙れ、うっさい。キャピキャピしてんじゃねーよ!」
ピピピィ!ピィピィ!!
おっ、グリフォンも怒ってる。
「で、だ。水のやつ頼んだ。」
『お、おう。お前…女にも容赦ないのな。』
「ん?いい女がいなかっただけだろ?いい女だったら優しくするぞ?」
『…それもそれで見てみたいわ。』
「じゃ、いい子を紹介しようか。」
『……で、水のな。てか、アクア婆さんと知り合いだろ?普通に行けよ。』
「なんだ、無しでもいいのかよ。なら、こいつを成体にしてから行こう。グリフォン頑張ろうな〜」
『…グリフォンって…詐欺にもほどがあるぞ…』
「…そうは言ってもな?元の名前が嫌なんだよ俺。こいつの魔物の時の名前をつけたやつを俺は殺したい。なぁ、おっさん知らね?」
『…なんで俺に聞くんだ…そんなの神に聞けよ?いるかしらんが…』
「…………ふぅん。しらばっくれる気か。」
『いや、なんでだよ。』
「…………チッ。運営のくせに(ぼそ」
『っ?!ちょい待て今なんて…!』
「ま、いーわ。自分で探す。じゃーな。」
慌てた顔が観れただけで少しスッキリしたからいいわ。
さーて、フェンリルの時は大きくなる過程を見れなかったからな。グリフォンの時は自分で育てるぞ!
「よし、グリフォン。まずは威嚇以外のスキルを覚えるぞ。まずは自分で歩くことからだな。あと飛べるようにもならないとな。」
ピィ!
まずはそっと地面に下ろす。
他のメンバーも出てきてもらって挨拶を終わらせておく。
「グリフォン、みんながお前を強くするために頑張る。だから、お前も頑張るんだぞ。」
ピ!
「まずは俺の手のところまで歩く練習な。」
すぐ目の前に手を置いて、まずはそこまでと目標を掲げる。
ゆっくりと立ち上がり、ヨロヨロと一歩ずつ前に歩く。
ポスン。
とりあえず手の中にダイブしてきたので、撫でて褒める。
次は距離を伸ばす。
それを地道に続けると。
ピコン!
グリフォンのレベルが3になりました。
速さレベルが3になりました。
うんうん。いい感じ。
次は飛ぶのをしようかと思ったがとりあえずは攻撃のレベルと回避のレベルを上げに行こう。
攻撃手段は…爪かくちばしだな。
「爪か嘴の好きな方でフェンリルを攻撃してみろ。」
フェンリルは自分が今度は先輩になったことを感じてもらわなくてはならないからな。
クオン。
ピィ!
グリフォンは爪を選んだようだが…
片足を振り上げた瞬間こけてしまった。
クオン…
ピ…
「爪を選んだのはよしとする。だがまだ早いみたいなので体当たりから行くか。みんな最初に覚えてるものだろうしな?」
ピィ!
さあ、張り切り直そうな。
何度も体当たりすることにより…
ピコン!
グリフォンがスキル体当たりを取得しました。
よし。次は…
クオン?クオンオン…
ガウガウ。ガウ!
オンオン!オンオンオン!
グルァ…グルァ?
…俺が言う前に、ウルフ達がアドバイスなりなんなりしだしたんだが…
そして熱心に聞くグリフォン…
……俺…いらない気がして来た…
放置で見守っていると。
フェンリルと一緒に走り回ったり、グリズリーの肩から滑空してみたり…そして飛ぶことが可能になると…
ピィー!!
急に光の玉が現れグリフォンの体の周りをくるくると周り…光の玉が吸収されるように体に入って行くと…白く光ったと思ったら大きな鷲のような姿に!
ピコン!
グリフォンが進化してグレーイーグルになりました。
「おぉ!成体になったか!!」
ステータスの確認をすると…
グリフォンLv1:グレーイーグル
体力150
魔力100
攻撃Lv3
防御Lv3
回避Lv5
速さLv6
スキル
・威嚇・体当たり・爪・魚獲り
パッシブ
《威圧Lv1》《威圧耐性Lv1》《痛覚耐性Lv3》
おぉ!
…っておい。
「グリズリー…何を教え込んでんだ…」
グル…
バレた…てな感じの顔すんじゃねぇ!ったく。
レベルが1なのに、ステータスのレベルが1になってないのはなぜだ?それと進化ってなんだ…種族変わってんぞ。
ヘルプのとこで検索だな。
使い魔の進化
進化とはキッズから成体へと成長を遂げるのとは違い、血筋である本来の成長とは異なる変化のことである。
進化の場合、ステータスレベルは進化する前のものが受け継がれる。
進化というのもあるんだな。
いつかは名前詐欺じゃなくなったりして…
まあ、ウルフとかはありそうだけどな。
パンダはないな。うん。
さて、からくり屋敷に行くか。
カラLv10:拳闘士
体力600
魔力0
攻撃Lv18
防御Lv16
回避Lv17
速さLv19
スキル
〈採取〉〈料理〉〈魔力感知〉〈サバイバル〉〈魚獲り〉〈〉
パッシブ
《威圧耐性Lv7》《痛覚耐性Lv5》
《暗視Lv3》《超感覚Lv4》《威圧Lv8》
《気配察知Lv2》
ウルフLv9:ブラックドック
体力:400
魔力:250
攻撃Lv15
防御Lv16
回避Lv16
速さLv17
スキル
・威嚇・噛みつき・突進・闇魔法・待て・魔力感知
パッシブ
《威圧Lv11》《痛覚耐性Lv8》《威圧耐性Lv3》《暗視Lv3》《超感覚Lv3》
フェンリルLv9:ホワイトドック
体力350
魔力270
攻撃Lv12
防御Lv12
回避Lv13
速さLv13
スキル
・待て・体当たり・威嚇・跳躍・光魔法・魔力感知
パッシブ
《痛覚耐性Lv1》《威圧Lv1》《威圧耐性Lv3》
パンダLv9:ブチドック
体力380
魔力230
攻撃Lv14
防御Lv16
回避Lv16
速さLv17
スキル
・待て・突進・風魔法・噛みつき
パッシブ
《痛覚耐性Lv1》《威圧耐性Lv3》
グリズリーLv8:フィッシュウォッチャー
体力400
魔力210
攻撃Lv11
防御Lv12
回避Lv9
速さLv8
スキル
・魚獲り・気配遮断・爪・のしかかり・突進・挑発
New!
グリフォンLv1:グレーイーグル
体力150
魔力100
攻撃Lv3
防御Lv3
回避Lv5
速さLv6
スキル
・威嚇・体当たり・爪・魚獲り
パッシブ
《威圧Lv1》《威圧耐性Lv1》《痛覚耐性Lv3》




